アイディ (en:Aidi)は、モロッコ原産の犬種のひとつである。 シープドッグと名につくが、実際には羊や牛などの家畜や飼い主、財産などを泥棒やヤマネコなどから守るガードドッグとしての使役を担っている。近年アメリカなどでもガードドッグやショードッグとしても飼育されており、親せき種とともに人気を博している。歴史 [編集]アイディはモロッコの農場や遊牧民の間で飼われていて、非常に古い歴史を持つ。 北アフリカに住むベルベル人が飼っている犬種は、各部族によって微妙に姿と名前が異なる。 それらの中で主なものはアルジェリアのウル・ナイルと、このモロッコのアイディである。他にもざっと2〜3種の親せき種がいるようだが、顕著な特徴を持つものはウル・ナイルとアイディだけである。なお、アイディやウル・ナイルなど北アフリカのガードドッグをまとめてアトラス・シープドッグということもあり、実際に現在でも一まとめにしている国はある。1963年にFKCにこのアトラス・シープドッグという名前で公認されたが、実際にはシープドッグとして働いていたではなかったため、1969年に公認が取り消されてしまった。特徴 [編集]体高53〜63.5cm、体重25kg の大型犬。かつてはヤマネコやヘビなどと戦うときに噛まれて怪我をしないように 大きめの垂れ耳は丸く短く断耳され(ドーベルマンの断耳とは全く異なる)、ふさふさとした垂れ尾は非常に短く断尾されていた(ちょうどスキッパーキの断尾と同じ)が、現在はされない事のほうが多い。 なお、ウル・ナイル
ビューティーは現在でも伝統的に断耳・断尾を施されている。性格は勇気があり、愛情深いが、神経質な面もあるので根気よく丁寧な躾が必要である。 また、ガードドッグであるため、警戒心が強く、見知らぬ人に気を許さない。さらに嗅覚が優れているらしく、蛇の臭いを嗅ぎつけて危険を察知する能力があるといわれている。日本では現在ブリーダーはいない。飼育には多くの運動と換毛期のブラッシングが必要だが、自然の中でのアウトドアのお供にもなるという。