今まで塗ってた薬や、傷の経過の写真などをもって行って来た。
若い先生だった。細胞に詳しい先生らしい。皮膚科ではないのか?
肥満細胞腫で傷のただれがでてきたのですが、薬を塗りだしてからなっているように思うのですが・・・・
と話すと 「肥満細胞腫ですからね・・・」と言われいやな気持ちになる。
「再発という可能性もあります。グレードが低くとりきれていても、でることはあります。検査してみましょう」
といわれ、注射器で組織をとり、綿棒を傷口にいれて、中の組織を取り調べる
「注射器でとったほうは大丈夫でしがた、綿棒のほうに怪しい細胞があります。確定のためには特殊な検査が必要です」とのこと・・・
さあっと血の気が引き 体の力が抜ける。あたまがぼんやりしてきた。
「再発の場合はグレードがあがってしまいます。温存してということもできますが、再発ですから、断脚をしないといけないかもしれません。温存だと抗がん剤治療や、放射線治療をしないといけないでしょう。でも命をとるか足をとるかとなったら、再発してる場合 温存は僕は勧めません、でも確定のために病理に検査を出します。」
今の私にはいい結果が出ると思えず、下手に期待して悪い結果が出たら辛いので、最悪のことを覚悟しなくてはいけないと思った。
落ち込んでため息ばかりついている私をみて 「そんなにため息つかないで。まだ決まったわけではありませんから、結果が出るのを待ちましょう」
でも私には 再発してます というようにしか聞こえなかった
帰りにいままでかかってる病院に診察時間ではなかったが寄って看護婦さんに 「院長に大事な話があるんだけど」とだけ言い残し 「夕方にでも来ます」と言って店に帰った。
夕方に院長(ここからはいままでの病院の先生のことを院長とかきます)
が電話があった。「どうしたん???」
今日のいきさつを説明する。 なんで毎週通ってたのに見つけてくれへんかったん?と言いたい気持ちをぐっとおさえながら。
院長はかなり驚いていた。そして断脚といわれたことをいうと、若いのだからやれることをやりましょう。そして僕の使える限りのコネを使ってできるかぎりのことをしましょう。と 治療のことをいろいろ聞いた。明日その先生に電話して話を聞いてみます。
少しだけ気持ちが楽になった。
話をした りきちゃんのパパとママが来てくれる。パパはでんすけをそっとなぜながら、「大丈夫や、でんちゃん きっと治るよ!」と言葉すくなに話しかけている。棟がいっぱいになる。
食欲もなく 何もできない。ただただぼんやりしてるだけ。
人間はあまり辛いとそれを拒否してしまうというが、あまり悪いことも考えれなくただぼうっとして、頭がしびれた感じがしてた。ただ足なくなっちゃうのか・・・
と漠然と考えているだけ。
夜はほとんど眠れなかったが眠くならない。緊張してるのかしんどくもない。
涙も殆どでない。明日病理の結果が夕方にでも出るらしい。