英国の交通システム、リングロード。
交差点の代わりに道路がドーナツ状の輪になっていて、信号が無い代わりにリングの中に入っている車が優先というルールになっている。
慣れないと怖いし、慣れてもリングに入るときのあの微妙なタイミングはやっぱり怖い。
さっきフェリックスとお散歩の帰り道リングロードの横を歩いていたら、
「ガッチャン!」
バスと乗用車が接触事故を起こした。
小型車の運転席ドア(英国は日本と同じ通行なので右側)はかなりへこみ、バスの左前はボコッとえぐれてヘッドライトが出目金みたいになっている。
幸い双方けが人はないようだが、バスから降りてきた若い運転手さんは動揺しているのか、白い顔が引きつって青くなっている。
他の乗客もバスから降りてきた。
そのうちの一人のオバサンは、自分の息子に話しかけるように心配そうに運転手さんの顔を覗き込んでいる。
「あなた、大丈夫?さぁ、ほらチョコをどうぞ!
食べると落ち着くわ!」
そう!、オバサンという人種は必ず甘いものをかばんの中に忍ばせている!
日本では「飴ちゃん」かな?(関西ではなぜか飴に「ちゃん」をつけます!)
英国は寒いからチョコが溶けないせいか、大人も「チョコ好き」が多いためか、「飴ちゃん」ではなく、チョコを持ち歩いているのね!
チョコの種類も豊富だしね!
「オバサンはお菓子を持ち歩く」この現象は全世界共通?!
そして劇場で電車の中で、ちょっとした瞬間にさっと差し出す・・・
ちなにみ英国にいても私は日本のオバサンなので、飴ちゃんを持ち歩いていますっ!
そういえば、ハリーポッターの中でも、ハリーが気を失ったり動揺したとき、先生はチョコレートをひとかけら渡していたっけ・・・カカオの魔力?
くだんのオバサンは再び歩き出し、次は軽自動車から出てきて不機嫌そうに腕組みしているおじさんに近づいて行った。
「あなた、大丈夫?・・・さぁ、よかったらこれを・・・」