ケンブリッジ大学のコレッジの中でもトリニティコレッジについで大所帯のコレッジであるセントジョンズコレッジの見学ツアーに参加しました。
もともと13世紀初頭からこの地にあったセントジョンズ・ホスピタルの敷地にコレッジを創ろうとしたのがジョン・フィッシャー(Bishop John Fisher)。
彼はヘンリー7世の母親であるレイディ・マーガレット・ビューフォート(The Lady Margaret Beaufort)の友人だったので、彼女にコレッジ創設を薦め、1509年に亡くなった彼女の死後2年経った1511年にようやく正式にコレッジとして認められました。
つまりセント・ジョンズ・コレッジの名の由来はその土地にあった病院の名前。
このセント・ジョンズ・コレッジのメインゲイトタワーを見ると、その歴史が分かります。
昔はこのタワーの一番上の部屋に、大切な書類や貴重品を保管していたのだそうです。
上部の彫像はセント・ジョンズ(St.John the Evangelist)
日本語で言うところの「聖書の福音書を書いた聖ヨハネ」←イエス・キリストに洗礼を授けたイエスの従兄弟の洗者ヨハネとは別
その下に見えるのがコレッジの紋章
想像上の生き物2匹のYalesに守られたレイディ・マーガレットの紋章です。
左上の赤いバラはビューフォート家のシンボルであるランカスターの赤いバラ。右上の引き上げ式門はレディ・マーガレットの子孫がチューダー朝で多々使用したシンボル。
周囲の白い花はレイディ・マーガレットを表すマーガレットの花模様。
青紫の小さな花は勿忘草Forget me not。これはコレッジのモットー(フランス語のDo not forget)からのイメージ。
聖ヨハネの像をアップにすると、足元に鷲がいて、左手にはミサでぶどう酒を入れるカリス(聖餐杯)を持っており、その杯から蛇が這い出ているのが分かります。
ワシはSt.John
のシンボルであることと、杯から蛇が這い出ているのは、St.John(聖ヨハネ)がぶどう酒の中に毒を盛られたが、その毒を蛇の姿に変えて杯から追い出して毒に犯されることなくぶどう酒を飲んだという逸話に基づいており、この像がSt.John the Evangelist(福音の聖ヨハネ)であることを表現しています。
メインゲートをくぐると右手にあるのがチャペル。
本来ならコレッジの偉い人(フェロー以上)しか足を踏み入れてはいけない芝生の上を歩かせて頂き、みな大興奮
芝生の上には最初にあった13世紀の病院や教会の土台の石が残っています。
芝生の中から見上げたコレッジ。
Second courtのギャラリーと呼ばれるコンビネーションルーム。
フェロー達のダイニングとして使用されます。
特別な夜には壁とテーブルの上の銀の燭台にろうそくがともされ、幻想的なディナーを楽しめるのだそう。←説明してくださったコレッジのフェローは、ウットリしながらそうおっしゃっていました。先生ロマンチストなのね。。。
ギャラリーにあった金庫。
持ち去ろうにも重過ぎて動かせない金庫。
しかも3つの錠にはそれぞれ違う鍵が付いており、コレッジの偉い人3人別々に保管しているため、この金庫を開けるにはその3人が同時に居合わせなければ開錠できないという仕組み。。。
不気味ともいえる笑いを浮かべ、チョッと見ホラー映画のキャラクターみたいなおじさんですが、彼の持っているこの大きな古い鍵で重厚な扉を開けると、そこは立派なライブラリー。
羊皮紙や牛皮紙に書かれた古い本、
2センチしかない小さな本、60センチくらいある大きなラテン語の歌本、等など。。。古い本の匂いに包まれただけで、チョット知恵を授かったような気分です。
ライブラリーにあるステンドグラスの出窓。
以前パンティングをした際、川から見上げていた美しい窓。
思ったとおり繊細な光りが、しーんとしたライブラリーに優しく差し込みます。
ある建物についていた創設者フィッシャー(John Fisher)のマーク。
右に見えるのが魚Fish。
Fish here
→Fisher
のダジャレらしい。
あちらこちら見学をした後は、コレッジのマスター夫人によるお茶会。
マスターズロッジのあちこちに何気なく置かれている調度品は、どれも重厚感あるアンティークばかり。
椅子のクッションにもコレッジのマークを発見。
マスター夫人のお茶会だから、もしかして美味しいアフタヌーンティが頂けるの?と期待していたのだけれど、お菓子は市販のビスケットでチョッと残念。。。
とは言え”すばらしいお部屋での楽しい会話が何よりのおもてなし”という感じが、まさにイギリス的だなぁ。。。と感じた午後でした。
←今週はパソコンにバカにされているのか、言うことを聞いてもらえなかったから久々のブログだわぁ!
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