イギリス南東海岸の町イーストサセックス州ライ（Rye)に来ています。
中世の港町ライ（Rye）。
１０６６年のウィリアム征服王（William the Conqueror)によるノーマン人（Norman)のイングランド征服の歴史を今に伝える町。
かつてヨーロッパ大陸からやって来る脅威に対抗するべく築かれたイギリス南東の防衛の港（Cinque Ports)の一つとして栄えました。
１４世紀１５世紀頃は海を間近に臨む港町だったライですが、１６世紀後半以降海岸線は後退し、今では海は町から２マイルも離れています。
しかし、町のあちこちには、かつての防衛＆貿易の港町の面影を色濃く残しています。
たとえば、マーメイド・インのあるこの坂道の名はマーメイド・ストリート。
丸い小石を敷き詰めた坂道（Cobbled Streets)を上ると、1156年創業のマーメイド・イン（Mermaid Inn)があります。
その昔、船乗り達の宿（Inn)として、美味しい食事と暖かいベッドを提供して来た場所は、お客様が船乗りから観光客に代わった今でも、その役目を忠実に果たしています。
かつて密航者が密輸した宝を隠した小部屋は、今ではワイン貯蔵庫になっているパブもあるとか。
このマーメイド・インも１４２０年に再建され、当時のままの姿を残しています。
６００年以上前この宿の片隅で、密航者は持ち込んだ宝を売っては飲み明かし、海賊が次の略奪の計画を話し合ったのかと思うと、今にもこの扉をくぐったら彼らに出会えそうな感じです。
狭い小石の坂道を上りきると出会う丘の上の教会。セント・メアリー・チャーチ。
クリスマス前なので、キリスト誕生シーンの飾りがありました。
教会の前の通りはかわいいHalf timberedの古い家並み。
現在はアンティークショップになっている中世のおうち。
丘の上からの眺めは、 神戸の北野町や横浜の雰囲気に共通するものを感じます。
The Ypres Tower。
１２４９年に町の防衛の為に建てられたお城。
現在は博物館。
今も残るキャノン砲。
古くはローマ人、バイキング、ノーマン、
近世はフランス、ドイツと常に侵略の危機にさらされてきた歴史を持つ南海岸ならではの眺め。
丘を下りさらに町を散策。
家の壁に舳先の飾り。
港町の名残はあちこちに。
町は中世からジョージアンと、かわいい建物がいっぱい。
しかもそれぞれティールーム、宿、アンティーク・ショップなど現在も使われているので、実際中に入れることも魅力のひとつ。
ここはティールーム。
ショーウィンドーには、いかにもイギリスらしいお菓子が並んでいます。
こちらは古本屋さん。
ジョン・フレッチャー（John Fletcher)生誕の家。
ここも現在はティールーム。しかもわんこOK
外は０度。でも中では暖炉の前で美味しいランチを楽しめます。
１６３６年に建てられた学校。The Old Grammar School
現在は掘り出し物満載のレコード屋さん（CDではない所に注目！）
他にもこの町をベースに物語を書いたE.F.Bensonをはじめ、沢山の作家や画家達にインスピレーションを与えたライ（Rye)の町。
次回は英国史でも重要な１０６６年のヘイスティンングの闘いのあった（Hastings）からの旅日記です。
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