例年春から秋にかけて、ケンブリッジ市の中央にある広場ミッドサマーコモン(Midsummer Common)には近くの農場の牛たちが放牧されている。
先週から放牧されているRed pollと呼ばれるこの牛たちは、ここイースト・アングリア地方では珍しい品種の牛らしい。
この広場では夏になるといくつかイベントが開催されるので、それらのイベント中は他へ移動するものの、それ以外はこの街のど真ん中の広場でのんびり草を食んでいる。
市民も牛もお互い見慣れた光景なので、双方まったく動じることもなく、ごく自然に犬の散歩や自転車の通勤通学で牛達の横を通っている。
ロンドンなどの都会とは違う景色に、街の人々も牛達をほほえましく眺めている。
先日もフェリックスとこの広場をお散歩したけれど、まったく問題なし!(ホントのところは、怖がりのフェリと私は、牛からかなり遠くを歩いたけどね!)
ところが最近にわかにこの光景が話題になっている。
というのも、この広場からすぐ近くにあるお肉屋さんの看板が原因。
「(隣の)ミッドサマーコモンで草を食んでいる牛のお肉が、もうすぐ店頭に並びますよ〜!」
って。。。う〜ん、確かに牛肉=牛なんだけど、すぐ横でのんびり草を食んでいる牛たちののどかな風景と、いずれ”牛肉”になるという現実とのギャップに、近隣の住民達はブーイングの嵐! 地元の新聞ネタになるほどの物議をかもし出している。
このお肉屋さん、以前(2007年12月1日)「地元のお肉屋さん」としてこのブログにも書いたことのあるお店で、私も時々利用しているから気になった。
英語だとCow→Beef、Pig→ porkと食べ物になった段階で完璧に言葉が変わる。
語源的にはアングロサクソン(一般庶民)→アングロノーマン(Norman)(上流階級)という変化らしいけど(当時上流階級だったノーマン人だけが牛肉を食べていたから)、どこかで心情的に「食べ物」と「生き物」の線引きをしたい。
私はベジタリアンではないけれど、お肉を食べるとき”動物のお肉を食べているんだ”という事実はあまり考えたくない。。。
この看板、今後どうなるんだろう? 書き換えるのかなぁ?
かなり頑固で笑顔をほとんど見せることのない店のご主人の顔を想像すると、そうやすやすと書き換えないような。。。
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