1132年に建てられた修道院リーボー・アビー(Rievaulx Abbey)です。
(写真は全てクリックで迫力の画面に拡大可能)
北イングランドで最初に建てられたシトー派(Cistercian)の大修道院だそうです。
Rievaulxって何て発音するのか分からなくて、地元の人に尋ねてようやくリーボーと読むことが分かりました。
シトー派はフランスの修道会だから、フランス語の名前なのかな?
それにしても大っきい
廃墟になって、まだこれだけ大きいのだから、当時はどれほど巨大だったのでしょう?
ちなみに建物の下に小さく見える赤い点は見学者。
建物全体がどれほどの大きさかご想像頂けたでしょうか?
左手の建物は修道院の食堂。
中央手前の黒ずんだ低い建物は皮なめし場。
修道院の敷地内で育てた羊の皮は、ここでなめして羊皮紙を作り、写本室で本を作っていたそうです。
修道院内の教会。
アーチの手前がNave.(一般の会衆席)。
Naveのさらに奥(修道士達の座る席)
この修道院が栄えた頃には、140人のChoir Monks(主に祈りを奉げるのが仕事の読み書きのできる修道士)と、500人のLay Brothers(主に羊の世話、大工、調理など肉体労働が仕事の修道士。文盲率が高かった。)
とその召使達がここに住んでいたとか。
まるでお城のような立派な聖堂。
一時は沢山の修道士と村の人々が集っていたものの、400年の時代の波にもまれ、最後に残ったのはたったの22人。
廃墟となった現在のあるじは鳥達。
どんよりと重たい空から雨がしょうしょうと降っています。
バタバタバタッ!!と、突然激しい羽音をたてて飛び立ち、上空を何度も円を描きながら飛び回る鳥達。
キャーッ!なんだかホラー映画のワンシーンみたい。。。
小心者の私は急に怖くなって、他の見学者のいるエリアに移動
当時の中庭跡なのか、回廊の一部が残っています。
修道院内では、病気の修道士や高齢の修道士も手厚く看護されていました。
ここはそんな修道士のための診療室。
「新鮮な空気と太陽の光が病気を回復させる」と信じられていたので、当時の病室には大きな窓があったのだとか。
さらに十字軍の遠征で東方から持ち帰った薬草をこの敷地内で育て、修道士達の手によって薬として病人に投与していたらしいです。
イギリスの歴史物推理小説の修道士カドフェルシリーズのカドフェルも、十字軍遠征で持ち帰った薬草を育てて使っていたし、時代背景が同じ!
修道士カドフェルの世界って、こんな感じなのでしょうか?
修道士達が会議をしていた部屋の跡。
石のベンチシートに修道士が集まり座っていたのでしょうか。
周囲を牧場に囲まれた谷間の廃墟リーボー・アビー。
現在はイングリッシュヘリテージが管理しており、エギジビション・ルームやティールームもあり、中世の歴史に思いをはせつつ美味しいお茶とケーキも楽しめます。
ノースヨークシャーをドライブする機会があれば、是非訪れて欲しい廃墟の一つです。