風は冷たいけれど、気持ちのよい日曜日。
今日はイギリスの国民的行事のひとつ、リメンバランス・デー。(Rememberance Day)
そういえば去年の今日は、フェリックスが「ザ・モスト・ハンサムドッグ」のファイナリストとしてロンドンのドッグショーに出場していたっけなぁ。。。
でも今年はフェリックスと共に、静かな川沿いのフットパスを歩きましょう。
カモやあひるや白鳥に挨拶しながら歩く日曜の朝。
「今晩から明日にかけて激しい雨&あられ&強風」という予報だけど、今のところそんな気配も感じない気持ちよい冬の散歩道です。
お散歩中のわん軍団を見つけて、嬉しそうにかけて行くフェリックス。ふふっ幼児みたい。
それぞれが相手のお尻を追いかけて走り回ったり、飛び跳ねたり。
イギリスは黒ラブが多いから、遊んでいると、どれがフェリックスだか判らなくなっちゃう。
そして向かった先はグランチェスターにあるセント・アンドリュー&セント・メアリー教会。
何故リメンバランス・デーの今日ここに来たかと言うと、第一次大戦で亡くなった詩人のルパート・ブルックを思い出したから。
結構美形だった彼(←ここポイント)は、パブリックスクールのラグビー校からケンブリッジ大学キングスコレッジへ進み(美形で秀才)、当時このグランチェスターに下宿していました。
彼の有名な詩’The Old Vicarage, Grantchester’の中に出てくるのがこのセント・アンドリュース&セント・メアリー教会です。
彼は第一次大戦で志願兵として出兵し、戦地へ向かう途中船上で病死します。
私は文学の専門家じゃないから分からないけれど、たとえ戦争を詠っていても、彼の詩には、おどろおどろしさは無く、母国への愛国心やノスタルジーのみを感じます。
実際に激戦地で戦うことなく亡くなったからでしょうか。
If I should die, think only this of me: <BR>That there's some corner of a foreign field <BR>That is for ever England.
中略
And think, this heart, all evil shed away,<BR>A pulse in the eternal mind, no less <BR>Gives somewhere back the thoughts by England given; <BR>後略
という彼の’The Soldier’の詩を読み返し、今年のリメンバランスデーはここに来ようと思っていたのでした。
リメンバランス・デーは第一次世界大戦の終戦日である11月11日に近い日曜日をウォーメモリアルとして、第一次世界大戦以降に亡くなった兵士を追悼します。
今年は第一次大戦後90周年。
イギリスでは犠牲になった兵士の数の多さから、第一次大戦をグレート・ウォーと呼び、中学生の教材の中でも第二次大戦より詳しく学ぶようです
ロイヤルファミリーやテレビのキャスターから近所のおばさんにいたるまで、沢山の人が紙で作ったポピーの花を胸につけて、追悼の意を表すから別名ポピー・デーとも呼ばれます。
私にとって、イギリスに住んでいて、時々「居心地悪いなぁ」と感じる時があるけれど、今日のリメンバランスデーもそのひとつ。
ポピー・デーの募金を集めたりパレードで誇らしげにメダルを胸に行進したりしている老いた退役軍人は、みな第二次世界大戦で日本と戦った人たちだから、彼らの体験談を聞くと複雑な思いがするのです。
だから今年は午前11時に全国的に行われる2分間の黙祷は、ひっそりルパート・ブルックゆかりの教会のお庭でしたかったのです。
イギリスだけでなく世界中の戦争被害者を追悼すると共に、イラクやアフガンでまだ戦っている兵士がこれ以上命を落としませんように。。。と祈りつつ。
ぶるぶるっ!じっと黙祷していたら寒くなっちゃったよ!
さて、そろそろ帰りますか?
冬のお散歩の後の醍醐味は、なんといっても熱い紅茶とお菓子だからね!
Stands the Church clock at ten to three?<BR>And is there honey still for tea?
From ’The Old Vicarage, Grantchester' by Rupert Brooke
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