秋晴れの日曜日。
毎年10月第2日曜日にAshton(ケンブリッジから北西に車で1時間くらいの村)で開催されるワールド・コンカー・チャンピオンシップを見に行きました。
小さな村に、一年で一日だけ国内外からコンカー競技参加者が集まり賑わいます。
もともとは1965年、村人の予定していた釣りの遠足が天候不順で中止になった時、せっかくパブに集まったのに暇をもてあますことになった村人が、村中におちているコンカーの実で遊び出したのがそもそもの始まり。
少しずつお金を出し合って賞品を出し、さらに残ったお金を視覚障害者の親戚のいる村人に寄付をしたことから、今でも競技参加のエントリーフィーは、視覚障害者施設に寄付せれています。
更に今では年々参加者がインターナショナルになり、ヨーロッパのみならず、カナダやオーストラリア、メキシコなどから優勝を狙って集まるコンカー遊びのオリンピック。
メインイベント会場では向こう正面に解説席と報道席まであります。(盆踊りのやぐら見たい。。。)
会場内では老若男女、みな真剣に勝負中。。。
世界大会だなんて、さも権威ある大会みたいですが、ようするに昔からある素朴な秋の子供のお遊びです。
でもちゃんと細かくルールが決まっていて、3回の攻撃毎に受け手攻め手を交代し、先に壊れた方が負け。
先ほど攻撃していた左側の男性が、受け手になっています。
こんな風にパキッと割れれば勝負は明らかですが、どちらも割れずに規定時間が過ぎた場合。。。
試合に立ち会っているジャッジの判定に従います。
(中央の黒いシャツの男性が審判)
会場内には、手前右下のおばさんのように、たくさんのコンカーを首から下げている人もいます。
コンカーに穴を開けて紐を通した物で闘います。
この競技の主催者アシュトン・コンカー・クラブの規定の紐以外を使っていると失格です。もちろんコンカーの実を補強するような小細工も厳禁!
ジュニア会場では、孫 VS おじいちゃんの熱い戦いが始まったようです。
こちらはリスさんの闘い???
競技は個人だけでなく集団参加もOKです。
みんな思い思いの仮装をしています。
イケメン女子高生軍団の一人???
クリケットスティック片手に大きく足を開いて勇ましくポーズ!?
シスターの格好をしたグループもいました。
中にはひげ面男性のシスターも。。。
こちらは会場内をニコニコしながら視察しているコンカー・キング。
手に持った職杖もコンカーずくし。。。職杖なのに、ビールホルダーまで付いています。
メインイベント会場前のかやぶき屋根のおうち。
普通一般のかやぶき屋根のおうちより大きくて立派。
飲み物や食べ物の屋台も出ています。
こちらはオリーブ屋さん。
コンカー競技の会場外には、ウィッチ・メンというフォークダンスのグループが踊りを披露してくれています。
1600年頃から続いているフォークダンスのひとつ、モーリスダンス(Morris Dance)に対抗して、モーリスダンス+19世紀後半のMolly Dance+ストリートパーフォーマンスというコンセプトで生まれたのが、この21世紀向け黒版モリスダンス。
白い衣装に白いハンカチを振って踊るモーリスダンスと正反対で、ダンサーの顔が判別付かないように顔を炭で塗り黒いサングラス。。。タトゥに鎖。。。
観ていると、モーリスダンスより激しくて迫力があります。
スティックをバチバチ打ち鳴らしたり、飛んだりはねたり。。。
足につけている鈴はモリスダンスと同じだけれど、ギザギザに裂かれたフロックコートとトップハットはかなりユニーク
女人禁制のモーリスダンスと違い、1980年頃結成したこのウィッチメン(Witchmen)のグループは、女性のダンサーや女性の演奏者もいます。
微妙に恐がるフェリックス。。。
こちらのおばあさんは、Pig Dykeのダンスチームのメンバー。
彼らは黒白をモチーフカラーにしています。
左手にモップ、右手にフェリックスのリードを持って静かにポーズを取ってくれたおばあさん、 チョッと不気味だけどKISSみたいで可愛い
会場にはわんこも沢山遊びに来ていました。
フェリックスの後ろはフラットコーテッドリトリバーとラブのクロスブリード。
会場の周りに広がる、アングリア地方ののどかな田園風景。
素朴な子供の遊びを、世界大会にまでして真剣に競技する大人の余裕を感じるユーモアのセンスと、
古い伝統のダンスを斬新に再生させて新しい伝統を創ろうとするダンスグループの元気な高齢者。。。
小さな村の秋祭りの中に、今のイギリスらしさを感じられた一日でした。
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