犬の病気、猫の病気などを詳しく解説しています。

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Mar 20, 2006
皮膚病との闘い 

皮膚病との闘い  石井ブブ
自然治癒力に頼った治療が病気を克服した
このページは「ペットシッターいしい」のご好意で掲載いたしました

 

自 然 治 療 の 記 録

その1 アレルギー編
(1998〜2001年)

ホリスティック医療(ハーブやホメオパシー)を取り入れた治療の記録です。まだまだ日本では耳慣れない治療ではありますが、西洋医学(化学薬品)では治癒できないワンコと暮らしている飼い主さんには、可能性を求めるという意味で今、注目されています。(薬で症状は抑えられても、副作用を心配されている方は多いと思います)
 「いいらしい」「治ったらしい」といううわさは聞けても実際にどんな風に、どんなハーブを飲んで治っていったのかなかなか確かな情報を得ることは難しいです。
 また、自然のものを取り入れて根本から治癒していく過程は通常の薬の作用とは異なり、好転反応が出たり、症状がぶり返したりします。 私も4年間アレルギー犬「ブブ」との暮らしていく中で、アレルギーが治っていく段階に、皮膚の表面にしみが出たり、痒い場所が移動する ことを知りました。


  ボストンテリア 5才 女の子『石井 ブブ』

 

そして身体の中心から確実によくなっていくことも体験していす。 (元気が満ちてくる感じ) 自宅での治療は不安もいっぱいで、正直失敗もありました。 特にスキンケアに関しては、商品としては良いものも、ブブの皮膚があまりにも敏感なために、濃度調節(適量)には試行錯誤しました。 (現在はぴったり合うものが見つかりました)  良かったことも、悪かったこともそのままのリポートとして読んで頂けると幸いです。 試行錯誤の中で、食事やスキンケア、アレルギーのコとの暮らし方などなど学んだことを写真入りで紹介しています。

 

●獣医さんの診断は、人の上皮に反応するインドアアレルギー / 自己免疫不全症
●実際にアレルギー反応が出たものは、人の汗、 乳製品、 牛肉.、のみ、ほこり、パン、
  ワクチン、フェラリアの予防薬、新建材の臭い(シックハウス)

●症状は、皮膚の炎症、痒み、脱毛、吐き気、耳だれなど、全身に及ぶ

 

アレルギー治療の経過 1
薬つけの幼い頃

 

幼いころからアレルギーに悩まされていたブブと私の奮闘記です。ハーブ治療と出会ってから、3年の月日を経てようやく健康を取り戻しました。すべてのアレルゲンが克服できた訳ではありませんが、私がブブの体質を本当に理解し丁寧な育て方を続けていけば、普通のわんこと同じように暮らすことが出来るまでになりました。力をかして下さった皆さま、本当に感謝いたします。   いしい&ブブ

1998.4 にきびダニ事件。
1センチ四方の脱毛発見し病院へ走る。週1の薬浴(5回)と3ヵ月にわたる飲み薬にて治療。このダニはどの犬にもいるそうだが、免疫力の低下している犬は、脱毛やひどくなると全身のかゆみとなってあらわれ、成犬になるほど治療は困難らしい。ブブは元気に見えても、他の犬より免疫力が低く病気になりやすいと感じた出来事でした。

 

 

生後6ヵ月。お散歩に出てご機嫌なブブ。
アレルギーが出始めた頃で、両前足の付け根が赤くはれています。ぽつぽつとした湿疹やかゆみがありました。ステロイドを飲めば2、3日で回復。病院で出される薬を考えもなく飲ませていました。何か普通と違ったものを食べてしまったとかアレルギーの出る原因がつかめていました。

 

 

 

 

 

 

1998.6  牛肉事件。
一切れおやつにあげたところ、5分もしないうちにがりがり掻き始めた。特に両前足の付け根。病院では飲み薬(ステロイド)5日分をもらう。
この事件を境に手作り食から、獣医さんおすすめのドックフードaに変える。こんな粒粒にブブの身体をまかせていいのかな〜。原材料も明記されていないよ〜。かなりカロリーもあるし、食いしん坊のブブには食事の量が少なすぎるよ〜。そんな私の思いとは裏腹に、このフードはブブの身体にあった様子で取りあえずかゆみはおさまってくれた。後にこのフードaには化学保存料が使われていたことが判明。商品案内のパンフに、うちの保存料は基準値内なので安心と書かれてあった。「基準値」って何? 基準値内なら人間の食品には使われない保存料を使用してもいいの?


1998.7  アレルギー再発。
何のこころあたりもない。原因不明。今までのフードより、よりいいものをと私のフードおたくへの道が始まる。手作りに戻したりもしましたが、とにかく何をあげてもかゆみは薬以外では治まりませんでした。ほかの病院で栄養剤の注射をしたりしました。

薬とはステロイドのこと。常用するようになれば、身体が自分でホルモンを調節することが出来なくなり、二次的な病気を引き起こします。ブブはもともと免疫力が低いというのは感じていたので、油断すれば薬つけの生活にすぐなってしまうと思いました。私の知識がないばかりに、次は内臓が悪くなっちゃったからこの薬もあげよう、ではブブに申し訳が立ちませんから。この頃から、今のフードに出会うまでに試したフードは10種くらい。BTのブリ−ダーさんやペットショップの店員さんから紹介を受けたり、雑誌の通信販売にいたるまで。選ぶ基準は、化学保存料を使用していないこと。
      消費期限が明記されていること。(開封後◯日や冷蔵保存要など)
      原材料が明記されていて、生産している会社の概要を記したパンフなどがあること。
     
この頃にフードに対した疑問。それは上の条件をみたすのは海外のものばかり。入荷してすぐって言っても、すでに製造して2ヵ月は経っている。もちろん船便でくる訳で、冷蔵庫に入ってくる訳はないよねえ〜。きちんとくさる食品なのか、少しずつ皿に取って数カ月様子を見たりしました。結構くさらないんですよ〜。これが...。かびなんて生えない!!

食事同様、環境も大切とクーラーのかび取り、カーテンのまめな洗濯、空気清浄機から布団乾燥機、掃除機などなど。買い替えました。今振り返ってみると、この頃は何かに取り付かれたように朝から晩までブブのことばかり考えていました。

ちょっと話が長くなり、事件が前後していますが..、
1998.8  乳腺のはれ事件。
おっぱいに小さなしこりを感じて、病院へ走る。生理が終わってからの日にちなどを考えても想像妊娠らしい..。注射ではれを治めるのか、避妊手術をするのか二社選択を迫られる。ブブはそれでなくても薬や注射を小さい身体にしてきているので、注射はもう勘弁..。ブブの赤ちゃんはいつか欲しい気持ちはあったけど、避妊手術を選びました。ブブの赤ちゃんの事、自分ですべての子を育てられる訳はないし、ブブに似て身体が弱かったら尚のこと。

生後9ヵ月頃。食いしん坊ブブ
全身のかゆみがひどく、皮膚を掻きこわしてしまう。エリザベスカラーと洋服を着せていました。こうすることで、薬の量を少しでも減らせれば...。

1998.10 ブブ盗難事件。
詳しいことは省きますが、カゴごと置き引きされてしましました。
10日後に、いなくなった場所から車で30分離れた場所で保護されていました。
保護してくれた方の話しでは、いなくなった翌日にその公園にいたらしくて、
その方が連れていたGレトリバーについてきて離れなかったとの事。ブブは犬好き人好きだもんね。
本当に可愛がってくれていたようで、丸まる太って帰ってきました。
ひとり寝が出来ないブブのために、お兄ちゃんが玄関で添い寝をしてくれていたそう。
「うちで保護していますよ」という電話を受けた時は、わたし腰が抜けてへなへなその場に座り込んでしまいました。
この時、一緒に探してくれた皆さん本当に感謝しています。

    カゴごといなくなったブブ

上の写真を配って貼って回り皆さんのご協力で無事に我が家へ戻って来ました。ただ、食事が違っていたことや10日間くすりが切れていたことで、皮膚の状態は目もあてられない位にひどいものでした。全身が赤く炎症していて、手足の届く範囲掻き続けていたために背中しか毛がない状態。 顔の白い部分と手足のあちこちが、どす黒くなっていました。(原因不明)
あまりにひどい状態で、この時の写真は残念ながらありません。(写真など撮っている暇はありませんでした) 帰ってきた日から、また薬ステロイドつけの生活が始まりました。

1999.1 アレルギーの血液検査。
掛かり付けの獣医さんの紹介をもらい、大学病院にて。以前にも一度同じ検査を違う病院で受けたときはインドアのみに反応。今回は、より詳しくインドアの何なのかを調べてもらいました。結果は最悪のもので、ひとの皮膚やふけにのみ反応しているというものでした。あまりに可愛がりすぎたのが、裏目に出てしまったということを言われました。そんなことってあるの。愛玩犬としては致命傷との説明をうけ、番犬のようにあまり人に接しない飼い方をして一生を過ごさせてあげるのが賢明とのことでした。そうでもしない限り、ステロイドの量は減らせないだろうと..。

下の写真を雑誌などでみた全国の獣医さんに送って、なにかステロイドに代わる安全で副作用のない治療法がないか、相談したりしました。唯一、東北の獣医さんから木酢液とEM液をまぜて、毎日入浴させる方法を教えて頂きました。これは、決定的な治療法にはなりませんでしたが、しばらくの間シャンプーの代わりに使用していました。(毎日というのは、ブブは皮膚が乾燥してしまいました)現在は、サイダービネガー(りんご酢)でお手入れしています。

 

 

     

 

炎症は治まっていますが、ステロイドの常用で左右対象に自然脱毛。
お腹の毛も避妊手術で剃ってから、生えてきません。5才になる現在もほん

わずか産毛程度です。

1999.3 里親募集事件。
    ブブの薬を少しでも減らしたい、その願いはブブを環境の良い田舎に

移してあげることしか残された道はない。まだ1才。誰にでもなつくブブのこと、

きっと幸せになってくれる。そんなことを自分に言い聞かせていました。


ブブのアレルギー回復記録 2002年 7月 13日 現在
幼少期、半年間ステロイドを飲んだブブも、3年半の月日を経て、ここまで回復しました。
左側の黒ずんで荒れている皮膚は、自然治療の段階で好転反応、ぶり返し続けた皮膚です。
右側が現在。シミが薄くなり皮膚のつやが全然違います。つるつるだったお腹にもうっすら毛が。

自然治療2週間目。
身体の毒素がくろぐろと皮膚にしみ出てきました。
興奮すると少し赤みが出るものの、皮膚のつやは良く、毛もうっすら
シミは薄らいだものの、痒みがひどく
おっぱいがイボのようでした。
   
おっぱいも普通の大きさに。
トリの足状態だった手足にもしっかり白い毛が。
尾とお尻が左右対象にハゲていました。 尾はまだ毛がありません。
現在、ここだけが痒い(悲)
ぼろぼろブブ。見ていて一番つらい時期でした。
耳の周辺にも毛が生えてきました。
去年、夏に背中がハゲました。 ハーブを処方しなおして、半年後にはつやつや。

股関節形成不全との闘い 

股関節形成不全との闘い 
資料提供:まめまめ横丁 http://www.eonet.ne.jp/~mametarou/
無断転載は理由のいかんを問わず厳重に対処いたします。


もっと太らせなさい・・・
マメタロウの1回目のワクチンを打ちに初めて病院に連れて行った。
診察台に乗せるとチビってしまった。しかし、先生に興味深々尻尾振り振りだ。
検温、体重、視診、触診、聴診と一通り済ませ注射を打ってもらった。
次回の接種日など伺っていると先生が、
『ちょっと痩せすぎですね。もっとたっぷり与えて下さい。表示はあくまで目安です。』
『ラブラドールは、がっちりしてないとね。カルシュウムも与えてね。
1分以内に食べきるでしょ?足りないよ』と言った。
体重は3kgだった。確かにぽってりとした子犬ではないし、私が思い描いていたより小さい。
1分どころか30秒程じゃないだろうか。
無知な私は疑う事なく、その日の夜から量を増やす事にした。
おやつにカルシュウムの入った物をあげた。
そしてマメタロウは1週間に1kgづつ増えていった。



レントゲン診断はまだ無理・・・
4ヶ月を過ぎた頃からパピースクールに参加しだした。
相変わらず犬より人が好きな様だがやっぱり初めてのモノには警戒している様だ。
散歩もこの頃から始めた。外でオシッコは出来るがウンチはまだ無理みたいだ。
くねくねくねくね変てこな歩き方をする。
マメタロウの成長と平行して私達も色々とラブラドールの勉強をしていた。
甘噛みに悩んでいたから。
ラブラドールに多い遺伝子疾患「股関節形成不全」じゃないかと心配になる。
体重は14kg。ころっとした元気な子犬だ。チロさんがお世話になっていた病院に相談する。
『まだ気にする事はない。レントゲンを撮ってもまだ解らないから撮らなくていい。』と言われた。
もし形成不全が発症したらどういう治療をするのかと訪ねてみる。
『色々な手術をやってみたが、当医院では骨頭切除術をしています。これが一番いい』と言われた。
これは最終手術なんじゃないのか?ちょっと不信感が・・・。

ご先祖様が股関節形成不全・・・
6ヶ月頃 ネットで知り合った団体の方の股関節形成不全の検索エンジンで調べてみる。
股関節形成不全は遺伝子要因が多い病気だ。3代先まで検索できる。
ヒットしてしまった。
歩行がとっても気になる。モンローウォークじゃないの?

股関節の為に痩せましょう・・・
7ヶ月を過ぎた頃散歩をするとバテる。
暑いのか?体力がないのか?心臓疾患?股関節?
???がいっぱいの毎日。しかし、ぐいぐい引っ張り歩きをするからだと思ってた。
1kmも歩くと何度もへばる。ビッコをひいたりはしないけど・・・。
水練がいいと聞き初めてみる。まだまだ怖がって楽しむまではいかない。
犬って泳げるもんだと思ってたけどありゃりゃ
翌日足裏の赤みで近くのP動物病院に受診する。
ついでに股関節の事を相談する。
話をしている間マメタロウはパックリ股を開いて親父座りをしていた。
『はっきり診断するのは難しいが、発症するかもしれないでしょうね。』
『予防の為に体重は軽く。グルコサミンのサプリメントを飲んでみては?』
『昔は太らせてとか骨にカルシュームって言ってたけど今は少しクビレがある程度の痩せたスタイルの方がいいですし、
カルシュームの取り過ぎは逆効果です。』と言われた。
体重26kgまん丸のポテポテになっていた。
その日から減量とサプリメントを始める。

発症・・・
水にも慣れて自ら進んで入る様になっていた。
9ヶ月を過ぎた8月17日、躾教室から帰った夜ビッコを引いた。
その日から散歩は止めて様子をみる。
私に引っ付いて歩き廻るのでハウスで安静にさせる。
ビッコは治らず寝返りや立つ時に痛みがある様で苦痛な顔をする。
とても痛々しくさすってやると、ホッとしている。代わってやれたらな。
毎日ネットで股関節に詳しい動物病院などを探す。


明日は手術。今日は絶食です。


Penn-hip・・・
Penn-hip診断をしている兵庫の病院を受診する。院長先生が診察して下さった。
病院前で歩行を見て、診療室に入る。問診と一通りの診察をし股関節の触診をする。
レントゲン撮影の説明を受け、軽い鎮静剤を打たれる。
あっと言う間に体がフニャ〜目がとろけ尻尾をバタバタ振りだした。
夢を見ている様だ...。初めての体験でドキドキハラハラした。時間がとても長く感じた。
待合室で1時間程待って(正確には40分程)奥からマメタロウが出てきた。
まだすっきり覚めきれずにぼーっとだるそうにしている。
再び診察室に呼ばれ、レントゲンを見ながら説明を受ける。
『両脚とも股関節形成不全ですね。』ガビーン!!覚悟していたがやはりショックだった。
私の意識の中で股関節形成不全かもが股関節形成不全だに代わり、
じゃあ今後どうすればいいか?と前向きに考えようと思った。
『炎症は起こってるが変形にまでは至っていない。しかし、とっても緩いので脱臼を繰り返し必ずと言っていい程
又痛みが出るでしょう。』三点骨切り術を勧められた。
Penn-hipの機関に送らず、先生の診断書を貰い帰宅。

 


 


セカンドオピニオン・・・


P動物病院で貰ったリマダイルを2日飲み痛みが和らいだ様だ。
P動物病院で伺った大阪のF動物病院に受診する。
大先生が診察して下さった。
やはり兵庫の先生と同じ診断だった。
ネットで調べたり、形成不全に詳しい方に聞いたりの毎日。
もう一軒大阪のFa動物病院で受診する。
内科治療や手術法の説明を受ける。
F動物病院とは姉妹関係で全置換手術の話を聞く。

全置換手術をし入院中のラブラドールを見せてもらった。めちゃめちゃ元気だった。
『痛みに慣れていき痛くない歩き方を身に付けていくが、痛みが見た目に出てこなくても痛みは続く。』
『何時か又痛みが出るだろう。その時は今よりも酷くなっているだろう。』と言われた。
痛くなくなるのじゃなく痛みに耐えているのか。又あの苦痛な顔をさせてしまうのか。重く響いた言葉だった。
完治なき病気、股関節形成不全。
マメタロウは無知で金欲な繁殖のせいで苦しんでしまった。
そして、無知な飼育をした私のせいで発症させてしまった。
マメタロウごめんね。



主治医との出会い・・・


マメタロウは10ヶ月なので、三点骨切り術をするなら早い方がいい。
三点は寛骨臼の角度を変えて被せる様にする為脚が内側からでて若干不自然な歩行になると言われているし、
脱臼は防げても可動域も狭まるので摩擦による変形が起こるんじゃないかと気が進まない。
Fa動物病院で伺った全置換手術の話の中で10月頃この手術の指導立会いにスイスの教授が来るので、
F動物病院から3匹程手術の枠があるらしいのだ。
もしこの手術が合っていてするのであれば、正直経験の少ないドクターだけよりも教授が立ち会ってくれる方がいいと思った。
しかし、この手術は最終手段の手術だと言われている、変形が酷い訳でもないのに骨頭をとってしまうのは...。
悩んでいても進行が酷くなるばかりだ、もう一度F動物病院に再診することにした。
事前に電話で全置換手術の話を聞かせて欲しいとお願いしていたので、今回は若先生が診察して下さった。
Fa動物病院からだいたいの話は伝えられていた様で、色々詳しく説明をしてくださった。
内科でいく場合や外科 あらゆる治療方法を伺った。
マメタロウの現段階での全置換の術後の機能改善状態と進行してからの機能改善状態も伺った。
『変形が少ない方が形成する部分も最小限で済むし時間も短縮できる。』
『進行してからでも酷すぎなければ手術は出来るので、今しなくても大丈夫ですよ。』と言われた。
私がスイスの先生の次回来日予定は何時ですか?と聞くと、『今回で一応講習は終了なので次の予定は今は無いです』
とおっしゃった。先生を信頼していない訳じゃないけど経験浅いと不安だしな・・・っとバレバレな気持ちを察してか
『まだ日本ではこれからですし、失敗もしました。角度が悪いと脱臼して再手術で角度調整をしなおしました。』と、
今までの症例と失敗した内容などを話して下さった。これが本当のインフォームド・コンセントなんだろうな。
しばらく返事を待ってもらった。やはり決断はできなかった。



3D-CT検査と去勢手術・・・


以前からしようと思っていた去勢手術をしてもらう事にした。
肥満になると聞いていたが、適度に運動をし食事に気をつけていれば心配ないと言われた。
元々太りやすい体質でなければ問題ない様だ。
去勢をしようと思ったのは、チロさんが往年病気で苦しんだ事も大きいが発症したきっかけが
スクールで雄犬に質濃く追い立てられ回避しようとしたからだ。
何故か雄犬にガウガウされてしまうのだ。
又、このスクールにヒート前後のメスが来ていて(たまたまヒート中はスクールのお休み期間だったみたい)目は充血し
エロエロになり全く練習にならなくなってしまった。
何とも飼い主意識の乏しいスクールだった。発症してからは休んでいる。
そんな事言ってる私も最初の頃練習の中でアジリティーをさせていた。
改めて考えてみれば、ビルの4階の講堂で教室が行われていて毎回階段を登り降りをし
滑りやすい固い床で練習をしていた。走ったりもしていた。最悪の飼い主だ。

話が横道にそれてしまった...。
去勢手術は日帰りだが、股関節の状態を詳しく調べる為1泊2日の入院で3D-CT検査をする事にした。
初めてのマメの居ない我が家。とっても寂しい。でも手術をするならもっと長い入院になるんだよね。
あれから毎日今後について話し合った。
疲れもピークに達していたし、行き場のない怒りと不安で夫婦喧嘩もいっぱいいっぱいした。
今回の全置換手術をする方向にかなり傾いてはきているが、最後の決断ができない。
マメタロウが話せれば、どうしたいか聞けるのに。真剣に思った。

Zurich Cement less Total Hip・・・
去勢手術を無事済み抜糸の時CTの結果を聞いた。
発症してから1ヶ月が過ぎた。全置換手術に掛けてみる事に決めた。
片脚のみの手術でもう片方をカバーできればいいが、先生にお願いをしてからも毎日悩んでいた。
術前の検査や剃毛など行う為 10月11日午前中に来院する様にいわれていた。
長期入院になってしまうので、少しでも一緒に居たいと思い午前中の診察ギリギリに連れて行った。
もう一度手術までの流れの説明を聞き、同意書にサインをしているとマメタロウが奥から脱走してきた。
看護婦さんや先生もズリズリっと繋がって現れた。
マメタロウは交わしフェイントの名犬だといい忘れていた。先が思いやられる。
帰宅後もハラハラドキドキ 何も手がつかない。夜心配で様子を電話で聞く。
「ご迷惑かけてませんか?ご飯は食べましたか?鳴いてませんか?」
質問攻めの私に優しく看護婦さんは答えてくださった。
『心配いりませんよ。マメタロウ君は検査も賢くできました。剃毛も終わりましたよ。
ご飯も全部食べました。鳴いてませんよ。』
『何かありましたらご連絡させて頂きます。○○さんもいつでもお電話して下さいね。』と言ってもらった。
依存症なのは私達だったみたいだ。鳴くよりはいいか。お願いをして電話をきった。
12日手術の為東京に向かう。最初私も着いて行く予定だったが、ご迷惑を掛けては悪いのでじっと待つ事にした。
前回の立会い手術は大阪と東京の両方で行われたらしいが、
今回は日程の都合で東京に集まって2日間で行う事になった。
13・14日のどちらになるかは着いてみないと判らなかった。
結局マメタロウは14日に手術を受け、術後レントゲンを撮って教授のGoodをもらって大阪に帰ってきた。
心配や不安は手術日の当日も続いた。やっぱり止めようっと何度も思った。
手術前と後の連絡を大阪の病院から携帯にもらった。
結局毎日の様に病院に電話してしまっている私を見かねてか、先生から連絡が入ると直ぐに私に知らせて下さったのだ。
迷惑な飼い主だ。

入院・・・
マメタロウの入院中私の祖母が亡くなった。
亡くなった事は寂しいが、葬儀は丸1日掛かったのでマメタロウの入院中で良かった。
最初の話では、大阪に戻ってくれば次の日から面会はOKだった。
しかし、マメタロウはとっても激しく飛び跳ねたり動き回るので安静の為に抜糸までは会えないと言われた。
様子を伺う為電話した際、術前は担当の先生や看護婦さん以外中々マメタロウの話を聴けなかったが、
「入院でお世話になってますマメタロウの」の時点で『あーはい。クスッ 元気ですよ。』と帰ってきていた。
過保護な飼い主とやんちゃな犬で有名になってしまったのね。
祖母の葬儀の日携帯に面会の許可の連絡が入った。
車内で着替え病院に向かった。診療時間内ギリギリセーフ。
入院の犬舎に案内された。先生は手術中で会えなかった。
『ゲージから出すと飛び跳ねるのでゲージ越でお願します。』といわれた。
犬舎は両サイド向かい合わせに犬や猫が入院していた。
マメタロウは扉開けて直ぐの場所だ。
おやっ!!トド。sumi。何処行ってたの?ってな感じでブンブン尻尾を振って出して貰うのを待っている。
左下半身の毛がない。筋肉も落ちてヘロヘロ。コントのマジックで書いたみたいな傷跡が痛々しい。
周りを見ると上に猫。猫の隣に鳴き続けているダックス。向かい側に甲斐犬。その横に一緒に手術したゴールデン。
奥にも犬が居るみたいだ。
???何故マメタロウだけ布団ないの?きっと破壊王だから何度も破壊したんだろう。怖くてきけないよ。
一緒に行ったゴールデンは進行がかなり激しく膝も痛めているので元気がない。
余り長居すると迷惑なので改めて明日来る事にした。
次の日の7時頃面会に行くと先生がいた。
犬舎で経過と今後の説明をきく。
縫合している一箇所が少し治りが悪く退院が延びてしまった。
誕生日に退院できる予定だったが、月末まで入院になった。
食事時とぶつかってしまい、マメタロウは私達にお義理程度の挨拶をした後はずっと看護婦さんを見ていた。
薄情な犬だ。
上の猫は私達に懐いて遊ぼうとせがんでいた。隣のダックスはずっと鳴いていたのか悲惨な声になっていた。
でもまだ鳴いていた。薄情の方がましかな。
ゴールデンは自力で回転できない様で看護婦さんに介助して貰っていた。頑張れ!!
トドが毎日行くと迷惑だと言うので1日置きに面会に行く事にした。ごもっともです。
先生曰く、『マメタロウ君は今まで診察した中で2番目にやんちゃでハラハラさせられた。』と言っていた。
本当に困ったちゃんだ。

退院・・・
11月1日退院。入院生活20日間。保険に入っていて助かった。
退院後の説明を聞く。その間もマメタロウは早く帰りたがってソワソワしている。
超安全運転で帰宅、リビングに入るなり駆け出す。
夫婦固まり、病院にUターンかと思ってしまった。
何箇所か入院中模様替えをしたので色々嗅ぎまわる。
入院で学んだのか、吠える。やたらと嗅ぐ。
歩いてみるがフラフラしている。左は殆ど使っていない。
座る時も左をかばう姿勢だし眠る時も左を上にしている。
遅ればせながら、誕生日&退院祝いをした。
マメタロウよく頑張りました。お帰りなさい。

腫れた・・・
退院翌日、依存性がめちゃくちゃ強くなった。
後をついて来るのはもちろん、座ると膝の上に乗ろうとする。
赤ちゃん帰りか?
何となく傷口が腫れて熱がこもっているみたいだ。
午後からは遠めでも判る程腫れてきた。
夕方心配になり電話すると、『念の為連れてきて下さい』との事。
早速病院へ
今まで使わなかった脚を急に使ったから炎症が起こったらしい。
抗生物質消炎剤を貰う。ラリキシン ・ パセトシン
腫れは1週間程で引いた。ヨロヨロっとふら付く事は少なくなったが、やはり左をかばって歩いたり寝たりする。

手術後の散歩・・・

手術後1ヶ月は散歩禁止だった。
1ヶ月ぶりの散歩は、犬や人の誘惑がいない場所にした。
車で20分程走った所にある川横の広場。
誰も居ない事を確認し、ハーネスを着けて下ろしてみた。
大興奮で、飛び跳ねたり引っ張ったり大変だ。
少し落ち着いたのかあっちこち匂いを嗅ぎながら歩いてみる。
オシッコは脚を挙げずに女の子ポーズでしている。
左脚は就くがまだかばって歩いている。
殆ど休憩の30分程の散歩は無事終了。
こんなに疲れる散歩は初めてだ。
手術後3ヶ月までは、予断は許されない。引き運動を心がけながら様子を見つつ少しづつ距離を延ばそうと思う。
なんていいながら、日に日に筋肉も付き元気に歩く姿に嬉しくてついつい気を許し
小走りや雪遊びをしてしまう。
さすがに雪遊びは無理がたたったか腫れてしまった。
気を付けなきゃ。
3ヶ月検査の結果、順調で制限解除になった。
といっても、脱臼をする様な行動は避けなければいけない。

ゆっくりと・・・
マメタロウは毎日朝3km夕1kmの散歩を楽しんでいる。
手術前はもちろん発症する前に比べて疲れを知らない様子で気持ち良さそうに歩いている。
ぼちぼち暑さでばてるかもしれないけど腰が砕ける事はないようだ。
しかし、まだまだ経過を見ていかなければいけない。
右脚の事。膝。脱臼。股関節形成不全は終わりは無く付きまとうのだ。

私はマメタロウが股関節形成不全になって色々な事を学んだ。
知識面だけではなく、精神面でも色々教わった。
犬の頑張りは凄く、落ち込んでばかりいる私に力を与えてくれた。
マメタロウとの闘病は、我が家だけで頑張れたわけではない。
沢山の人が励まし温かい言葉をかけて下さった。
これ程力強い事はなかった。一人じゃないんだ。そう勇気付けられ支えられた。

股関節形成不全はもちろん無責任な繁殖が大きな問題で、腹立たしい。しかし、繁殖者側だけの責任ではない。
命を育てるのに私達夫婦は勉強不足だったと思う。
環境因子もかなり重要だし、ブリーディングに対してもっと調べるべきであったと思う。
きっとそこまで判っていればマメタロウと出会うことはなかっただろう。それはちょっと寂しいかな。

股関節形成不全と戦っている犬の飼い主の方、諦めないで下さい。
貴方の愛犬は、貴方の傍に居たい、時を一緒に過ごしたいと力の限り頑張っています。どうか一緒に頑張りましょう。

繁殖を考えて居られる方、今一度よく考え よく学び よく調べてから決断して下さい。愛する犬の為に繁殖しないのも愛し方です。どうかこの仔達の叫びに耳を傾けてやって下さい。これ以上苦しむ犬を産まないで下さい。大切な命です。未来に続く命です。

2年が過ぎた今・・・
毎年誕生日前に股関節の経過を検査するのですが、この時はドキドキです。
何だかこの1年の成績発表みたい。
もしも、変形が進行していたら・・・なんてマイナス面ばかり考えてしまうのです。
だって最近・・・いやいや術後のマメタロウは本当にあんな大きな手術をしたの?と疑う程の弾けっぷり。
お友達とドッグランで駆け回ったりもするし夕方の散歩もボールをレトリーブし楽しそうに風を感じているんです。
最近は足ばかりではなく全体や表情、雰囲気も観る余裕が私達にも出てきましたが
足の事一瞬たりとも忘れることはできず何時もヒヤヒヤしながら見守っている状態です。
夏場は時間の許す限り川などに水練に行き良い筋肉を付けられる様頑張っています。
頑張っているというか楽しみながら筋トレをしているってかんじかな。
主治医の先生に日々のマメタロウの様子を話すと「ドキドキしますよ。」と笑顔で仰います。
今年も「良い筋肉の付き具合だし股関節の状態も進んではいない」と合格を頂けました。
このままとんでもない無茶をしなければ問題ないと思われるんですけどね。っと嬉しい言葉も・・・
マメタロウなりに自分の限界を知っているのか無理をせず自ら休憩をとったりもしているみたいです。
もちろんこれで終わりではありません。
きっと足の事を忘れる時はないでしょう。
気を付けつつ楽しい日々の生活がおくれたらなっと思っています。
マメタロウのペースでゆっくりまったりと・・・

 

 

 

ブローディー

ブローディーカートセラピー実例



「安楽死を…」と、一時は獣医にまで見放されたブローディー君。発病した時の悲しみ、カートセラピーによって病状を克服した様子などを飼い主さんが自らまとめあげて下さいました。愛情溢れるブローディーストーリーをご紹介いたします。

 

自力では立てないブローディー

 

■ブローディーとの出会い■

 

薄汚れた犬がハイウェイを渡ろうとしていました。急いで車を横付けすると、その犬はポンと車に飛び乗ってきました。首輪はつけていましたがIDはなく、2週間ほどあらゆる手段で飼い主を探しましたが結局見つかりませんでした。「きっとこの犬を助ける運命なんだ」と私は感じ、ブローディーとの生活が始まりました。
しかしそれは大きな間違いでした。父がガンで緊急入院し、介護のため病院に通うようになりました。ブローディーを連れて行くと、彼はまるで特別な任務を果たすかのように父のベッドの横にチョコンと座り、父だけでなく同室の患者さん達も癒してくれました。1ヵ月後父は亡くなり、私はブローディーの毛に顔を埋めながら夜通し泣き続けました。ブローディーはただ静かにそれを見守っていてくれました。時々自分の足を私の肩にかけ、まるで私を抱きかかえてくれるかのように。人生の中で一番辛い時期でしたが、ブローディーが側にいてくれたために乗り越えられました。そう、我々がブローディーを助けるのではなく、彼が私を助けるために私の所に来てくれたのです。

その後もブローディーは常に私を支え続けてくれました。悲しい時は一緒に泣き、楽しい時は一緒に笑いながら。

 

■発病■

 

2003年3月8日、裏庭の雪だまりを登っている時にブローディーがクンクン言い始めました。名前を呼ぶとこちらに向かってこようとはするものの、足が雪の中に埋もれているような感じでした。再びキュンキュン言ったかと思うと突然倒れ、車道に転がり落ちてきました。心臓が止まりそうに驚いた私はブローディーを家の中まで抱えていきました。全く起き上がろうとしない彼の姿を見て、私は更に恐ろしくなりました。土曜の夕方でかかりつけの獣医が閉まっていたため、30分離れた救急病院に連れて行きました。

 

初フィッティング後のブローディー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

診断の結果重度のFCEM・繊維軟骨 性栓塞(Fibrocartilaginous Embolic Myelopathy *軟骨のような物質が血管中に詰まって起こる急性脊髄梗塞で、4脚全てが影響されていると判明しました。とりあえずステロイドが処方されましたが見通しは全くたたず、とにかく経過を見守るしか方法がないと言われました。ブローディーを家に連れて帰り、私は彼のために出来る事は全てやろうと心に誓いました。とにかく頭とシッポしか動かないので、床ずれが起きないように1時間ごとに体をひっくり返し、スポイトで水を飲ませ、手で食事を与えました。

1週間経って状況は更に悪くなりました。顔と前脚が激しくけいれんし、あまりにも歯がガチガチと強くあたったせいで唇が病変しました。獣医にはステロイドの禁断症状かもしれないと言われました。静脈注射をされ、2〜30分で良くなると言われたにも関わらず全く良くなりませんでした。ブローディーにこれ以上不要な痛みを与えたくない!でも…でも…私は重要な決断を下さなければいけませんでした。その時私は病院でブローディーと、心と心の話し合いをしました。「あなたが私に【ママ、もう十分だよ】とサインを送るまで、あなたを助けるために全てを尽くします」と。

集中治療が始まりました。点滴が始まり、薬がぶら下げられ、 鎮静剤が与えられました。また神経科の病院では、どのくらい病気が進行しているか3日かけて診断テストを受けたりもしました。果たしてブローディーの障害はどれだけ進行するのか…どうも首の上部か脳幹のあたりが病変しているようでしたが、経過については誰も予測がつきませんでした。しかしたとえ彼が回復し、再び歩けるようになったとしても、それは少なくとも何ヶ月か先の事だと言われました。以前から犬の歩行補助具をリサーチしていた事も手伝い、果たしてそういったものがブローディーに適切か獣医に尋ねたところ、ブローディーの場合は障害があまりにも重度なのでまだ早すぎるのではないか、といった答えでした。

 

 

■カートと出会って■


 

ブローディーは私の天使。だからこそ彼が再び歩けるように私が出来る限りのことをしなければいけない。 たとえ周りに反対されても、頭がおかしいと思われても、安楽死を勧められても、私が諦めたらそこでおしまいなのだから。そんな思いから私はカート購入に踏み切りました。暖かいスタッフとの話し合いの結果、ブローディーには補助輪つきのカウンターバランスカートがベストだという結論に達しました。車椅子が完成する週になると、床にお腹をつけて軍隊のようにはいつくばりながら歩いたりと、少し動きが見えてきました。ますますブローディーを車椅子に乗せて立たせてあげるのが楽しみになりました。

車椅子の受渡し日の4月11日、ブローディーが最初の一歩を踏み出した時、私は涙が止まりませんでした。2日目になるとすっかり慣れ、ジョギングするほどの早さで動き回れるようになりました。正直ここまですぐに適応してくれると思わなかったのですが、ブローディーは車椅子からなかなか降りたがりませんでした。再び健常犬のようにお外へ行き、お散歩できるようになったのです。

 

 

ブローディー1

へへ、お散歩♪

 

 

■明日へ!■

カートには1日3〜4回乗せていました。そしてカートに乗り始めて4日後の4月15日、ブローディーはなんと自力で立ち上がり、歩こうとしたのです!最初はヨロヨロと倒れてしまいましたが、彼の挑戦はそれからも幾日も続きました。そして4月25日現在、ブローディーは人に頼ることなく、自分の足で立って歩けるようになりました。もちろんヨロつく事はありますが、自分のベッドから2部屋先の玄関へ、 玄関から裏庭へ(約12.5メートル)、倒れることなく、止まることなく歩けます。時々バランスを確認しつつ、でもしっかりと前を向いて歩いているのです。現在カートは遠出する時だけ使っています。 カートなしでは今日のブローディーは存在していません。カートのおかげでブローディーが私の元に帰ってきたのです。発病して1ヶ月半。回復の見込みのない、安楽死まで勧められた我が子が歩いています。THANK YOU, THANK YOU, THANK YOU!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 


 

Mar 19, 2006
猫エイズ ジジ

 

 

1999.8.2
嘔吐、下痢が止まらないので安楽死をおねがいしたいねこがいる、との電話がありました。
はあ、はあ、とりあえず一度連れてきてみせてください、治療してなおるかもしれないじゃありませんか、.....................
ずいぶん短絡的な人たちだなあ、と思いつつ電話を置きました。
1時間ほどしてなまりのある老夫婦が1才ほどの黒猫をネットからだしました。
見ればやせてもいない活発そうな猫。
とにかく3〜4ケ月前からもどして、下痢をしてなかなかなおらず、へやの掃除もたいへんとのこと。
「ところで、どこかの病院で治療して、それでもなおらなかったのでしょうか?」
「いや、病院はここがはじめて」
マンソン裂頭条虫でもいるんかいな、それともIBD?
あるいは異物、若いのに腸管の腫瘍?
が、しかし飼い主は診断にも治療にもきわめて関心が薄い。とにかく安楽死が希望。

さて、このようなケースでは獣医師の数だけ対応の仕方があり、
というよりは獣医師は動物の病気の教科書を離れて世間の風に当てられてさまざまな気分を味わうはめになります。
正義派ぶって説教を始める、動物愛護の顔をして怒ってみせる、
なんらかのポリシーを念頭におき敢然と安楽死を断る、などなど。
普段の表情が消えてなにやら専門家ぶるということは要するに余裕を失って

いるということ。
まずは獣医師としてのプライドが傷つけられたのです。
自分が単なる道具のようにみなされている、診断し治療する能力がもとめら

れていない、などと感じられるからです。


なにも言わないジジ

1999.8.3 
 ともあれ名前のない黒い猫は「ジジ」と命名され当院の居候、ペットとなりました。
最初は入院ケージの中、新聞紙のかげに隠れて黄緑の眼をキョトキョトと動かしているだけでしたが,
なかなかひとなつっこくあまえんぼうな性格であることがわかりました。
血液検査はつぎのとうりでした。

WBC.15500
RBC.928×10000
HB.15.3
HCT.44.6%

MCV.48 MCH.16.5 MCHC.34.3
GPT.16
Creatinine1.2

FIV(+)

 飼い主の老夫婦は嘔吐、下痢が止まらないのでこれはなおらない病気と決めたのでしょうが、
血液中の抗体検出によってジジは猫エイズにかかっていることが判明したのでした。
はー.........!
しかしよく治らないとわかったものです。
偶然?いやいや獣医師は専門家の常でときにあまりに数字や画像に頭が占領されすぎて常識的な判断を見失うことも多いもの。
なおる病気かなおらぬ病気か、予後に関して一般の飼い主の方がドライに見極めをつけうるケースも多い。

1999.8.15
 ジジはときおり元気がなくなりたべものをもどし、あまったるいような臭いの下痢をする。
ステロイドを投与しソルラクトを皮下注射す
ると調子が戻るようだ。


 

1999.8.25
やはりときどき甘ったるいようなにおいの下痢、嘔吐。おそらく慢性の腸炎がひそんでいる。
好酸球性かリンパ球性かなにか?
......バイオプシーしなきゃわからないがステロイドに反応するところをみると......?


 

1999.10.1
 ジジは病院の外に出ても少しあそんですぐ帰ってくる。
ニャーニャー鳴きながらドライフードをねだる。
この子のからだの中に不治の病気がひそんでいるようにはまったくみえない。


 

1999.12.2
4〜5日前から食欲がなくなり、涙目、鼻水がひどくなってきました。
鼻水にはうっすらと血が混ざり、あれほど食いしん坊だった子が、水も食べ物も一切口にしなくなってしまいました。
体重は、4.5kgから3.8kgまで減ってしまいました。
3日ほど前からアンピシリンを午前、午後と日に二回投与しています。
今日はソルラクトを点滴し、様子をみています。
猫伝染性鼻気管炎(FVR)にかかってしまったのか?

このウイルスはふつうは致死的ではないのだが抵抗力のないジジには非常に危険なものとなることが予想される。

点滴中のジジ

1999.12.7

体重、3.46kg。
急激に減っている。
口内炎がひどく水を飲むことも、食べることもしません。
ラクトフェリ1包を1ccの水に溶かし、なめさせます。
これは口内炎の治療薬。刺激があるのかすこしいやがります。
それと、首輪にアロマテープをつけてあげる。

 1999.12.8

体重、3.48kg 
ソルラクト点滴。
インターキャット1mlをi.v。
めやにもひどく、ときどき激しくくしゃみをし、すこし血のまじった鼻汁をとばします。

1999.12.10〜12.20
水はのまず、食欲廃絶。
ヒルズのa/dを歯茎にぬってあげるとしょうがないからという感じでのみこみます。
ケージの外にだしてあげるとよろよろとふらつきながらストーブの前にいき、
そこがあきるといすのうえにのってうつらうつらします。
陽のあたる出窓もすきな場所のひとつ。
性格がいいだけにかわいそうで、病院にいる3人のスタッフもなかばあきらめながら日に数回の強制給餌。
ガラガラにやせて、なでると背骨がころころとさわれます。
今年いっぱいもつかどうか。
体重3.22kg → 2.88kg。

1999.12.24
診察室のほうの流し台にレントゲンフィルムをあらいながすためのバットがおいてあり、
そこにたまった水をのみたがる。

WBC 10200
RBC 7710000
HB 13.9
HCT 44.7
GPT 10
Creatinine 0.8

1999.12.27
もう20日以上もほとんど食べていないのにいきている。
自分にからだのタンパク質、脂肪をエネルギー源にしている状態か?
ためしにサイレースという注射をしてみるがたべてくれない。

1999.12.29
体重、2.76kgまで減ってしまったジジ。
水はほんの少しずつ飲んでいましたが、自分から食べることはまったくできませんでした。
ペ-スト状の缶詰めを少々、強制的にたべさせるのがやっとでした。
ケ-ジの外にでたがって弱々しく鳴くものの元気はなく、疲れたようにしてじっとしています。

ところが、そんなジジが突然たべはじめたのです。
いったいどうしたことでしょう。
ドライフードにまたたびの粉をまぜてあげると夢中でたべはじめます。
奇跡がおきたのでしょうか..................。



突然たべはじめたジジ.....................。

2000.1.4
5日間で体重が500gもふえました。
またたびなしでドライフードを食べることもあります。食べることを忘れていなかった.....

2000.1.5
体重3.56kg

2000.1.6
体重3.70kg

2000.1.7
よく食べる。体重3.64kg


くつろぐジジ

2000.1.14
体重3.84kg

2000.1.20
体重3.96kg。
この1ケ月のジジの症状は基礎疾患としてのネコエイズが呼吸器伝染病FVRを悪化させ、
極度の食欲不振を招き、
エイズ特有の口内炎をも引き起こしたものとかんがえられます。

2000.2.16
ジジは元気です。体重4kg。

2000.3.10
元気です。


出窓で外を眺めるジジ。外はまだ雪。


2000.3.11

...........

 院内で散歩。
エイズはだ液、血液を介して伝染します。
だから、食器はジジ専用。
ジジはひとなつっこく、犬、猫にもすぐ近寄って遊びたがりますが、
病院に住む他の猫とも一緒に遊べません。
ジジの部屋を含めて、入院用のケージは週に1度抗ウイルス作用のある消毒薬で完全に清掃します。

2000.4.7
体重が3.8kg。200g減りました。
少し呼吸が早い感じがすることがあります。
食欲も少し減少。
入院の患者さんがふえると小さな携帯用ボックスにいれられ、面白くなさそうにします。
外は大分暖かくなりましたが、ジジは今年になって1回も外には出ていません。
呼吸器症状がかつて命とりになりそうだったので.........。

2000.4.10
朝、呼吸がかなり速く、X線検査をしました。
案の定、胸部を横からみた像に異変がありました。

猫の病気と予防(呼吸器系疾患) 「膿胸」....Pet Vet から引用

この病気は?
胸腔(後ろは横隔膜で仕切られた心臓と肺が収まっている真空の部屋)に細菌性の感染がおき、膿が溜まる状態をいいます。原因菌は、血行性、リンパ行性に進入する場合と、肺胞が破れて進入する場合と外傷性に胸壁から進入する場合が考えられます。この病気も、胸腔内に液体が溜まる為に、呼吸困難を起こします。しかも、化膿が続く限り膿は溜まる一方です。
 犬よりも猫に多発します。元気食欲がなくなり、呼吸がおかしいという理由で来院するケースが多いです。診察台に乗せられた猫は、動くことができないのか、じっとしている場合が多いです。

現在の検査方法は?
 一般身体検査と血液検査とレントゲン検査が行われます。しかし、胸に溜まった液体の種類を調べる為に、胸腔穿刺を行います。大変悪臭を放つ膿が採取されれば、この病気は確実です。

現在の治療方法は?
 安静にして、酸素吸入を始めます。状態の安定を待ち、通常は胸腔に溜まった膿を取り出し、胸腔を洗浄します。数日間、そのようなことをします。もちろん抗生物質は不可欠です。その他、対症療法を行います。

治る可能性は?
 治療がうまく運び、併発症がでてこなければ、よく治ると思います。
 完治率75%以上。

予防方法は?
 ありません。


胸から排出された膿。

血と膿が混ざり、液状になっている。
180ml。麻酔なしで排出しました。
意識がもうろうとしているのでしょう、ジジはなんの抵抗もしませんでした。
Pet Vet の解説には完治率75%以上とありますが、わたしの感触では、治癒率は10〜20%がいいところです。
他に白血病、栄養不良その他の因子が存在することが多く、
うまく回復することはまれです。
臨床家ならそのことをよく知っています。

左の胸の毛を刈り、膿をぬきおえたところです。
BECTON DICKINSON の16ゲージインサイト針つきカテーテル、JMS三方活栓、30mlテルモディスポを使います。
膿を抜くと呼吸状態が改善されて楽になりました。
あたためた生理食塩水で洗浄。

いつもの部屋にもどし、ねかせました。
pm4時。
この写真がジジの最後の写真になってしまいました。
その日の夜、10時に痙攣した柴犬の急患がありました。
点滴をつけたり、飼い主の方にいろいろ説明をする合間をみて何度かジジをのぞきに行きましたが、
もうその時点でジジのまなざしは現実への注意感覚を失っていました。
最後は「クウ....」と言って、それが最後。
ああ、よくがんばった、そう声をかけてあげました



ジジがよく遊んだねこじゃらし、部屋の名札をおかんに..........。

一番ジジをかわいがり、
いつもたべきれないほどのキャットフードをジジにあげ、
ひまさえあればジジの毛をすいてあげていた当院の従業員KAKOさんに、
ここにジジのことを書き込むように言いました。が、.......、
彼女はこのホームページを最初から眺めるばかり。小さくためいきを


リズモの母さん

 

 

お便り 2004/8/4
リズモは平成9年8月にヘルニアの手術を受けましたがリハビリ

の成果も得られず、阪神麻痺になりました。以来、約7年もの間、

車椅子の生活をしてきました。

 

当初、歩けないリズモの先に不安を感じ、何の楽しみもない寝

たきりに生活になるのならと安楽死も考えましたが、一冊の本

から車椅子に出会い、以前とほとんど変わらない生活ができる

ようになりました。

 

最初はとまどっていましたが、なれるとどんな場所でも車椅子

の感覚を覚えていけるようになりました。生き生きとした表情

がもどり、体もどんどん元気になっていきました。家の中では、

おしめを付けて前足で自由に動けたので、リズモは自分の体

が不自由であることに気付いていなかったのかもしれません。

 

  色々な所に連れて行ける様にもなり、外泊の旅行にも一緒

に行きました。今まで元気で生きてこられてのも、体の一部とな

った車椅子があったからです。


残念ですが、先月7月12日に11才7ヶ月の少し早い生涯を終

わりました。リンパ腫瘍が発見された為に、病気と闘ってきましたが、

ついに力尽きてしまいました。

 

我が家でのリズモの存在は大きく、亡くなった今も、まだ影をひき

づっています。いい思い出になるには、まだ少し時間がかかりそ

うです。

 

書きたい事は山程あるはずなのに、全く書けなくて申し訳ありません。 

                      
                                        田中 光美

 


〜リズモ母さんより〜

 

タイヤは、ベビーカーのものが普通の大きさですがリズモは体が低い

ためショッピングカーのものを利用しました。


新しいものでなくても粗大ごみ等で出る廃品で充分です。
排尿・排便が自分で できる犬は底板に穴をあけてください。
雄・雌によって場所が違ってくるので適当でいいと思います。  

リズモは 板の上にタオルを敷いていますが、
薄いスポンジを穴にあわせて切り張り付けるのが よいそうです。 

 

リズモに関して改良する所は今のところありません。
バック・方向転換など小回りも充分ですし、体によく合っているので

不自由はしていません。

ただ、補助車だと思って安心は できません。

補助車になれて走り出したら人間の足では追いつけません。
時速35km程でます。

 

他の犬や自転車等を追いかける犬は必ずリードが必要です。

自分で排泄できる犬は 足が動かないだけで体は健康です。

きっと 長生きすることができます。
たとえ 短い間でも一緒に生活してきた家族です。

 

「がんばって下さい!」と お伝えください。
 

 

車椅子について


一号車の赤い車椅子を、長い間修理を重ねながら使っていましたが、

ついに壊れてしまいました。

二号車として、車椅子の製作会社の方に丈夫なようにと、トタンを用いて

作ってもらいました。商品化を目的として試作されたのですが、それぞれ

の犬のサイズ等もあり、問題点も多かった様で断念されました。計算され

て作ってあるので、速度の出方や小回りもきいて、急な坂でもひっくり返る

事もなく何より丈夫でしたが、リズモの体には木で作った方がよく合って

いたように思います。

 

赤い車椅子のあらゆる角度から撮った写真が別にありますのでご覧ください。

リズモが病気になってから、多くの方が車椅子を必要としたり、小さな家族

の為に何とかしてやりたいと努力されている事を知りました。

 

飼い主がしてやれる事はほんの手伝いにすぎませんが、心からの愛情で

見守り、共に生きてほしいと思います。

 

経験者でありながら何のアドバイスもできませんが、どうしたらいいか、わか

らなくて困っている方は「ぺっぱら」編集室さんが発行される本に、希望や

安心感等いろいろな事に救われると思います。

 

大変なご苦労があるかと思いますが、がんばって下さい。

田中光美さんにお便りのある方は当編集室までお送りください

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

その他必要な材料 **   
   ・ベルト3本
    (ナイロンベルトは固くなるので皮がベスト、付ける場所は写真を参考にして下さい。)
    仕上げに、防腐の為にペンキを全体に塗る。
   体の当たる部分は、全て面取りをして角を丸くし体に傷が付くのを防ぐ。
    + 採寸方法 +
      体 長 ....................... 首輪をしている部分より尾の付け根まで
      胸 囲 ....................... 胸の一番太いところ
      足の長さ ..................... 地面より肘まで
    + リズモの寸法(参考)+
      体 長 ....................... 54cm
      胸 囲 ....................... 52cm
      足の長さ ..................... 11cm

 
 

 

 

股関節形成不全との闘い

 

股関節形成不全とは?

 

 

股関節形成不全とは、本で調べると「股関節寛骨臼の発育不全・変形・大腿骨頭の変形・扁平化による股関節の弛緩」と病理学的に説明されています。
股関節形成不全の原因は、明確にはわかっていないそうですが、血統による出現頻度がはっきりしているために遺伝性の疾患であることは確かなようです。
犬種によっても差があり、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーの他ジャーマン・シェパード、セントバーナード、ブルドッグ、ロットワイラー、秋田犬などの大型犬種でその発生が多いと書いてあります。
生後6ヶ月から1年ごろまでに発症する例が多いそうで、早くて生後3ヶ月ぐらいから、遅い場合は7歳ぐらいまでに起こるとも言われています。
股関節形成不全には、外観から判断するいくつかの症状があります。
股関節寛骨臼の発育不全・変形、大腿骨頭の変形・扁平化により股関節が弛緩し、後肢の慢性的な跛行(はこう)=足を引きずることやお尻を左右にゆすって歩くモンローウォークとよばれる歩行時のふらつきなどがみられるなら股関節形成不全を疑ってみるべきだと思います。
原因としては、遺伝的素因に加えて発育期における栄養素の不均衡やタンパク質と灰分、特にカルシウムの過剰摂取が、その発生を助長するとも考えられているそうです。 急速に発育する超大型犬や大型犬に発症が多いことから、発育期の骨と筋肉の発達に不均衡が生じるためとも推測されています。
一般的な症状としては、後肢の跛行です。この跛行の程度は軽度のものから歩行が困難なものまでさまざまです。跛行は生後2ヶ月まではほとんど認めることはできないそうですが、生後4ヶ月から1歳頃までに明らかとなる場合が多いそうです。
運動することをいやがるようになる、ついで四肢をつっぱるような姿勢や片方の肢をかばう歩き方がみられるようになり、さらに症状が進むと、歩行時に腰が左右にふらつき、後肢を外側に回転するように踏み出します。さらに症状が悪化すると大腿骨頭が変形しているため、股関節自体がしっかりと正常の位置におさまらない状態いわゆる脱臼(股関節脱臼)してしまうことが多いそうです。
我が家のラブは、とにかく散歩には行きたいのに、歩き出すと2、3歩で座り込んでしまいました。橋の上で動かなくなり、仕方なくだっこして帰ることが日課でした。ラブラドールは散歩させなければストレスがたまるとか本に書いてあったのでとにかく時間のある限り散歩と思っていたのが裏目に出たようです。ラブにとって本当に痛かったんだ、辛かったんだとレントゲンを見てかわいそうなことをしてしまったと悔やんでいます。
このホームページが同じ悩みを持つオーナーの方への良きメッセージとなれば幸いです。
股関節脱臼とは?
円靭帯がきれて大腿骨頭が寛骨臼からはずれてしまった状態です。
股関節形成不全の場合には、股関節脱臼をおこす頻度が高くなります。
主な症状として突然、跛行したり、痛みのため患部(肢)をうかせて歩いたりすることがあるが、脱臼後の時間が経過すると痛みに耐えながら患部に体重をかけて歩こうとします。
正常な犬の股関節(専門書から抜粋)
正常な股関節のレントゲン!
ラブのレントゲン映像!全身麻酔です。
発病当時のレントゲンです!(1998.07.10生後197日目)
発病当時のラブのレントゲン写真(重度の股関節形成不全)!脱臼もあり!
2歳の誕生日に撮影したもの。脱臼が治っている!
1年後のレントゲン!脱臼が奇跡的に治っている。
治療中の妻のアイデア!動くな!
獣医の指示。絶対安静!これでも結構じっとしてくれた。
股関節形成不全との闘い!
私はずぶの素人で、犬の病気・・・犬の性格・・・犬とのつき合い方・・・等何も知らない普通のサラリーマンです。・・ですが、素人なりに、真剣に取り組んできました。どれが正しいとか・・してはいけないとか・・・本を読みあさったり同じ悩みを持つメール友達から多くのことを教えて頂いたり・・とにかくラブの股関節を治してやるということだけを思ってやってきました。
そして、2歳のレントゲン検査で脱臼が治っていることを知らされ、帰宅する車中で涙が止まらなかった・・・こんなラブ父とラブ母です。
我が家の取り組んだこと全てが正しい事だとは言い切れません。が、悪くならなかったことは事実です。

3回目のワクチンも終わり散歩をし始めた4ヶ月ごろのことです。家を出て5分もすればいつも橋のど真ん中で座り込んでしまう毎日でし。何も知らない私は、無理矢理引っ張ったりしましたが、がんとして動こうとはしませんでした。いつも、帰りはだっこしての散歩となりました。
5ヶ月になってもそれこそ散歩は3歩だけ・・・3歩歩いては座り込み・・・また、極端なモンローウォークが目立つようになりました。
そして、とうとうあの日、妻が涙を流して座り込むラブの異常に気づき病院に駆け込みました。
入院となり全身麻酔の上、レントゲン検査の結果・・・重度の股関節形成不全が発覚したのです。
このままだと、もし歩けても、歩くのが精一杯で、走り回るなんてとっても無理だろうということでした。
・・・・安楽死さへもあり得る・・・と聞いたとき・・・・帰りの車中では涙が止まりませんでした。
両足だから、かなりの重度である。が外科手術したからといっ完璧とは言い切れない。
外科手術は最終決断とし、内科治療からやっていこう・・ということになり炎症止めの注射をうちながらの安静生活を続けることになりました。
散歩はもちろん厳禁、可能な限り歩かせない。
基本的にはゲージ内での動きに限定!つまりほとんど歩けない状態。
しかし、このゲージ内のみの生活は、しばらくで断念!それではということで平坦部分のみの動きに限定することとし、リビング内だけの生活を続けることになりました。
通院も、赤ちゃんかごに入れて歩かせないで連れて(携帯)行きました。
とにかく、歩かせないこと!段差をなくすこと・・・・・これしかないと獣医からの指示でした。
トイレは、庭で腰部分にタオルを回して持ち上げて補助(介助)してやりました。(妻の発案・簡易介助具です。)

妻は、「早く直りますように」と祈りながら股関節部分をいつもマッサージ(さすって)してくれました。
そんな家族総出の介助を2ヶ月ほど続け、獣医からやっと散歩の許可が下りて徐々に歩かせ、現在に至っています。
妻が今でもしみじみと語っております。あの時は・・・絶対治してみせる・・・と念じながら毎日ラブと接してきた・・と。

現在は、見た目にはほとんど健康な犬と遜色のない程度までになり、少しぐらいのハイキングとドッグランを楽しんでいます。
基本的には両後ろの股関節は筋肉で支えているのみで、筋肉の衰え、あるいは体重加重による付加限度を越えた時に歩けない犬になることは今から目に見えています。果たして、それが10年後なのか、5年後に来てしまうのか?
無理な運動、過激な動きにより、症状悪化を早めることなく、出来ればこのままの状態を死を迎えるその時まで続けたい、続けてやることが本当のラブへの愛情ではないかと思っています。
そして、とにかく体重の維持管理を徹底しました。筋肉を強化するにしても体重加重による股関節への負担を出来る限り少なくしてやる必要があると考えています。筋肉での支えにも限界があると考えています。
そして、我が家でとにかく実践したことで股関節に効果があったのではないかと思われることがあります。
それは、散歩に連れていってやれないかわりに私の通勤にあわせて毎日の駅までの車での送迎の際には必ず一緒に車に乗せて行く・・車で出かける時には必ず乗せて行く・・・それも、今から思えば乗せてはいけない場所(助手席)ではあるんですが・・・後ろ足(腰)はしっかり落とし安定させ前足のみで左右の揺れをこらえていました。
そのことが結構、前足の筋トレになったのではないかと思っています。胸から前足部分は他の犬と比べるとかなりしっかりしているように思います。
車にのせることにより、股関節のためには安静につながったこと・・前足のみで支えることが散歩ができない代わりの筋トレに通じたもではと思っています。
また、春から夏にかけては出来る限り泳がせました。水泳が筋トレに絶対効果あり・・・とこれを信じて。
うれしい報告!
1999年11月25日の2歳の誕生日に、股関節のレントゲン検査をしてきました。そのうれしいご報告です。
1998年7月10日に重症の股関節形成不全と診断されて以来その後どうなっているのか今まで心配だった股関節の再検査(レントゲン撮影)に行ってきました。
その結果!!!なんと、当時、完全に脱臼していた後足股関節部分がちゃんと収まっていました。
股関節形成不全は、もちろんそのままの状態ではありますが、脱臼状態が解消されていたところから、「ひとまず安心だ!これで、しばらくは大丈夫だ。よかった。よかった。」と獣医のほうがラブの快復をいたく喜んで、祝いだと言って治療代をもらってくれませんでした。!!
獣医はさらに、「CHD発覚後の自宅での絶対安静が、大きな効果をもたらしたと思う。徹底した対処に感激している。普通の人は、治療後に「歩かしては行けないですよ」と指示しているのにリードをつけてさっさと歩かせて帰る方がほとんどだ。丸山さんは、ちゃんとだっこして帰るは、通院時には、ベビーかごに入れて来たりするなどその徹底ぶりには感激している。CHDも、手術しない場合でも決して歩けなくなるものではなく、飼い方によっては、立ち直っている犬が現実にここにいるということが獣医としても誇りに思っている。他のCHD治療中の方には、こんなこともあるんですよと励ますことが出来る。」とCHD発覚後の措置をほめていただきました。
私は仕事で日中空けており、普段からラブに接していた女房の偉大さに脱帽、感謝している次第です。女房は、神様です。
 報告に立ち寄ったラブ友達が、おいおいと泣いて喜んでくれました。うれしい報告でした。
たんぼを歩きながら!
股関節形成不全の診察結果に対して、皆さんからの心温まるたくさんのメールが届きました。
少し落ち着いてからラブと一緒にゆっくり、じっくり、一通一通かみしめながら読み直しています。本当に有り難う御座いました。
久しぶりの休日、すぐそばのたんぼ道をラブとゆっくり歩いてきました。たんぼのど真ん中で立ち止まりめっきり深まりゆく秋の風景を眺めながら「よかったなあ!!これからもがんばろうぜ!」と二人?で叫んできました。・・・と言った途端、ラブはたんぼをドッグラン!
走れるということは普通のことであるもののその普通のことすら出来ない犬もたくさんいること・・・・・・複雑な思いで走り回るラブを見つめておりました。
あらためて、犬の十戒を読み直し目頭があつくなるラブ父でした。
フジテレビのスーパーニュースでテレビデビュー!2000.09.04
2000年8月の日曜日にフジテレビが我が家に取材にやって来ました。
特集を組んでいる「最新ペット事情」の取材だそうです。我が家のHPを見てやってきたとのこと。
最近増えている犬の成人病や痴呆、遺伝性疾患についてその原因と現状、抱えている問題点、最近のペットを取り巻く現状の取材でした。
ラブの場合は、股関節形成不全との闘い・・・がテーマでした。
さあ、日曜日、テレビ局がやってきました・・・・丸山家・・・騒然・・・・
ラブはもちろんカメラ、ライトに興奮の絶頂・・・私は口内炎でうまく喋れない・・・・何をしゃべったのか??覚えていない。結局私が一番興奮していたのか?
撮影に3時間もかかりました。
しかし残念なことに放映されたのは関東方面だけでした。ラブ友達がビデオに録画して送ってくれました。
フジテレビからも出演記念品とともにビデオが送られてきました。

 (フジテレビ スーパーニュース 2000年9月4日の放映)
股関節形成不全の遺伝子がある恐れがあるのに無理をさせて発病させるということの無いように、股関節形成不全専門の検索エンジンにリンクしました。子犬を飼い始めたばかりの飼い主さんや足腰に不安のある方などは一度検索されては・・・・・・・・・・・
激励メール等の紹介 

5ヶ月ぐらいのとき、股関節形成不全かも・・・という獣医さんの診断を受けました。そのころは2階の私の寝室近くで寝ていましたが、階段や滑りやすい床がよくないとの事で泣く泣くガレージをつぶして犬舎にしました。(1階には主人の両親が寝ているので・・・)そのころの獣医さんのお話では、手術をするなら早い方がいいけど 股関節の手術ですから今後の成長の妨げになるかもしれないし、それで100%の完治の保証はできない、たいへんリスクの大きいものであることを聞かされました。それからしばらく通院して様子をみていた頃、実家の東京で、あるブリーダーさんから「お尻のまわりに筋肉をつけるようなトレーニング」が効果的との指導を受け「砂地での歩行訓練なんかをやるといいよ。」とのアドバイスをたよりに、しばらくがんばってみました。
もうすぐ2歳になりますが、いまでは下半身もガッチリしてきて、獣医さんにも「このまま2歳すぎても障害がでてこなければ大丈夫!・・と思う。」などとなんとも情けないような怪しいようなお墨付きをいただきました。
ちょっと腰が弱いような気も若干しますが、飛んだリ走ったりしても結構元気です。TVや雑誌でアジをみたりするとやらせてみたい衝動にかられますが、(ボール遊びやフリスビーがすっごく好きなコなんです。)地道に坂道訓練などで筋トレにはげんでます。


6カ月のころ、まわりの人から、股関節形成不全かもしれないので、病院で診てもらったらと言われ、診てもらったところ、捻挫 だということがわかり、そちらの方はもう大丈夫なのですが、やはりどちらかというと、後ろ足が弱く、獣医さん(盲導犬をよく診ている方)にも、トレーニングで筋肉をブロックすることが大事だと言われました。話しでは、手術という方法(これはもちろん脱臼してしまった場合でしょうが)があるのだそうですが、大変な手術のようです。


私が獣医さんから聞いた限りでは階段は有効ということでした。日常生活の中で存在する階段の上り下りという程度の量だと思います。7月で3才になりますが、8月令で発症し、グレードは8段階の下から3番目の重症と言う事で、放置すると必ず関節 炎を発症すると言われ、より重度の右肢のみ手術に至りました。階段禁止は、手術を仲介してもらった、掛かり付けの獣医師から申し渡され、室内の階段は禁止して、散歩道も階段の有るコースは避ける様にして、偶に違う場所で行き当った時は、ゆっくりと昇降させる様にしてましたが、「有効」との情報が有る事を知り安心しました。獣医師による違いは、グレード差によるのかもしれませんね。
自転車引きもある獣医さんには有効と言われました。あくまでトロットで決して早くないスピードで一日に15分程度の自転車をお散歩の中に組み込むと良いということでした。ところが、ヒーリングをしていただいている気功の先生曰くには自転車引きはダメと言われました。理由は本来の動きとはまったく違うスピードで走ることは運動のリズムの面であまりよくないということ。そして速く走りすぎることも良くない。からということです。
私が知っているのは、舗装路での引き運動はイケナイ、と云う事だけですので、所謂、”引き運動”による股関節への衝撃と理解していましたが、”早くないスピード”と云うのは、人がゆっくりと駆ける程度の速度で、私だと15分も息が続かないので、そこを自転車で、との理解をすると、肯けて、効果が有りそうですね。余談ですが、以前、私が筋肉性の腰痛を発症した時、雪道の上では如何も無かったのですが、融けて舗装の露出した所に差掛ると、腰にズンズンと衝撃が伝わり、こう云う物かと、納得したのを覚えています。そして、最大の難所であった我が家のオールフローリングはやっぱり恐すぎるのでクッションフロアを敷くことにしました。今は半分だけ敷けたのですが、ぜんぜん違います。掃除機すら滑りにくくてお掃除がちょっと大変なほどです。


我家でも、術後、安物ですが裏に滑り止めのラバーコーティング加工して有るカーペットを敷きましたが、前は、カシャカシャと落着きの無い歩様だったのが、敷いてからは、安定した歩様と為り、具合が良いようです。あとは水泳が良いとよく聞きます。土曜日に生まれて初めての海に行きました。一緒に泳げるお友達ラブと行ったので最初はびびっていたのですが、真似してジャブジャブやっていました。


泳がなくても砂浜を歩くのもいいそうです。水泳が良いと言うのは、良く聞きますね。後、草地での自由運動も良いとの事です。


最初に行った病院(獣医多数の総合病院系)では、「これは人工股関節に取り替える手術しかない」と診断されました。費用は、片足で検査入院を含め60−70万円、とりあえず片足だけ人工関節に換えて3本脚であと1本を支えるのが一般的。この手術を受けた方がいらっしゃいますが、うちの近くには大学病院も整形外科の権威の病院もないし、執刀は関東から獣医さんをお呼びしての執刀になるということで、話を聞くにつれ不安がいっぱいになりました。この病院では、上記の手術以外の治療法を提示してもらえなかったので、もう一軒の病院に診断を受けに行きました。
ここでは、いくつかの選択肢があると教えてもらいました。
1.炎症を抑え骨の変形を抑える薬の服用と体重制限。
2.恥骨筋を切る手術。根本的治療ではないが、痛みは軽減される。ただし、効果は症状が進むと薄れてくる  ので、次の手段をうつ必要がある。手術は簡単。
3.骨頭を切る手術。骨の接触がなくなり、骨の変形による痛みや炎症がなくなる。歩行には支障なし。手術   は比較的簡単。
4.骨盤に三個所の切れ目を入れる手術。切れ目を入れることで衝撃を和らげるクッションの役割を果たす。手  術は難しく、設備の整った病院でする必要があるが、人工物を体内に入れる人工股関節の手術より、リス  クは少ない。
5.骨盤側の向きを変えて、寛骨臼を痛みのない位置にもってくる。手術は難しい。
6.人工股関節に取り替える手術。手術は難しく、日本では執刀できる医師が限られている。まだ確立された  技術ではないので、完全な無菌室と熟練した医師チームがないと失敗する可能性は高い。そのメリットに   ついては、雑誌などでも紹介されていてご存知のことと思いますので、以下、あまり紹介されないデメリット  について書きます。
まず、人工関節と骨をつなぐセメントに問題が起りやすい。無菌室がないと感染症が起ったり、またセメント中の僅かな雑菌で、早い場合は術後3ヵ月で、セメントがぼろぼろになり、再手術の必要が起る。再手術は最初の手術より難しい。問題がなくても、人工関節の寿命は10年くらいであるので、手術の時期(犬の年齢)をよく考える必要がある。
整形外科や大学病院、手術経験の豊富な医師の指導のもとにしないと、所謂「新しい手術をやってみたい医師」は、この手術のメリットを強調し、結果として失敗に終るケースが出ている。総じて、ハイリスクの割にロー・リターンである。他の方法を試して、それでも症状が進んだ場合に検討しても遅くはないので慎重にするべき。ただし、いずれの手術も、体重制限と運動制限をしないと意味がない。走り回るような運動は、どの場合も不可。一生、病気とのお付き合いになります。


股関節形成不全の愛犬と暮らしていらっしゃるみなさま、その疑いがあるのでは・・・と心配していらっしゃるみなさま、薬やダイエットの情報など、引き続き情報交換していただければ幸いです。今1歳半ですが、8ヶ月頃に判明しました。はじめはショックでした。チョコは未だめずらしいらしくこどもをとるつもりでしたのでなおのことでした。7ヶ月で最初のシーズンがやってきて体重は26キロまでいきました。でもその重みが引き金になって股関節がわかったのです。それからはしばらくの間は痛みを和らげるサプリメントと体重維持で自由運動は控えめに。まだ一歳に満たなかったので減量はちょっとできませんでした。でも1歳になって自転車引きができるようになったころから減量作戦開始。去年の夏から本格的なダイエットを始めて一ヶ月1キロ前後のペースで減らしました。元気なんです。いつもハイパー。すごいんです。犬が大好き。走るの大好き。アイリッシュセッターと一緒に走っている姿なんてまるで馬。当時、公園で走り回ると帰りはびっこ。がしばらく続きました。でも24キロ前半に落ちてからはびっこもほとんどなくなりました。骨のうごき具合によって痛いスポットがあるらし (獣医さんのお話ではお皿の骨が浅いのできっと痛みはジンタイでしょうとのことです。) 数分間動けなくなったことが数回あります。程度によって様々だと思いますが、きっと軽いのだと思います。今はサプリメントも止めて気孔でヒーリングをしてもらっています。痛みだけに効くらしいのですが、それで今のところは大丈夫です。


私も股関節が発覚してから一年弱になりますが、最初は大変だぁ!と思いました。今もいたずらとしつけの方の大変の分量は減っていませんが、脚に関しては落ち着いています。おしりの周りの筋肉を減らすことがないように運動をしていくことが課題です。今年の夏は水泳に挑戦の予定です。


病気が発覚してからは、走る飛ぶ跳ねるは厳禁で、歩く散歩にしていました。そのとき体重26キロ、散歩は朝晩1時間ずつテクテク歩くようにと自分なりに気をつけていたのが、それでも負担が大きすぎたようで、今は獣医でもらうフードで24.5キロ、散歩は歩いて朝晩30分ずつにしたところ、痛みがなくなったようです。運動不足のストレスも特にありません。見た目がガリガリなので、散歩していると、よく可哀相とか言われて辛いのですが、獣医さんから「飼い主さんがそれでダイエットを諦めると結果として犬には可哀相なことになる」と励まされました。逆に、あまり神経質になって運動量を減らしすぎても、筋肉が落ちるとそれこそ歩けなくなります。筋肉で支えて歩いているようなものなので・・・。症状の程度によっても、運動量は一概には言えないと思います。獣医では、歩き方を診たり、関節がどれくらい動くか(症状が進むと関節の動く幅が狭くなる)を診たり、レントゲンで骨の変形と炎症の程度を診て、そのうえで指導してくれました。最近は、とても調子がよく、この2ヶ月ほど、散歩中に脚が痛むようなことはないですが、大粒の砂利道は苦手なようです。足元が定まらないから??


ラブちゃんの腰のことを知りお便りさせていただきました。去年の11月にアメリカのOFAに股関節の診断をお願いしたところ,なんと中程度のCHDと診断されました。生まれてから今までそのような兆候がなかったので,青天の霹靂でした。CDHは進行性の病気なので,今は良くてもこれから年と共に悪化するとのこと。のんびりしているわけにはいきません。生後4ヶ月の時,ウィルス性腸炎(パルボではなっかったのです。)で死にかけ、その2ヶ月後には乳腺が腐るというホルモンの病気でやはり死にかけました。その後,抗生剤やら消炎剤やらの薬のためか免疫力を落としてしまい病気ばかり繰り返すようになっていました。そんなときにいろいろお世話になったペットフードやさんのことを思い出しました。そこでいろいろな製品のPRを見ていてこれはと思いました。「シャークカーティレージ」です。今ガンに効くと言うことで知られていますが,痛みを押さえることと炎作用が結構あるとのことです。その上副作用が全くありません。今年から食べさせています。もう一つ「コンドロイチンコンプレックス ウィズ グルコサミン」です。リュウマチの方によく効くそうですが,骨関節炎になるというところはCDHと一緒だと思いまして食べさせています。こちらも副作用が無くその上痛んだ組織を修復してくれるそうです。こちらはアメリカの健康食品やさんで取り寄せています。ついでに「シャークカーティレージ」も一緒に頼むようにしました。CDHは筋力を落とすと痛み出すようなので,筋肉をつけるハーブを食べさせています。
幸いにも、痛くも痒くも無く好きなだけ自由運動しておりますが、これが一生続くことを願って頑張っていこうと思います。わが家はこのようにしておりますが,少しでもお役に立てたら幸いです。ラブちゃんのためにこれからも頑張ってください。


それぞれ年齢も程度も違いますが気をつけていることはいっしょなので参考になれば、と,思います。
1 体重制限
2 運動制限(ジャンプしたりブレーキをかけたり、アスファルトでの駆け足、横からの衝撃 etc)
3 筋肉をつける運動(坂を登る、芝生でのトロット、水泳)
4 冷やさない
5 家の中での階段、フローリングはやめる
6 情報はたくさん集める
7 信頼できる獣医にかかる
セラミックの人工骨頭をいれる手術は本当に最後の手段だと思います。セラミックも2〜3年しかもたないと言う話も聞きます。兄弟は手術をしましたが,術後も大変でした。まずは、痛みが出ないようにケアしていき、痛みが出てしまったらレーザー治療や痛みを和らげ関節をきれいにするサプリメントや関節液を増やすような注射があるそうです。骨の病気は歳とともに悪くはなっても完治はないのでオーナーがしっかりと勉強してその子に合ったケアをしていかなければいけないと思っています。そして近い将来には、こういう子の出ないしっかりとした繁殖が求められる。


丸山さんのラブちゃんと同じで、生後3ヶ月ころから後ろ足(特に右)をひきずるようになり、 「なにかな?」と思っているとその1ヶ月後くらいには散歩は3歩歩くと終わり(洒落じゃなくて)、無理に引っ張ってもぴくりとも動かず、しまいには立てなくなってしまいました。足を引きずる段階で獣医さんには見せたのですが、「大丈夫」といわれて、レントゲンもとってもらえませんでした。立てなくなったとき、違う獣医さんに連れていったら、すぐにレントゲンを撮られました。やはりラブちゃん同様でした。完全な重度のCHDでした。大腿骨頭は扁平化しており、寛骨臼のへこみがなく、先生も関節をはめる努力をしてみしたが物理的に不可能でした。そこの獣医さんからは犬がつらい思いをするだけだからと安楽死をすすめられました。 4ヶ月しか一緒に暮らしてはいないけれど大切な家族です。安楽死だけは避けたいと思い3件目の獣医さんに連れて行きました。そこでは「もっと重症の犬もいるけどちゃんと歩いているから心配するな。」と言われ、やはり体重管理とリハビリに気をつけるよう言われました。手術は個人の病院では無理。山形から一番近い病院(岩手)でもこの手術はやっていない。藤沢(神奈川県)にある日大農獣医学部の大学病院でも成功例は数少ないとも言われました。ペットショップにいる友達にも相談したところ、やはり体重管理には気をつけるよう言われました。若いうちは筋肉がついているので筋肉で立っていられるが、歳をとると筋肉が衰えるため、体重が重いとそれだけ足に負担がかかるのだそうです。リハビリは縁の下のようなところをくぐらせたりしています。ビタミンDが主成分の薬だそうです。しかし高い・・・・・・
それと日光浴これが大切ですよね。友達に相談するまではクッキーのベットはコンクリートに畳を敷いてその上に絨毯を敷いていましたが、アドバイスによりすのこを引いてあげました。 コンクリートの上にいくら畳を敷いても冷えるので関節に悪いそうです。(特にここは山形)階段は下るときに足に余計な負担をかけるらしいので避けています。フードはニュートロのライト(黒ラブの絵が書いてある)です。でも、私が仕事に行っている間両親がおやつをあげている・・・そのせいで体重が35Kです。獣医さんには30Kまでと言われているのに・・・
何のアドバイスにもならない、愚痴のようなものですがこれからもよろしくお願いします。



丸山家へのメールはこちらから
感想などメールをお待ちしています!
感想など頂ければうれしいです。メール下さい!



Mar 18, 2006
抜け毛に「ピロコーム」

抜け毛に関してピロコームが良いとのご意見を頂き早速調べました

 

ピロコーム

 

 

 

 

貯まった冬毛をゴッソリ取り除き抜け毛を処理
毛の飛び散りがないから絨毯にも汚れナシ

ペットの毛があらゆる所に飛び散ってしまう、毛の生え変わりの時期。クマデの原理を使ったこのブラシがおススメです。ピン先が深く滑り込むので通常のブラシでは取りづらかった毛の生え際の死毛までしっかりキャッチします。普通にブラッシングするだけで驚くほどたくさん取れるので、今までのようにカーペットやスーツなどにペットの抜け毛がベッタリなんてこともなくなります。しかも力を入れずにサッととかせ、ブラッシングが手間をかけずに終わるので、面倒なシャンプーの回数も減ります。


▲数回とかすだけでゴッソリと取れる。


▲内側に向いている先端が抜け毛をしっかりキャッチ。

 

ペットの毛が飛び散らない

 

遺伝性疾患についての意見 

遺伝性疾患についての意見 

 

 

 2006年2月

 

近年血統書のついた犬種が増えてきたことにより、雑種犬というのを最近では、見かけなくなりました。「雑種犬は強い!」という言葉を 皆さん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?逆に、純血種だから弱い?なんてよく聞かれますけど、純血種には純血ゆえの悩みがあるのです。
さて、雑種犬は強いのです。
遺伝学で言うところの「雑種強勢」というのがあるからです。


雑種強勢とは、生きていく上で、 強く生きるための情報を残していくということです。
遺伝的に弱い情報を持つのは封印されてしまいます。

で、強い形質だけが出るように都合よくできています。遺伝子というのは一対のものなのです。お父さんとお母さんから一個ずつもらって、それが組み合わさって一つの情報を作っています。その組み合わさった二つが、たとえば、片方は病気の情報や、体質が弱いという情報を持っていた時に、もう片方が、強い情報を持っていたら、弱いほうを打ち消したりします。そして、子供ができた時には、どちらか片方が子供に受け継がれます。弱いほうを受け継ぐことになると、もう片方の親からも、弱いほうの遺伝子をもらったら、そこで病気が現れたりします。おじぃさんの体質が遺伝したりするのはそういう意味があったりします。

 

 


「病気になっていなくても  遺伝病が隠れている。」
 

そういう危険性を常に考えて交配させていかないといけません。特に日本では、いい加減な交配が繰り返されたりしたこともあり、ひじょうに病弱な血統が多かったりします。何代にもわたって、健康でない子を交配に用いることで、特定の病気・体つき・体質が血統的に固定されてしまったりします。純血種を作り出すときには、目指す体つきや性格の固定を行うことがなされてきました。ここで少し犬種の歴史を書いていこうと思います。


長い歴史の中で犬は用途に応じ改良されてきました。
特に犬種の歴史をざっと眺めれば、1600年代以降に固定された犬種が多いです。

この時期は、 無理な繁殖を繰り返した時期だったのかもしれません。 現在でもこのときの名残が残っている可能性が否定できないことがあります。

 

遺伝病の歴史を考える時に本当に参考になるのが、この時代以降に作り出された犬種に遺伝病が多く、 古代からの犬種には比較的少ないということです。
遺伝病が多いというのは、犬が病弱というのではなく、 狭い範囲での繁殖をくりひろげるうちに 遺伝子が固定されていったということです。 例えばシベリアンハスキーは、限られた地域での繁殖を繰り返したことにより 遺伝的に認められる疾患が多いのです。

 

では、犬ごとにどの程度遺伝子が異なるのか?最近はそういう研究が進んでいます。参考までにそれを書いておきます。犬の遺伝子解析(DNA解析)がどんどん行われていますが、調べれば調べるほど様々な違いがわかってきます。たとえば、大まかな犬の遺伝子解析は2004年に結果が出ました。それ以降様々な犬種の遺伝子解析がなされてきました。遺伝子の中には、様々な情報を決定するための配列(塩基配列)があります。

 

犬では、この配列は24億個にのぼります。24億個の塩基配列において、どの程度の差が出るのか?ボクサーとアラスカンマラミュートを比較したら、787個に1個の違いがあり、グレーハウンドとボクサーでは、945個に1個の割合で違いがあったそうです。

 

この違いが大きいのか小さいのか?この数字だけでは到底わからないと思いますので、人間と比較してみます。人間では、各個人、遺伝子配列を比較すると、違いは900個に1個ということです。

 

ほとんど、どの犬種でも、差はないと考えられます。しかし、遺伝子は、様々な要素を決定しています。人間でも、欧米人、東洋人、南米の方々、アフリカの方々。全て見た目も違えば、かかってくる病気も異なります。犬であっても同じことだと思います。すなわち犬でも、人と同じ数の遺伝する病気があると言ってしまっても間違いではないと思われます。

 

現在犬の遺伝病としてわかっているものは500弱。人間では、すでに15000を越えていると言います。まだまだ未知な部分が多い犬の遺伝病ですが、科学技術や医療技術の急速な進歩の後押しを受けて、10年もすればかなりの数の遺伝病を発見し、そして不幸にも生まれながらに病気になる遺伝子プログラムを持った子たちを減らすことができるようになると考えています。

 

さて、話を戻します。

 

純血種は作り出される過程(遺伝子を固定して、生まれてきた個体に差がでないようにする過程)で、様々な犬種が使われています。ダックスを例にあげさせていただきます。ダックスには スムースヘアー、ロングヘアー、ワイアーヘアーがあります。

 

それぞれ、スムースは、 古代の短脚のハウンド犬(現存しない犬種、ダックスやバゼットの祖先)と 初期のピンシャー(現在存在しない犬種)、 ダックス・ブラッケとの交配により誕生しました。ロングヘアーは、スムースにスパニエル系、アイリッシュ・セッターなどを異種交配、ワイアーはテリア系、 ラフ・ヘアード・ピンシャーと 交配させることにより作り出されました。

 

ダックス同士での交配では、様々な毛質の交配がおこなわれていますが、 毛質についての遺伝形式では、 ワイアーは、スムースにもロングにも優性で遺伝します。


また、スムースは、ロングに対して優性と言われています。 ロングは、他の犬種と掛け合わせたら常に劣性です。 また、お互いの毛質を大切にするなら、 ロングとワイアーは掛け合わせない方がいいです。ロングヘアーにはスパニエル系が入っているので、ロングを作り出す以前にはダックスには少なかった目の病気がスパニエルからダックスに入ってきています。

 

ダックスにスパニエル系が導入された時期からスムースにも眼の疾患が増加傾向になったようです。ロングに入ったスパニエルの持つ眼科疾患の遺伝的要因が スムースという隠れ蓑でうまく隠されているとも考えられます。最近ダックスでは本当に眼の病気が増えています。その多くが遺伝病です。実際、ダックスでは遺伝する可能性が示唆されている病気は、80種類を超えます。え?そんなあるの?えぇ、そんなにあります。

単純にダックスだから、というだけで、ブラックタンのロングのダックス、ワイアーヘアーのダックスを同一と考えるのは早計かもしれませんね。 別の犬種としての認識を持つくらいの気持ちが必要ではないでしょうか。

 

  こうやって考えたら、どこにどのような病気の情報が入っているのか?
ということをデータ的に解明していく必要が あるのではないでしょうか?

そうすることで、 今後不幸な子を減少させることって十分可能なはずです。


不幸な子を減少させることも必要ですけど、不幸になる飼い主さんを減少させるのも必要だと思います。特別知識のない飼い主さんに対してそれをケアしていけるのは、
獣医師であり、ブリーダーさんであり、

 

そのデータを管理して意識向上の啓発を行うのは、血統書発行の団体であるべきだと思います。近年徐々にそれに対しての取り組みがなされてきました。しかし、その効果を打ち消すように、無知な繁殖が横行しています。犬種毎に遺伝する病気も違うんです。では、あなたの飼っている犬の子供が欲しい場合に注意しないといけないことは?まずそれを考えてください。そして、その答えが出ないうちには、子供を作らないでください。

 

産まれてくるからには、何らかの意味を持って産まれてきていると考えています。ペットとなる子では、飼い主さんに可愛がられるために産まれてくるという意味を持たせてあげたいと私は考えています。病気になるという運命を持って産まれてくる子を作り出してしまうようにならないようにしていただきたいと思います。

 

知らないでは済まされない現状が今、目の前にあります。誰かを不幸にすることを知らないままで作り出す無知の罪を犯さないためにも、少しだけ考えてください。

 

新庄動物病院

 
院長 今本成樹
    Penn HIP認定医