犬の病気、猫の病気などを詳しく解説しています。

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Aug 24, 2006
マイクロチップ

 

 

 

マイクロチップ

 

マイクロチップとは、犬および猫の個体識別を目的とした皮下埋込み型の電子標識器具で、世界に一つしかないIDナンバーを書き込んだ、超小型ICチップです。装着する際、痛みはなく、また、動物に悪い影響を与えることはありません。迷子札を付けている犬が、動物管理センターに収容され、処分されるという事例があります。また、盗難にあった犬を見つけても、自分の飼い犬であることを証明できずに、取り返すことが出来ないことがあります。こんな時、マイクロチップを使用していれば安心。すぐ、お近くの動物病院におたずねください。迷子動物のマイクロチップの番号を専用リーダーで読み取り、その後コンピューターシステムでペットデータを検索・照会し、あなたのペットを確認することができます。

 

マイクロチップとは長さ約1cmで、犬や猫の飼い主を認識するためのものです。これがあれば住所、氏名、年齢、電話番号、かかりつけの動物病院がわかり、迷子になっても安心です。注射で皮膚に入れるのですぐに終ります。
 外国では義務付けられている所もあります。


マイクロチップ入れ

マイクロチップ

チップ入れる瞬間

入れた後に読み込み中
   写真提供:オーク動物病院
                   


マイクロチップの特徴と効果
特徴
マイクロチップは、ただ一度の埋込みで、動物の一生を通じて有効です。

埋込み操作は簡単で、動物が痛みを訴えることは、ほとんどありません。

生体に無害なポリプロピレン、生物学的適応ガラスを使用しています。

マイクロチップは、埋込み局所に対し、特異的変化を起こしません。

移動防止キャップにより、埋込み部位から移動することはありません。
利用方法
迷子になった時の連絡方法は、飼い主は近くの動物保護管理センター、保健所または最寄りの警察署に連絡します。(ペットの特徴とマイクロチップが埋込まれていることおよびそのIDナンバーを伝えておけば、ペットが一層見つかりやすくなります。)
近くに動物保護管理センターまたは保健所がない場合や、ペットのIDナンバーがわからない時は、マイクロチップを埋込んだ動物病院に連絡します。
■装着後は日本総研もしくは獣医師会の運営する日本動物保護管理協会のいずれかに登録します。その際、登録先が異なっても、迷子犬などの捜索時には各社データの照会をするので現段階で支障はないとのこと。
効果
迷子になっても、飼い主の元に帰る率が高くなります。

不幸にして、迷子中に事故に遭った場合、連絡を取ることが出来ます。

盗難の予防や、首輪を外されても、自分の家族であると証明できます。

不正な手段で入手した動物を実験に使えなくなります。

猟犬に装着すれば、不正な狩猟を防止し、猟犬を捨てることが出来なくなります。

虐待動物の経緯を調査し、今後の再発を防止できます。

純血種の不正な繁殖や血統証明書の偽装を防止し、健康な犬種の発展に寄与します。
しかし、行政は重い腰を上げようとはしません。
飼い主自身が、自分たちの愛する動物たちを自分たちで守るため、マイクロチップの普及にご協力を!

 

マイクロチップの歴史

犬および猫をはじめとするコンパニオンアニマルの個体識別を目的としたマイクロチップの利用は、英国で1989年に開始され、1992年、RSPCA(王立動物虐待防止協会)によって公認されています。 諸外国では、主に動物保護センターを中心に養子縁組、迷子防止および捨て犬・猫防止に利用されています。また、ヨーロッパアルプスでは、1990年よりALPIRODと呼ばれる犬ぞりレースで、レース犬の個体確認にも利用されていす。その他諸外国での使用状況は以下の通りです。

国  名
中心団体
使 用 目 的
使用頭数
 イギリス
RSPCA
 盗難防止・養子縁組・迷子防止・捨て犬・猫防止等
56万頭  
 ヨーロッパ
FECAVA
 盗難防止・養子縁組・迷子防止・捨て犬・猫防止等
175万頭  
 カナダ
CKC
 盗難防止・養子縁組・迷子防止・捨て犬・猫防止等
55万頭  
 アメリカ
AKC
 盗難防止・養子縁組・迷子防止・捨て犬・猫防止等
100万頭  
 オーストラリア
国の政策
 動物検疫・盗難防止・養子縁組・迷子防止・捨て犬・猫防止等
32万頭  
 その他  
 盗難防止・養子縁組・迷子防止・捨て犬・猫防止等
33万頭  

参照)
RSPCA :
Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animal 〈王立動物虐待防止協会〉
FECAVA:
Federation of Europe Companion Animal Veterinary Association〈欧州コンパニオンアニマル獣医師連合会〉
CKC :
Canadian Kennel Club 〈カナディアンケンネルクラブ〉
AKC :
American Kennel Club 〈アメリカンケンネルクラブ〉

犬や猫の寿命は年々延びています。歳月の経過と共に動物は飼い主にとって人生の伴侶として重要な地位を占めるようになっています。それは動物にとっても同様です。絶対に離れられない存在なのです。
また、近年、日本人も外国へいく機会が増え、同時に飼っている動物を連れて行く方も増えています。その場合、マイクロチップの装着が義務づけられている国も多いようです。
そのうち、アメリカ・イギリス・カナダなどの先進諸国と同様に、日本の動物にも義務づけられる日が来ることでしょう。



マイクロチップに関する詳しい情報
「まんじろう」

犬と海外旅行を楽しみたい方のための情報
【犬を連れて出かけよう!】

 

Mar 18, 2006
遺伝性疾患についての意見 

遺伝性疾患についての意見 

 

 

 2006年2月

 

近年血統書のついた犬種が増えてきたことにより、雑種犬というのを最近では、見かけなくなりました。「雑種犬は強い!」という言葉を 皆さん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?逆に、純血種だから弱い?なんてよく聞かれますけど、純血種には純血ゆえの悩みがあるのです。
さて、雑種犬は強いのです。
遺伝学で言うところの「雑種強勢」というのがあるからです。


雑種強勢とは、生きていく上で、 強く生きるための情報を残していくということです。
遺伝的に弱い情報を持つのは封印されてしまいます。

で、強い形質だけが出るように都合よくできています。遺伝子というのは一対のものなのです。お父さんとお母さんから一個ずつもらって、それが組み合わさって一つの情報を作っています。その組み合わさった二つが、たとえば、片方は病気の情報や、体質が弱いという情報を持っていた時に、もう片方が、強い情報を持っていたら、弱いほうを打ち消したりします。そして、子供ができた時には、どちらか片方が子供に受け継がれます。弱いほうを受け継ぐことになると、もう片方の親からも、弱いほうの遺伝子をもらったら、そこで病気が現れたりします。おじぃさんの体質が遺伝したりするのはそういう意味があったりします。

 

 


「病気になっていなくても  遺伝病が隠れている。」
 

そういう危険性を常に考えて交配させていかないといけません。特に日本では、いい加減な交配が繰り返されたりしたこともあり、ひじょうに病弱な血統が多かったりします。何代にもわたって、健康でない子を交配に用いることで、特定の病気・体つき・体質が血統的に固定されてしまったりします。純血種を作り出すときには、目指す体つきや性格の固定を行うことがなされてきました。ここで少し犬種の歴史を書いていこうと思います。


長い歴史の中で犬は用途に応じ改良されてきました。
特に犬種の歴史をざっと眺めれば、1600年代以降に固定された犬種が多いです。

この時期は、 無理な繁殖を繰り返した時期だったのかもしれません。 現在でもこのときの名残が残っている可能性が否定できないことがあります。

 

遺伝病の歴史を考える時に本当に参考になるのが、この時代以降に作り出された犬種に遺伝病が多く、 古代からの犬種には比較的少ないということです。
遺伝病が多いというのは、犬が病弱というのではなく、 狭い範囲での繁殖をくりひろげるうちに 遺伝子が固定されていったということです。 例えばシベリアンハスキーは、限られた地域での繁殖を繰り返したことにより 遺伝的に認められる疾患が多いのです。

 

では、犬ごとにどの程度遺伝子が異なるのか?最近はそういう研究が進んでいます。参考までにそれを書いておきます。犬の遺伝子解析(DNA解析)がどんどん行われていますが、調べれば調べるほど様々な違いがわかってきます。たとえば、大まかな犬の遺伝子解析は2004年に結果が出ました。それ以降様々な犬種の遺伝子解析がなされてきました。遺伝子の中には、様々な情報を決定するための配列(塩基配列)があります。

 

犬では、この配列は24億個にのぼります。24億個の塩基配列において、どの程度の差が出るのか?ボクサーとアラスカンマラミュートを比較したら、787個に1個の違いがあり、グレーハウンドとボクサーでは、945個に1個の割合で違いがあったそうです。

 

この違いが大きいのか小さいのか?この数字だけでは到底わからないと思いますので、人間と比較してみます。人間では、各個人、遺伝子配列を比較すると、違いは900個に1個ということです。

 

ほとんど、どの犬種でも、差はないと考えられます。しかし、遺伝子は、様々な要素を決定しています。人間でも、欧米人、東洋人、南米の方々、アフリカの方々。全て見た目も違えば、かかってくる病気も異なります。犬であっても同じことだと思います。すなわち犬でも、人と同じ数の遺伝する病気があると言ってしまっても間違いではないと思われます。

 

現在犬の遺伝病としてわかっているものは500弱。人間では、すでに15000を越えていると言います。まだまだ未知な部分が多い犬の遺伝病ですが、科学技術や医療技術の急速な進歩の後押しを受けて、10年もすればかなりの数の遺伝病を発見し、そして不幸にも生まれながらに病気になる遺伝子プログラムを持った子たちを減らすことができるようになると考えています。

 

さて、話を戻します。

 

純血種は作り出される過程(遺伝子を固定して、生まれてきた個体に差がでないようにする過程)で、様々な犬種が使われています。ダックスを例にあげさせていただきます。ダックスには スムースヘアー、ロングヘアー、ワイアーヘアーがあります。

 

それぞれ、スムースは、 古代の短脚のハウンド犬(現存しない犬種、ダックスやバゼットの祖先)と 初期のピンシャー(現在存在しない犬種)、 ダックス・ブラッケとの交配により誕生しました。ロングヘアーは、スムースにスパニエル系、アイリッシュ・セッターなどを異種交配、ワイアーはテリア系、 ラフ・ヘアード・ピンシャーと 交配させることにより作り出されました。

 

ダックス同士での交配では、様々な毛質の交配がおこなわれていますが、 毛質についての遺伝形式では、 ワイアーは、スムースにもロングにも優性で遺伝します。


また、スムースは、ロングに対して優性と言われています。 ロングは、他の犬種と掛け合わせたら常に劣性です。 また、お互いの毛質を大切にするなら、 ロングとワイアーは掛け合わせない方がいいです。ロングヘアーにはスパニエル系が入っているので、ロングを作り出す以前にはダックスには少なかった目の病気がスパニエルからダックスに入ってきています。

 

ダックスにスパニエル系が導入された時期からスムースにも眼の疾患が増加傾向になったようです。ロングに入ったスパニエルの持つ眼科疾患の遺伝的要因が スムースという隠れ蓑でうまく隠されているとも考えられます。最近ダックスでは本当に眼の病気が増えています。その多くが遺伝病です。実際、ダックスでは遺伝する可能性が示唆されている病気は、80種類を超えます。え?そんなあるの?えぇ、そんなにあります。

単純にダックスだから、というだけで、ブラックタンのロングのダックス、ワイアーヘアーのダックスを同一と考えるのは早計かもしれませんね。 別の犬種としての認識を持つくらいの気持ちが必要ではないでしょうか。

 

  こうやって考えたら、どこにどのような病気の情報が入っているのか?
ということをデータ的に解明していく必要が あるのではないでしょうか?

そうすることで、 今後不幸な子を減少させることって十分可能なはずです。


不幸な子を減少させることも必要ですけど、不幸になる飼い主さんを減少させるのも必要だと思います。特別知識のない飼い主さんに対してそれをケアしていけるのは、
獣医師であり、ブリーダーさんであり、

 

そのデータを管理して意識向上の啓発を行うのは、血統書発行の団体であるべきだと思います。近年徐々にそれに対しての取り組みがなされてきました。しかし、その効果を打ち消すように、無知な繁殖が横行しています。犬種毎に遺伝する病気も違うんです。では、あなたの飼っている犬の子供が欲しい場合に注意しないといけないことは?まずそれを考えてください。そして、その答えが出ないうちには、子供を作らないでください。

 

産まれてくるからには、何らかの意味を持って産まれてきていると考えています。ペットとなる子では、飼い主さんに可愛がられるために産まれてくるという意味を持たせてあげたいと私は考えています。病気になるという運命を持って産まれてくる子を作り出してしまうようにならないようにしていただきたいと思います。

 

知らないでは済まされない現状が今、目の前にあります。誰かを不幸にすることを知らないままで作り出す無知の罪を犯さないためにも、少しだけ考えてください。

 

新庄動物病院

 
院長 今本成樹
    Penn HIP認定医
 
Jan 29, 2006
ブラックポイント

ブラックポイント


ブラックポイントとは?
身体の中で、黒くなければいけない場所のことです。
基本的には、眼(アイ)・眼縁(アイライン)・鼻(ノーズ)・口唇(リップ)・爪(ネイル)・蹠球(パッド)の6ヶ所のことです。
しかし、犬種や毛色によっては黒くなくても良いものもありますし、逆にこの6ヶ所以外にもブラックポイント呼ばれる場所があるものもいます。ですから、それぞれの犬種(毛色)ごとに覚えることが必要です。

なぜ黒くなければいけないのか?
それは、場所によって色々な理由がありますが、一つには色素が出やすい場所なので、黒くないということは色素不足が考えられるからです。
色素が不足していると、被毛の褪色傾向や嗅覚の能力低下、眼が弱いなど様々な問題がありますので、仔イヌを選ぶ時には必ずチェックすべきポイントです。


眼/眼縁 

     

 


 

 

口唇 

 

    

 


蹠球

Jan 20, 2006
子犬の甘え鳴き

子犬の甘え鳴き

このページでは、人間にかまって欲しくて、あるいは、人間の姿が見えなくなったときに、吠えたり、鳴いたりしたときはどうすればよいかについて解説しています。 - 生後6ヶ月くらいまでの子犬の、”吠える・鳴く行動” の対処に- 人間に何かを要求して吠える、すべての月齢・年齢の犬に最適です。ご活用下さい。 記事:小田史子

どうして子犬は鳴くのでしょうか?

「うちの子犬は寝ているか、鳴いているかどちらかです。始終サークルから出して!と鳴いています。育犬ノイローゼになりそうです。。」
「人の姿が見えなくなるだけで吠えて吠えてもう止まりません。トイレにも行けません・・。」
「夜鳴きがひどくてまいっています。睡眠不足で家族全員フラフラです。」

噛み癖と並んで、多くの方が悩まされるのが、子犬の「泣く」「吠える」の問題です。とても残念なことですが、始終鳴いたり、吠えたりしている子犬を目の前に、こんなはずじゃなかったのに・・どうして飼っちゃったんだろう・・というような声も聞こえます。

もしあなたが今、こんな気分だったら、次のように考えてみてください!

あなたの子犬は、親や兄弟たちと別れ、たったひとりであなたの家にやってきました。さびしいかもしれませんね。誰かにかまってもらったり、スキンシップをして欲しくてたまらないかもしれないですね。そんな気分のときに、人間を困らせてしまうほど一生懸命人間のぬくもりを求めようとするあなたの犬は、健康な心の持ち主です!

1日中ひとりぼっちでサークルの中にいても平気、スキンシップを全く求めず、遊ぶこともせず、小屋の奥にひきこもってばかり・・という方が心配なくらいです!

しかし、1日中鳴きっぱなし、吠えっぱなしでは困りますね。どんな対処をすればいいのか、順に見ていきましょう。

こんな対応は絶対にしないで!

まずは、絶対にやって欲しくない対応を見てみましょう。

叱らないで!

叱ったり、叩いたり、大きな音を立てて脅したり、犬に不快な思いをさせることによって、鳴いているのをやめさせようとはしていませんか?これはやってはいけません。

あなたは、何をやめさせたいのでしょうか?鳴いたり、吠えたりすることをやめて欲しいのですね。甘えたり、人間とコミュニケーションしようとすることはどうでしょうか?決して悪いことはないですね。むしろ、鳴いたり、吠えたりするのではなく、もっと望ましい形でなら、コミュニケーションしてくれることは、人間にとっても好ましいことですよね。

叱ったり、叩いたりすることで、犬は鳴かなくなるかもしれません。でもそのときには、人間とコミュニケーションすることまでやめてしまうようになるかもしれません。いつ叱られるかと、始終びくびく、人間の顔色をうかがってばかりいる犬になるかもしれません。「これ以上、叩いたり、叱ったりしないで!」とうなったり、噛み付いたり、あなたに対して攻撃的になるかもしれません。これでは困りますね。

鳴いたり、吠えたりすることに、過剰に応じないで!

鳴いたり、吠えたりしたときに、「どうしたの?」と応じたり、サークルから出してあげると鳴きやみますね。とにかく鳴き止んで欲しい!吠え止んで欲しい!と犬の要求に応じる前に、考えてみてください。あなたが、犬の要求に応じることで、かまって欲しいときには、鳴けばいいんだ!吠えればいいんだ!と犬は確実に学習しています。そしてますます、かまって欲しいときに鳴いたり、吠えたりするようになります。

サークルから
出して欲しい
鳴く・吠える
サークルから
出してもらえる
鳴いたり吠えたりしたら、サークルから出してもらえます。このときのこの犬にとってサークルから出してもらえることはきっとうれしいことですね!だから、「サークルから出してもらうためにはうんと鳴かなくっちゃ!大きな声で吠えなくっちゃ!」と学習します。

このときに大切なのは、人間は応じていないつもりでも、結果として犬が鳴いたり吠えたりした後に、犬の願いが叶うと、それを学習してしまうということです。

例) あなたが部屋を出た途端に、サークルの中にいた犬が鳴き始めました。用事が済んで部屋に戻ると、犬も鳴きやみました。

あなたは、用事が済んだから部屋に戻ってきたのであって、鳴いている犬をなだめようとして戻ったのではないですね?それでも結果的には、以下が成り立ってしまいました。

人間がいない・
戻ってきて欲しい!
鳴く・吠える
人間が戻ってくる
鳴いたり吠えたりしているうちにあなたが戻ってきます。これは犬にとってうれしいことに違いありません!だから、「戻ってきて欲しいときには、鳴かなくっちゃ!大きな声で吠えなくっちゃ!」と学習します。

人間が意図していなくても、犬は「鳴けば人間が戻ってきてくれるんだな!」と勘違いして学習してしまうかもしれないのです。そして、ますます姿が見えなくなると鳴くようになりますね。

対処方法1:生活環境を整えよう!

ダンボールに入れっぱなしにしないで!

もしあなたの子犬が1日中ダンボールの中で過ごしているなら、一刻も早くサークルを買ってきて、周りの様子がよく見えるようにしてあげましょう。これだけのことで、鳴いたり、吠えたりしなくてもすむようになることは多々あります。

ひとけのない部屋にひとりぼっちにしないで!

人の出入りのない部屋に犬の生活するサークルやケージを置くのはやめましょう。家族が集うリビングや居間などにサークルを置いてあげるといいでしょう。人が近くにいることで、鳴いたり、吠えたりしなくてもすむようになるかもしれません。また、人間の生活の様子や、テレビの音や、いろいろな匂いに接する機会を与えてあげることは、社会化の点においても大切です。

犬が安心できるスペースを作りましょう!

サークルの中に、犬が安心して寝たり、休息したりするスペースはありますか?犬は、穴のようなスペースを休息場所とする習性があります。サークルの中にクレートを置いてもいいでしょう。犬が丸くなって寝ることのできる程度の大きさのダンボールを用意して、「コ」の字に置くとちょうど穴のようになりますね。その中にタオルなどを敷いてあげてもいいでしょう。犬が休みたいな、と感じたときに、自由にそこに出入りし、安心して休息できるような場所を確保してあげましょう。

快適な環境を!

サークルの中は、寒くないですか?暑すぎないですか?水がいつでも飲みたいときに飲めるようになっていますか?

犬も人間と同じように、寒ければより暖かい場所を探し、暑ければより涼しいところを探します。サークルよりサークルの外が快適であれば、サークルから出して!と要求するかもしれません。寒いときには犬用のヒーターを入れてあげたり、暑いときには直射日光のあたる場所を避け、風とおしのよいところにサークルを置いてあげるなど、サークルの中にいることが心地よいと感じる環境を整えてあげるようにしましょう。

ガムやおもちゃなど、犬が好きなものを一緒に入れてあげることで、サークルに良い印象を持ってもらうこともできます。

 

 

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対処方法2:接し方を工夫しよう!

たくさんスキンシップをしてあげてかまいません!

犬と遊びすぎたり、撫でたりしすぎると、犬をわがままにしてしまうのではないかと心配なさる方が多くいらっしゃいます。子犬は人間とのスキンシップの中で、人間との付き合い方を学んでいきます。犬と接する機会を作ってあげることはむしろ大切なことで、問題なのは「犬と接しすぎる」ということではなく、「それをいつするか」ということです。

甘えているときには、存分に体を撫でてあげたり、抱いてあげましょう。そのときに、耳やお腹、マズル(口の上)、手や足、爪やお尻、口の中・・いろいろなところを触ってあげるといいでしょう。それは、これから先、ブラッシングをしたり、歯を磨いたり、爪を切ったり、獣医さんに診察をしてもらったり、犬の健康管理にも役立ちます。

はしゃいでいるときは、たくさん遊んで、存分に楽しい時間を過ごしてかまいません。楽しく遊んで、運動して、その後サークルでぐーっすり寝てくれるといいですね。

タイミングに気をつけよう!

それでは、いつ撫でたり、遊んだりしてあげればいいのでしょうか?「始めるタイミング」に気をつけましょう。

鳴いたり、吠えたりしているときには、無視をする(話しかけない、目をあわさない、触らない、サークルから出すなど犬の要求に応じない)ことを徹底しましょう。叱ることもしてはいけません。相手をしてもらった、と犬を喜ばせて、逆効果になってしまいます。

犬が鳴いていないときや吠えていないとき、あるいは、吠え止んだときに、声をかけ、サークルから出してあげるといいでしょう。こうすることで、鳴いたり、吠えたりしている限り何もいいことは起こらない、人間に相手をして欲しいときにこそ鳴いてはいけない、ということを学習します。

待っても待っても泣き止まないときに、人間が妥協してしまうとどうなるでしょうか?犬はしつこく鳴き続ければ人間が応じてくれる、ということを学習し、ますます鳴き続けることになります。一旦、無視をすると決めたら、一貫した態度をとることが必要です。

無視を始めると、一時的に前よりもひどく鳴いたり、吠えたりする時期がやってくることがあります。しかしこの時期を乗り越えると、「鳴いたり、吠えたりしても何もいいことは起こらないな」ということを学習します。反対に、この時期に人間の方が我慢できずに応じてしまうと、「しつこく鳴き続ければ人間が応じてくれる」ということを学習させてしまいます。

姿が見えなくなると鳴きだす・・の対策

好きなものを渡してあげよう!

人間の姿が見えなくなると吠え出す、という犬の場合には、姿を消す直前に大好きなおもちゃやガムなどを渡すようにするといいでしょう。このときに与えるおもちゃやガムは、何でもいいというわけではありません。あなたが部屋を出て行ったことに気が付かないくらい夢中になってくれるものを与えることがポイントです。

このときに使うガムやおもちゃは、あなたが姿を消すときにだけに与えてあげるようにするといいでしょう。こうすることによって、人間の姿が消えるといことは、いつもはもらえない大好きなものがもらえる楽しい瞬間になります。

戻ってきたら、与えたものをすぐに返してもらうといいでしょう。犬にとって大好きなものが、人間が姿を消している間だけ犬の元にあるようにするとより効果的です。

時間を少しずつ延ばしましょう!

「ちょっとトイレに行ってくるだけだから、大丈夫。すぐ戻るよ」犬にそう説明してあげることができたなら、こんなに鳴いたり、吠えたりすることはないかもしれませんね。でも、私たちは犬に、それを言葉で伝えることはできません。

それではどうすればいいのでしょうか?まずは、犬が鳴き出さない程度の時間だけ、姿を消すようにしましょう。鳴かずに待っていたら、戻ったときに誉めてあげてもいいですね。そして、姿を消す時間を少しずつ延ばして行けば、「姿が見えなくなっても、いい子に待っていれば必ず戻ってくる」ということを学習していきます。

夜鳴きの対策

あなたの犬にとって、ひっそりと静まりかえる部屋でひとり過ごす夜は、とても長いものかもしれませんね。夜鳴きに悩まされているなら、こんな対処ができます。

寝室が見える場所にサークルを置いてあげよう!

寝室がよく見える位置にサークルを置くことで、夜鳴きが緩和されることがあります。

テレビ・電気をつけておく

テレビや電気をつけっぱなしにしておくことにより、人間が起きている時間とのギャップが埋まり、夜鳴きが緩和されることがあります。もしこの方法で効果があがるのなら、徐々に、テレビのボリュームを下げたり、明かりを小さくしていけば、無理なく「誰もいない暗くて静かな夜」の環境に慣れていくことができます。

一緒の部屋で寝かせてもかまいません!

人間と一緒の部屋で寝かせると、犬をわがままにしたり、一人で寝ることができなくなってしまうのではないかと心配なさる方がいらっしゃいます。一緒のふとんで寝かせることは、必ずしもいいとは限りませんが、サークルや、ケージ、クレートを寝室に置き、そこで犬を寝かせることは問題ありません。多くの場合、それで夜鳴きが解消されます。

これには、いくつか注意することがあります。

注意1: 夜中に何回かトイレに連れていってあげよう!

体の小さい子犬は、まだ一晩排泄を我慢することができません。犬が一晩過ごすスペースにトイレがないのであれば、何回かトイレに連れていってあげましょう。犬はもともと、自分の休息場所を汚さないように、就寝する場所では排泄を我慢する習性があります。その就寝場所で、我慢できずに排泄せざるを得ない経験を積むことは、一体どこが就寝場所でと排泄場所なのか?混乱の元になるかもしれません。

注意2: 鳴いても応じないようにしよう!

一緒の部屋で寝ているのにも関わらず、鳴いたり、吠えたりしたら?一貫して、それには応じないことが大切です。ここであなたが話かけたり、サークルやクレートから出したり、撫でたり、叱ったりすれば、「鳴いたり、吠えたりすれば、人間が自分に注目してくれる」と学習し、ますます鳴いたり、吠えたりするようになりますね。

人間が一貫した態度を取ることによって、「近くにいてくれるけれど、決して遊んではくれない、就寝時間はそういう時間なんだな」といことを次第に理解していきます。

お薦め!の就寝場所: クレートで就寝させる利点

犬のしつけの答えはひとつではありません。各ご家庭の事情や、犬の性格に合わせて就寝場所を決めてあげればいいでしょう。しかし!「どうやって寝かせるのがお薦めですか?」と聞かれたなら、クレートで寝かせることをお薦めします。

クレートは、犬の巣穴の形に似ているので、犬の休息場所として適しています。そしてクレートは持ち運びや移動ができますね。これから先、外泊をしたり、引越しをしたり、なじみのない環境で一晩過ごさなければならないような事態になったときにも、クレートで寝る習慣ができていれば、環境の変化を感じることなく一晩過ごしてもらうことができます。

たとえ犬と人間が同じ部屋で就寝するとしても、一緒のふとんで寝るのではなく、クレートで就寝させる習慣にすれば、別々の部屋で就寝させなければならなくなっても、いつも使っているクレートがあれば、犬はストレスを感じることなく過ごすことができるのです。

吠えることを習慣化させないために

犬のしつけには厳しさが大切です。しかしそれは、叱ったり、叩いたり、犬に向ける厳しさではなく、一貫した態度が取り続けるという、人間が自分自身に向ける厳しさです。

一生懸命に鳴いたり、吠えたりして訴える犬を無視するということは、ときに叱るよりも人間にとって辛いことかもしれません。しかしながらそれは、「いい子にしているときに、いつもの倍くらい遊んであげよう」という気持ちに変えてあげてください!

ここでご紹介をした対処は、鳴いたり吠えたりする行動の予防にもつながります。今対処をしなければ、これから先も人間に何かを伝えたいことがあるときに、吠えることに頼りがちになるかもしれません。長く続いた習慣を変えるということは、人間にとっても、犬にとっても大変なことです。子犬のうちであれば、より短時間に望ましくない習慣を絶ち、望ましい習慣を形成してあげることができます。それは、人間のためであり、あなたの犬の将来のためですね。

ご家族全員で一貫した対応を!

お母さんは、鳴いてもサークルから出さないけれど、お父さんは出してしまう・・。もしこんな対応をしていたら、子犬は結局鳴けばサークルから出してもらえると学習してしまいますね。犬の行動パターンは、人間の対応によっても決定されていきます。ぜひ「鳴いたときにはどのように対処するのか」ということをご家族全員でよく話あって、犬に対して一貫した態度が取れるようにしましょう。

体調の管理にも気をつけて

人がいなくなると途端に鳴きだしたり、夜鳴きがひどかったり・・あなたの犬は新しい環境にまだ慣れず、落ち着かない日々を送っているかもしれません。

こんなときには、緊張が続いていいたり、ぐっすり寝れなかったり、体調を崩しやすいものです。しかも、抵抗力のまだまだ弱い子犬です。毎日のおしっこやうんちの状態、食欲、変わった様子がないかなど、よく観察してあげてください。そして、気になることがあったら、すぐに獣医さんに相談しましょう。

子犬の成長を温かく見守ってあげてください!

子犬はたくさん食べて、たくさん寝て大きくなっていきますね。体重を測るごとに、少しずつ、でも確実に成長しているのがよくわかるでしょう?

心の成長も同じです。どうすれば人間にたくさん遊んでもらえるのかな、スキンシップしてもらえるのかな、と日々試行錯誤しながら、毎日少しずつ成長しています。犬と人間は、最初からうまく共存できるものではありません。ご近所やお友達の家のわんこはいい子なのに・・とお嘆きかもしれませんが、最初からそうだったのではなく、みな同じ道を歩んできています。

今は、子犬の相手でフラフラになっているあなたも、1年経ち、2年経つ頃には、子犬の頃が懐かしい・・と手がかからなくなったことをちょっぴりさびしくさえ思えるようなときが必ずやってきます。そのときに、人間に対して生き生きと豊かな表情ではたらきかけてくれる犬でいてもらうために、ぜひここでご紹介した方法を参考にしてください。心の成長には、体の成長と同じくらい、いえ、それ以上にこまやかな心くばりが必要です。あなたの犬が、体だけでなく、心も大きく伸びやかに成長しますように・・。

文章:小田 史子

Jan 08, 2006
肥満

 肥   満                                    

 

肥満の原因は

高カロリーの食事を与えていたり、必要以上に食事を与えている場合です。食欲旺盛だからといって動物がほしがるだけ(特に犬は与えられた食事はすべて食べます)与えていたり、高カロリーの食事ばかりを長期間与えてはいけません。他の病気が原因で食欲旺盛になることがあります。内分泌の病気や寄生虫が考えられます。運動不足やウサギなどの小動物で狭いケージの中で飼育し満足に運動ができないことも一因です。いろいろなストレスも過食の原因になります。

体質で肥満になりやすい場合もあります。

 

・コッカー・スパニエル
・ラブラドール・レトリバー
・ゴールデン・レトリバー
・ダックスフンド
・シェットランド
・シープドッグ
・ビーグル                            
・ケアンテリア                             
・キャバリアーキングチャールズ            
・スパニエル                     

・バセット・ハウンド    

                       

 

 

      


 


あなたのワンちゃんの肥満度チェック方法
 

 
   両手の親指を犬の背中の真ん中に置く。
   他の指を広げて、肋骨の前に置く。
   親指で背骨のとんがった部分を軽くおさえて静かに前後へ手を滑らせる。

 結 果
  1.皮膚と肋骨の間に薄い脂肪が触れる。−−−−−理想的
  2.骨が突き出ていて、ごりごりする。−−−−−−痩せすぎ
  3.肋骨がクッションのような脂肪でおおわれていて触りにくい。−−−肥満

また、犬は全身を真上から見て砂時計型が理想的で、それ以外は痩せすぎか肥満です。

結果は、いかがでしたか?

 

肥満により予想される病気

 体重が以下の割合で超過すると・・・

 10%超過・・・糖尿病にかかりやすくなる。
 20〜30%超過・・・高血圧による心臓病・肺疾患、脂肪肝
 40〜50%超過・・・免疫力低下(膀胱炎や伝染病などの病気にかかりやすい)
 60〜70%超過・・・皮膚病
 80〜100%超過・・・癌、便秘、潰瘍、膵炎、関節炎、椎間板ヘルニア、
           手術の危険性、繁殖力の低下

 などが挙げられます。いわゆる人と同じ生活習慣病も多いです。

 太っていて、身体が脂漏症で、耳が外耳炎で、ガーガー音を出して息をし、水をがぶがぶ飲み、口は口内炎で臭くて、ちょっと興奮すると舌の色が真っ青になり、たまに発作を起こし、歩き始めるとすぐ座りこみ、抱こうとするとキャンと痛がって咬もうとする、、こんなかわいそうな犬、、見たことありませんか?こういう子は、上記の病気をほとんど持っているのです。


肥満対策(減量計画)

1.定期検診(ドッグドック)
  肥満による病気の早期発見と治療、適切な減量計画を立てる。
  健康に見える子でも、年1回、10歳を越えたら年2回は、ドッグドックを受けましょう。  もう既に病気のある子は、獣医師の指示に従ってください。

2.運動
  10〜15分、1日2回の散歩
  ただし、すでに心臓病などの病気がある場合は、獣医師に相談

3.減量計画
  適正体重の15%を越えている場合
  食事量(カロリー)を60-70%減らす。食事の1日量を変えないで、1日3回与える。
  栄養バランスのとれた高繊維、低脂肪の食事(ドックフード)に変更する。
  定期的な体重測定と体重経過グラフ作成。
  犬を家族の食事準備中、食事中に部屋の外に出す。
  ペットスナックなど適切な食事を必要量与える以外は、決して何も与えない。

 

 皆様もご存知の通り、動物の寿命は、人の寿命に比べて短いのです。その短い期間(人にとっての短い時間です。動物にとっては長い一生です。)を快適に、幸福に生活させてあげるのが、私達飼主の義務ではないでしょうか。生活習慣病は、治療より予防が大切です。結果的には、予防の方が、動物にかかる手間もお金も少なくて済むのです。その為に、動物が若くて元気な頃から、肥満にならないように注意し、栄養バランスのよい食事を与え、生活習慣病の予防に努めましょう。

動物の健康状態、年齢、環境などその子が必要とするものを良質で栄養バランスのよい食事を適量与えます。子犬や子猫の時期から肥満にならないようしっかりした管理が必要です。動物用の食事には、パッケージに成分と代謝量などが記載されています。どの食事がいいかは掛かりつけの獣医師と相談するのがいいでしょう。できるだけ公正な立場からペットショップなどと提携していない動物病院をおすすめします。
運動も大切です。ただし、たくさん運動させればいいというのは危険です。肥満は心臓などにも負担がかかっていますからゆっくり歩くような散歩を約30分(肥満の程度でかわります)くらいから始めます。これも獣医師が健康状態を診て設定してくれるでしょう。
肥満になってしまったら・・・ほとんどの動物病院では減量プログラムを作成します。動物の健康状態などを診て飼主さんと一緒に減量期間、目標体重、食事コントロールなどを設定し実行していきます。過度の減量は小さな動物にとって危険ですので短くても3ヶ月単位で行うようにします。短期間での急激な減量は絶対にいけません。また肥満の猫に絶食もダメです。(衰弱して死ぬことがあります)

 

ライン

 

「ペットの病気大百科」もぜひご覧下さい。

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分離不安症

分離不安症とは

飼い主への過剰な愛着が強い犬の場合、飼い主がいなくなったときに不安を感じ、鳴いたり吠えたり、そそうをしたり、破壊行動を取ったりする症候群のことです。

 

 

分離不安症は身近な問題です 

・専門家によると、分離不安症で苦しむイヌは全頭数の7%〜15%にのぼると推定されています。
・性別、年齢、犬種にはあまり関係無く症状がでます。性格による場合が多いようです。
・ 飼い主のほとんどは、これを犬のいやがらせや、性格の悪さととらえています。
・分離不安症が治療できる病気であることを知りません。
 

分離不安症は病気です。ですから治せます。  

この行動は独りぼっちにされた嫌がらせで、飼い主を困らせようとして起こすのではありません。病気なのです。この病気の名前の通り「不安」になってどうしようもなくなると言う病気なのです。分離不安症というのは病気で、犬はそれにより大変苦しんでいる ということを解ってあげてください。

・         医学的には脳の神経系の病気になっています。犬の性格もあります。甘えん坊の犬は罹りやすいといえます。飼い主の努力で3ヵ月ないし6ヵ月で治せます。 

原因は?

・        飼い主と離れると脳内の神経伝達物質セロトニンの脳内作用が減弱し、それによって不安、恐怖が増大します。
・毎日一緒に居るために、一人で置かれる事に慣れていない。
・飼い主の突然の態度の変化やライフスタイルの変化に対応できない。
・外出時や帰宅時における飼い主の異常な愛情表現の過多による。
・飼主との強すぎるきずな。間違った飼育、間違った犬との付き合い。

【チェック】

   ●      あなたは世界でうちの子が一番かわいいと思っていますか。
●      食事の時には一緒にあなたのお皿から食べたりしませんか。
●      少しくらい悪くても叱るのはかわいそうだと思いますか。
●      犬に長時間留守番をさせるのはかわいそうだと思いますか。
●      家にいる時あなたの後ろをいつもついてきますか。
●   トイレやお風呂の時などドアの前で待っていませんか。 

●      あなたが居なくなると落ち着きがなくなりますか。
●   ドアなどガシガシしませんか。

●      少しご近所に行くだけでも抱っこして連れて行きますか。
●      外出する前は必ず抱きしめてあげますか。「○○チャンごめんね」「良い子で居てね」なんていいながら、出かける随分前から甘やかしていませんか 

これらにいくつも当てはまるなら、あなたの愛犬は「分離不安症」ではないかと疑って下さい。いえ間違いなくあなたも「分離不安症」?!

症状は?


外出前から反応します。

●   飼い主の外出の気配を察知すると、変化が見られる。
●      飼い主が出て行く姿に対する攻撃性 (うなり声、足首、スカート、ズボンに噛みつく)
●      破壊行動 (物をかじる、穴を掘る、物を破る) ドア、カーペットなど
●      自虐行為 (体を過度になめる事で皮膚炎・肉芽腫になる)
●      多動 (止まることなくウロウロする、階段を上り下りする)
●      不適切な場所での排便、排尿
●      心身症 (よだれ、嘔吐、下痢) 消化器症状を伴うこともあります。食欲不振
●      無駄吠え(5〜10分くらい吠え続ける)

飼い主の外出中に次のうち1つまたは複数の症状が認められます。

物を噛んだり引っかいたりする 。破壊行動

トイレ以外での不適切な排泄  (排尿・排便)

  
過剰な吠え  (無駄吠え)

診断    

    
まず、問題行動が他の泌尿器疾患や内臓疾患からきていないかを、
身体検査、血液検査、尿検査で調べます。

医学的疾患の可能性がなければ他の問題行動を除外します。
これには専用のカルテがあり、アンケート形式で問診していくと
分離不安症か他の疾患かを区別しやすくなっています。

上記の症状が1つ以上ある。飼主の不在時、もしくは近づくことができないときにおきる。


出発前に不安、苦痛を生じる。帰宅時に過剰な反応をおこす。
破壊するときは飼主が出ていったドアの周囲に集中。
常に飼主の後を追い回す。環境の変化がなかったか等をもとに診断します。

 

 治療
『分離不安症』に関しては効果的な対処法が確立されています。
また,補助的に用いられることができる有効な医薬品も承認されています。
もし,愛犬が『分離不安症』に思い当たる点があるようなら専門家や獣医師に相談しましょう。

 

行動療法  

  • あなたの気持ちしだいです。
  • 犬は人間の子供のように自分自身で自立することは出来ません。いつまでも飼主さんに愛情をいっぱいうけ子供のまま甘えて暮らすことが出来ます。そこで度が過ぎるとこのような問題が発症します。
    愛犬が不安やストレスから解放され,快適に日常生活を送れるようにしてあげるのは飼主の責任なのではないでしょうか。

外出前

  • 外出する30分くらい前から犬に話しかけたり、注意を向けたりしない。
  • 犬と遊んだり犬に触れたり、食事を与えたり、話し掛けたりしない。犬を見ることさえもしない。全く無視。
  • 静かに何も変わった事がないかのように出かけます。トイレか何処かに行ったのかなっと思わせる。
  • 飼い主の臭いのついたものをゲージの中において出かける。
  • 犬の気を散らすためにお気に入りのおもちゃなどを与えます。外出と良いことを関連づけるために、ご褒美など、何か特別なものを与えておきます。
  • 重要なことは、犬がひとり取り残されても楽しい気分でいられるようにしてあげることです。

【ヒント】 中にドッグフード等が入れられるタイプのオモチャがあります。これは効果があるようです。一度試してみて下さい。

帰った時

  • 犬が泣きじゃくって、飛びかかろうとしますが、落ち着くまで無視 (上記の外出時の注意と同様)
  • アイコンタクトは大切ですから、じっと見てあげると安心しておとなしくなります。
  • 帰宅すると犬が大喜びで尻尾ふりふりじゃれてくるのをすぐに「いい子にしてたねー」なんて撫でてあげてはいけないのです。飼主の帰宅で興奮がおさまるのを待ってから相手をしてやるんですね。
  • 遊ぶときも犬がねだったから遊ぶのではなく、飼主の意志で遊びはじめ、終わりを決める。落ち着いたときにだけ一緒に遊んであげるようにすると、いつも落ち着いた子になります。
  • 留守中にソファーの上などで排尿等をしていても叱らないで下さい。 出来ればゲージなどに入れることに慣れさせたほうが治療にもなりますし、犬にも飼い主にも益があるでしょう。

【ヒント】 鼻をおしっこした場所におしつけてひっぱたくと昔はよく言ったもんですが、犬の記憶力は限られた時間しかありませんから、何で叱られているか理解できないでしょう。「訳が分からないまま、僕。虐待されてるうー」というのが犬の感想らしく、帰宅時にそそうを叱っても何も良い事はありません。苦痛を与えるだけで犬の不安を募らせます。  

普段の接し方

  • 接するときは飼主の主導で。
  • 犬の独立心を育てる
  • 外出しないときでも外出のふりを装う。
  • コミュニケーションをよくとる

犬が「カリカリ、すりすり 撫でてよう」とあまえてきても撫でてあげてはいけません。(実は「カリカリ おいジジイ、俺様を撫でろ!」と思ってるらしいが)撫でるときはあくまで飼主の主導で決定。撫でる前に、お手、お座り、待て等をさせる。飼い主が主導権を握っていることを犬が分かっていると確信した時には遊んであげます。(それは犬がとても落ち着いていると思えるときです。興奮気味の時は要注意です。そのままそっとしておきます) 

独立心を持たせるのは大切で、いつも犬に触ったり声を掛けたりして構っていると、俗に言う「甘えん坊」になってしまいます。犬を呼んで横にならせます。「ごろん」しなさい。と言って犬が「ごろん」をすると触ってあげましょう。その姿勢では飼い主に飛び掛る事は出来ません。服従の姿勢です。 

犬をなるべく一人にする時間を多くしていきます。あなたが犬のそばから離れる時(トイレに行く時、お風呂に入る時など)犬がその状況に慣れて落ち着けるように訓練が必要です。自宅に居る時もゲージの中に入れて別の部屋において置きます。一人にして置かれる時間がだんだん延びてくるともう大丈夫。自立できるようになり、一人でも長時間遊んでいられます。 

外出前に服を着替えるとソワソワし出す。カギのガチャガチャ音で鳴き出す仔がいます。これを活用して、外出しなくても同じような事を繰り返して慣れさせることが出来ます。普段からカギ音をチャラチャラさせる。一回ドアの外に出てすぐに戻る。これを繰り返す。近所の人に見られたらあそこの御主人どうかしちゃったと思われるかもしれない。 

コミニュケーションとは オテ マテ スワレ ヨーシヨシ。グッドボーイ これでいいんですね。飼主に服従して誉めてもらえる。なんだ、そんなことと思っているようで、実はできていない人が多いんです。 

これを最低3ヶ月継続すると改善していくようです。行動療法の重要な点は、家族全員で実施しなくては効果が無い点です。一人の裏切り者で全てが無に。残業で遅く帰宅したお父さんが 「おーよしよし、俺はこんな夜遅くまで家族のために働いてぼろぼろなのに、みんな寝ちゃって迎えてくれるのはおまえだけだよ ナデナデ」とやっていたりすると失敗。行動療法の指導には、家族全員で病院に来てもらってカウンセリングしろ といわれるのはこのためです。行動療法って実は人間の治療がメインなんです。

 

  薬物療法
行動療法に合わせて、セロトニンの脳内濃度を高めて不安をやわらげる薬を使用するとより効果的です。行動療法1ヶ月で改善率が40−50%なのに対して、塩酸クロミプラミンを内服した場合改善率が80%まであがるというデータがあります。通常、行動療法3ヶ月に薬物療法3ヶ月。 薬のみで行動療法をしない場合は効果はなし。あくまでも行動療法の補助として用いられるもので単独で使用しても効果は望めないようです。

  • 副作用は飲ませ始めに吐き気がでることがあるが、3日程で消失します。緑内障、てんかん持ちの犬には慎重投与となっています。人体薬でも同じ物が承認されてますので安全だと思います。習慣性、鎮静作用、学習に対する妨害作用もありません。
  •  

ノバルティス アグロ株式会社     

クロミカルムR錠はどのように作用するのですか?
 クロミカルムR錠は、犬の分離不安症の治療の補助薬として認可されている唯一の動物用医薬品です。クロミカルムR錠は精神安定剤や鎮静剤とは異なり、犬の個性や記憶に影響を与えません。


 安全性 :: クロミカルムR錠は、臨床試験でその安全性が証明されています。臨床試験で観察された一般的な副作用は、嘔吐、嗜眠、下痢でした。


 有効性 :
  クロミカルムR錠を用いた治療プログラムでは、クロミカルムR錠が犬の不安を和らげ、行動療法を受けやすくするように働きます。


 使用方法 
 :  クロミカルムR錠は、行動療法と併用して使用します。クロミカルムR錠は、食事に混ぜて与える必要がありません。以下に、行動療法の一環である、犬との接し方に関するガイドラインの一部を示します。

 

以上の記事は以下の皆さんのご好意により編集いたしました

■金町アニマルクリニック http://www.k-a-c.net/
        院長 増田寿子
〒125-0042 東京都葛飾区金町2-29-6 KACビル
TEL:03-3609-7517  FAX:03-3609-3515

■にほんまつ動物病院 http://nihon.matsu.net/
院長:二本松昭宏   福知山市菱屋町 

■「ぺっぱら」編集室」
http://pepara/com

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痴呆

犬の痴呆

 

ペットフードの発展やワクチン接種率の向上、医療の発展、etc・・により高齢化のコンパニオンアニマルが増えてきています。
 それとともに痴呆性疾患の発生が多く見られるようになってきています。
 13才以上の室内犬に発生率が高いことが知られ、症状としては無目的な行動や反応性低下、単調な鳴き声、習慣・行動の変化、飼い主の識別不能、学習した行動を忘れる、などなどです。

 動物のQOLが低下するほか、トイレの失敗など飼い主さんの生活に影響を及ぼすこともあります。
 MEリサーチセンターの内野富弥 獣医学博士が痴呆犬の判定基準シートを発表されていますので、まずは症状と照らし合わせて採点してみましょう。

痴呆予備犬 痴呆犬

31〜49点 50点以上

 

1.食欲/下痢                                                              

正常 1
異常に食べるが下痢もする 2
異常に食べて、下痢をしたりしなかったりする 5
異常に食べるが、ほとんど下痢をしない 7
異常に何を食べても下痢をしない 9









2.生活リズム

正常(昼は起きていて夜は眠る) 1
昼の動きが少なくなり、夜も昼も眠る 2
夜も昼も眠っていることが多くなった 3
昼も食事時間以外は死んだように眠っていて、夜中から明け 方に突然動き回る。飼い主による制止がある程度可能 4
上記の状態を人が制止することが不可能な状態 5










 


3.後退行動(方向転換)

正常 1
狭いところに入りたがり、進めなくなるとなんとか後退する 3
狭いところに入るとまったく後退できない 6
(3)の状態ではあるが、部屋の直角コーナーでは転換できる 10
(4)の状態で、部屋の直角コーナーでも転換できない 15












4.歩行状態

正常 1
一定方向にふらふら歩き、不正運動になる 3
一定方向にのみ、ふらふら(大円運動)歩きになる 5
旋回運動(小円運動)をする 7
自分中心の旋回運動になる 9










5.排泄状態

正常 1
排泄場所をときどき間違える 2
所構わず排泄する 3
失禁する 4
寝ていても排泄してしまう(垂れ流し状態) 5









6.感覚器異常

正   常 1
視力が低下し、耳も遠くなっている 2
視力、聴力が明らかに低下し、何にでも鼻をもっていく 3
聴力がほとんど消失し、臭いを異常に、かつ頻繁に嗅ぐ 4
臭覚のみが異常に過敏になっている 6










 

7.姿勢

正常 1
尾と頭部が下がっているが、ほぼ正常な起立姿勢をとることができる 2
尾と頭部が下がっているが、起立姿勢をとれるがアンバランスでふらふらする 3
持続的にぼーっと起立していることがある 5
異常な姿勢で寝ていることがある 7











8.鳴き声

正常 1
鳴き声が単調になる 3
鳴き声が単調で、大きな声を出す 7
真夜中から明け方の定まった時間に突然鳴き出すがある程度制止可能 8
(4)と同様であたかも何かがいるように鳴きだし全く制止できない 17











9.感情表出

正常 1
他人及び動物に対して、何となく反応が鈍い 3
他人及び動物に対して、反応しない 5
(3)の状態で飼い主のみにかろうじて反応を示す 10
(3)の状態で飼い主のみにも、まったく反応しない 15









10.習慣行動

正常 1
学習した行動あるいは習慣行動が一過性に消失する 3
学習した行動あるいは習慣行動が部分的に持続消失している 6
学習した行動あるいは習慣行動が部分的に殆ど消失している 10
学習した行動あるいは習慣行動が部分的に全て消失している 12

 













 (MEリサーチセンター 内野富弥 獣医学博士 発表)

 

 

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臨床獣医学フォーラム・レポート

if--もしも愛犬が痴呆になったら

高齢化する犬たちの今後を考えるとき
避けて通れないのが「痴呆犬のケア」をどうするか




あなたの愛犬が、もし痴呆になったら?
ふだんはなかなか考えてもみないテーマですよね。かくいうわたしも、うちのアッシュやハービーが老犬になってぼけて、わたしの顔すらわからなくなったときのことなど想像もできませんでした。だけど、犬の寿命は1年が人間の4年ぶん。9歳のアッシュはすでに50代をとうに越えている勘定になります。
けして避けては通れない話なんです。そこで今回は、日本臨床獣医学フォーラムの年次大会で動物エムイーリサーチセンターの内野富弥先生が講義をされた「老齢動物の看護---特に痴呆犬の日常管理について」の中から、そのハイライトをご紹介することにしましょう。

内野先生によれば、痴呆になるもっとも多い犬種は柴犬。つぎが日本犬の雑種とのことで、洋犬は比較的少ないようでした(だけど残念ながらまったくないわけではありません)。老齢犬の治療とケアを専門的に行ってこられた先生の話では、犬の高齢化とともに痴呆は徐々に増えてきており、その数は90年代の終わりから飛躍的に伸びてきているそうです。そしてまた、高齢犬の飼い主には高齢者の方が多く、そのケアにかかる負担はハンパではありません。だからこそ、少し早すぎるかなというぐらい早めの心構えや対応が必要というわけです。


痴呆の犬の「特徴」はつぎのとおり。
1 単調な声で吠える
抑揚のない鳴き方は人間にはかなり耳障り周辺から苦情が出る
2 前にのみトボトボと歩く
バックできる犬はまだまだ大丈夫、バックは高度な行動
3 狭い場所に入りたがる
壁の隙間や廊下の隅、机の下などにもぐりこみ出られなくなる
4 同じ場所で旋回する
グルグルまわる、ただし左回りは脳腫瘍の疑いが濃い
5 異常な姿勢で寝る
ひっくり返ってアタマを下にして寝たりする、かなり無理な姿勢
6 自分の名前も飼い主の顔もわからない
呼ばれても無反応、飼い主が来ても喜ばない
7 よく寝て、よく食べる
ただし食べてもやせてくる、下痢もしない(自律神経が異常)
8 夜中に起き出して吠える
飼い主が何をしても制止できない
9 直角のコーナーで方向転換ができない
首をちょっと曲げるだけの動作ができなくなる


これらのほか、犬に特有なゆたかな感情表現もまったく見られなくなるそうです。そして「習得してきたことの消失」、つまりそれまでに教えてきたしつけやコマンドはすべてきれいに忘れ去ってしまうわけです。しかしながら、その半面、人間の場合にはけっこう深刻な垂れ流しはほとんどないとか。
内野先生によれば、野生に近い動物である犬には、外敵から身を守るためニオイを残さないのと、自分の寝床は汚したくないという本能だけは残るということでした。あと、目や耳がきかなくなっても、嗅覚だけは最後まで生きているケースが多いそうです。

それでは、こうした痴呆の症状が出てきたらどうするか?
それについてはつぎのようなポイントがあげられていました。


1 多臓器疾患をチェック
肝・腎・甲状腺の病気、関節炎、ガンを併発していることがある
2 栄養失調をふせぐ
食べているようで飲み込んでいないケースがある
3 散歩に出してあげる
散歩ができればより長生きできる、草の中などを歩くと刺激になる
4 日光浴させる
生体時計を活性化する、ただし夏の日中の散歩は逆効果、寒さにも注意
5 室温を調整する
冬は人が暑いと感じるぐらいの温度(26〜27c)に設定
6 スキンシップを大切に
頭から顔、首、背中とさわる手順を同じに
7 同じ人が管理する
いつも同じ飼い主が管理する、別の人がやるときは同じ手順で
8 犬との接触もこれまでどおりに
ぼけた犬に攻撃性はない、攻撃性があれば痴呆ではない
9 入院させない
場所替えしない、悪化するだけ、自宅でケアするのが一番
10 特製のケージをつくってあげる
コーナーのないケージで介護を(イラスト参照)
11 嫌がることをしない
無理に押さえつけたりすると暴れて事故のもとになる
12 床ずれは早めに処置する
寝たきりになると床ずれができる、ひどくなると死に至ることも


痴呆を治すクスリはありません。コントロールするだけだそうです。しかし近年、多くの研究により、EPA、DHAなどの不飽和脂肪酸が人間のアルツハイマーには有効なことがわかってきました。
それは犬でも同じだそうです。しかし内野先生いわく、ドッグフードにはEPAやDHAが入ってないものが多い(ドッグフードの主原料はなんといってもお肉ですから)。かつては柴犬をはじめ日本の犬たちは、人間の余り物を食べて生きていましたが、その中にはけっこう煮干しなど魚類が入っていた。日本の犬たちは知らず知らずのうちにEPA、DHAをちゃんと摂取していたというわけです。
ところが人間の残飯からドッグフードに切り替わったあたりから、お肉中心の生活になり、それに合わせて痴呆も少しずつ始まった。だからもう一度、EPAやDHAを積極的に与えることが、痴呆の進行を止めボケ防止にもなるということです。

内野先生は、「メイベット」(明治製菓)という不飽和脂肪酸のサプリメントを使って、夜鳴きがなくなる、顔に表情が戻ったなどの成果を得たと報告されていました。本当ならぜひ試してみたいものです。

やがてきっとくるその日のために、わたしたち飼い主ができること。それは、何があってもあわてず動じず、事実を事実として受け止めてしっかり対応すること。そのためには、こうした予備知識をふだんから仕入れて、転ばぬ先の杖を持っておくことだと思いました。それが、たくさんの深い愛情をくれた愛犬への恩返しなんですものね。

 

 

吠え癖

吠え癖

 

吠え癖が強くて困っているときには、吠えているときに犬にとっての報酬が与えられており、その行動が強化されていることが多いです。


 まずは
なにが犬にとっての報酬なのかを考える必要があります。鳴いたときに散歩に連れて行ったりゴハンを与えたりするのは禁物です。それは犬の命令に人間が従っているということであり、もっと吠えろというトレーニングを毎日しているようなものです。場合によっては郵便配達の人が門の前に来て、ワンワンと吠えたら去っていくという状況では、犬が「怪しいやつを追い払った」と思っている可能性もあります。


 まず報酬を突き止め、吠えているときにその報酬が与えられないようにします。家族の人が吠えているときにご褒美をあげていることが最も多いので気をつけましょう。人間がリーダーだと分かっていないことも多いので、リーダーシップの再確認をする必要もあります。


 その上で
人間の命令に従ったときに、ご褒美として報酬がもらえるという風に改善する必要があります。ワンワン要求しているときにゴハンを与えるのではなく、お座りをさせ、一旦鳴きやんでからゴハンを与えるなどです。それが人間が主導権を取っているということであり、犬の順位は人間より下でなければなりません。

 

 


 普段から気づかないうちに行動を強化してしまっているということが多いので、家族でよく考えて犬に対する接し方を改善するようにしてください。

 

 

「ペットの病気大百科」もぜひご覧下さい。

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Jan 03, 2006
攻撃行動

犬学入門 その2 【攻撃行動】

  • 犬が怖がっているときにでる行動であり、恐怖のシグナルを出しているときに追いつめると恐怖による攻撃行動を示すこともあります。
     支配性行動と違い、犬は耳や尾を垂れ、姿勢を低くし、ときにふるえています。うなり声による威嚇も見られます。
     咬んできたときに怒ることは逆効果なので止めてください。犬に不安感を与え、恐怖心をさらに強めてしまいます。
     犬が恐怖を感じないような環境を作ることが重要です。「前から近づく、上から手をかぶせる、目を正面から見つめる」など、犬に威圧されていると映る行動は避けてください。犬に接するときには優しく声をかけながら触るようにし、「近づくときはカーブを描くように体の横・後ろを向けながら、手は下から差しのばす、目はじっと見ない」という風に接してください。
     犬に自信を持たせることが大切ですので、「持ってこい」などを教えて、自信を与えることと同時に飼い主さんとの心の絆を育んでいってください。失敗させてそれを叱るのでなく、成功させてそれを褒めるということが重要です。
  • 人を咬む癖は飼い主や周囲の人にとって危険であり、時として飼育を不可能にしてしまうこともある重大な問題行動です。一口に咬むと言っても原因がいくつかあり、原因ごとに対処方法はまるきり違います。間違った対処をするとさらに問題行動が悪化する可能性がありますので、まずなぜ咬むのかをはっきりさせる必要があります.

 

  • 優位性攻撃
     
    自分は偉いと思っている犬に対して、その優位を脅かす行為を人間が取ったときに起こります。いわゆるアルファシンドロームです。人と犬の上下関係をうまく築けなかったために人間がなめられているのが原因です。人間はリーダーではなく召し使いとして認識されています。
  • 恐れによる攻撃
     恐怖の感情により攻撃を行うもので、
    恐怖の対象から逃げられなくて追いつめられた時に起こります。幼犬時の不適切な社会化と罰が原因のことが多いです。この攻撃が見られる犬に罰を与えると状態は悪化します。また、怖がっているときに飼い主がなだめると反応強化の褒美となることがあります。通常攻撃とともに恐れのシグナルが見られます。
  • 学習による攻撃
     
    人間を咬むことは楽しくていいことだと学習するものでいわゆる「じゃれがみ」がこれに当たります。手を咬ませて遊んでいたり、興奮させていたりすると犬は噛むと楽しいと学習し咬む行動はエスカレートしていきます。
     まず家族の人みんながきちんと状況を把握し、犬に対する接し方をあらためる必要があります。咬まれたら「痛い!」と言ってその場を去るなりし、犬に構わないようにします。咬むことにより人の注意を引くことができるのが一番のご褒美なので、咬んだときには一切無視して「咬むと構ってもらえない」と犬に感じさせる必要があります。犬に道徳心を求めても無意味です。
     おりこうさんにしているときに構ってもらえるという風に統一してください。
     この問題行動において犬は悪くありません。一番の問題点は飼い主の接し方です。
  • 占有性攻撃
     
    犬が自分のものだと思っているものを取ろうとした時に起こるもので、自分より上位と認めている人間にも抵抗することがあります。渡さない時は罰を与えるより、一旦無視する方がいいでしょう。そういう状況を作り出さない方が一番なので、魅力的なおもちゃは隠したり、場合により嫌な味をつけたり音の出る仕掛けを使ったりすることも効果的かも知れません。「座れ/伏せー待て」などの服従訓練のし直しはしておいた方がいいでしょう。固執の弱いおもちゃをくわえさせた上でドライフードを1粒与え、おもちゃを離したら合令をかけ、褒めるといいでしょう。優位性や恐れなど、別の要因がないか注意しないといけません。
  • 縄張り/保護性
     
    群を守ろうという意識から起こっているもので、群のメンバー以外が対象となります。群を守ろうということ自体は悪いことではありませんが、対象が間違っているということとリーダーをさしおいて犬が行うということが問題です。威嚇行動が明瞭に見られ、雌雄関係なく起こります。不適当な報酬により行動が強化されていないか注意する必要があります。服従訓練をし直し、反対条件付け・系統的脱感作により治療します。罰は用いてはいけません。吠えられる人が近づいてきてもおとなしくできるようにし、最終的にはその人からおやつをもらえるようにします。
  • 雄同士の攻撃
     他の雄犬に対してされるもので、
    お互いの支配性欲求が高く、順位がきちんと決まっていないときによく起こります。雄性ホルモンの影響が大きいです。ケンカしているときに手を出すと飼い主が咬まれることがあるので注意が必要です。大きな音をさせ一旦気を逸らす事が役に立つかも知れません。威嚇が明瞭です。きちんと順位が決まればそれ以後はしないのが普通です。ただし、飼い主と一緒にいると「虎の威を借る」ことにより、自分より強そうな相手に向かっていくこともあります。
    去勢すると攻撃行動が減少することが期待できます。
  • 補食性攻撃
    相手を食べるためにおそうものです。威嚇行動は見られず、また手加減はしないためダメージは大きいです。対象の嫌悪や服従訓練のし直しをしますが、本能的な行動と結びついているため治療や予防は困難です。特に子どもが対象となったときには悲惨な結果となることがあるため飼育は困難かも知れません。
  • 突発性攻撃
     イングリッシュスプリンガースパニエルで起こるもので、
    脳の発作と関連していると言われています。急に空中を見上げた後、豹変したように周囲の人間に襲いかかり、発作が終わるときょとんとしておどおどしているとのことです。発症の時期予測や治療は不可能です。手加減は一切しないで攻撃するため、咬まれたダメージは深刻なものとなります。
    ぼーっとし始めたら周りの人間が避難するしかないようです。

  • 攻撃性                               支配欲による攻撃性は青年期初期によく見られます。
    雌より雄の方が多いのですが、所有欲による攻撃性は性別を問わず子犬にも成犬にも見られます。
    支配欲による攻撃性を見せる犬は、子犬時代から所有欲が強いことが知られていますが、子犬が所有欲が強いからと言って、その犬が必ずしも攻撃的になるわけではありません。
    犬用のガムを取ろうとした時に犬が唸ったり、歯を剥き出したりしたら、他の攻撃的な行為と同様、所有欲による攻撃性は噛み付きへと発展する可能性があるため、そうした行為は悪いことであると子犬に教えましょう。

 

  • 効果的な方法として、子犬が持っているこのを落とすように命令することがあります。
    最初は、棒のようにあまり面白くないものから始めて、落としたらご褒美をあげます。
    攻撃性を防ぐ良い方法でもありますので、事前に行っても効果があります。
    おもちゃを噛んで遊んでいる時に唸ったり、噛み付いたりする犬は、人が近くにいる時はおもちゃを与えないようにしましょう。

 

  • 飼い主家族に攻撃的                                    一番の理由は、支配の指令系統に関するものです。
    これはリーダーの地位争いのようなものではありません。
    支配欲に基づく攻撃性は、犬に対して主導権を示すことでは、必ずしも抑えられず、むしろ状況が悪化する場合もあります。
    支配欲が強い犬の飼い主は、犬がさらに噛み付く可能性があるので、お仕置きなどは避けなければなりません。
    支配欲に基づく攻撃性は遺伝子に組み込まれていると考えられており、多くは1〜4歳の若い犬に現れます。
    親や同腹子のような血縁の中に飼い主を威嚇する犬がいた場合、その系列の犬は同じような行動をとる可能性が非常に高くなります。

 

  • 来客を噛む                                               一般的に犬は縄張りの防衛、社会的支配心や恐怖感などから人間を威嚇します。
    見知らぬ人が噛み付かれた場合、おそらく縄張りを守るためで、そこに恐怖心が伴うこともあります。
    飼い主が番犬としての役割を期待するあまり、無意識に見知らぬ人に対する攻撃性を助長する場合もあります。
    長時間外にひとりでいる犬は、見知らぬ人への攻撃性を強める傾向があります。
    これは通行人や配達人の出入りを一日中見ている犬のストレスが溜まっているからです。
    また、縄張り意識からくる攻撃性は、重大な問題になります。
    特に吠えるより、噛む方が得意な犬の場合、問題を起こさないために来客中は犬をひもでつないで制御したり、目が届かない時は塀で囲まれた屋外に出さないようにしましょう。
    対応策としては服従訓練の復習や、来客があるとおやつが食べられるなどの良い事を連想させる訓練などを行います。

 

  • 他の犬を攻撃する                                                 一般的に同性を攻撃します。
    雄犬は雄を、雌犬は雌を攻撃します。
    時には雌が雄を攻撃しますが、雄が雌を攻撃することは、めったにありません。
    攻撃的になる理由としては、支配関係(多頭飼いの場合はほとんどこれです)、恐怖、縄張り防衛、痛み、学習した行動、そしてそのいずれかの組み合わせです。
    それまで仲が良かった犬同士が突然、あるいは絶えず喧嘩することはあまりありません。
    これは、同じ家にいる若い犬の成熟度に関係していることもあります。
    通常、犬は1〜3歳になると成犬の行動をとるようになります。

 

  • 犬の喧嘩への介入の際に最も重要なのは、喧嘩の仲裁に入る人間に怪我を負わせないことです。
    飼い主が家にいる時も、犬に常に首輪やひもを付けておき、犬同士だけの場合はクレートに入れたり、柵などで遮って互いを引き離します。
    互いの姿が見えている方が、今後一緒にする時のことを考えると良いでしょう。
  • 喧嘩を止めさせる際は手足などを入れずに、ひもやホウキなどを使って犬同士を静かに引き離しましょう。
    興奮した挨拶や飼い主の関心を争うなどの喧嘩になりそうな状況を事前に見極め、避けることも重要です。
    外から帰宅した飼い主は、2匹とも落ち着くまで、どちらも無視しましょう。
  • 縄張りの主張、食器、飼い主のひざの上などから離れて、散歩に出るのも良い方法です。
    統制をとるには、1匹ずつ別々に簡単な命令を与えます。
    食べ物やおもちゃなど、犬が喜ぶものを与える前にお座りや伏せをさせて、どちらの犬も平等に扱うことで飼い主が「群れ」を支配できます。
    リードや一時的な口輪などの道具を使えば、犬は喧嘩が起きそうな状況に対して鈍感になります。

これらの記事は多くの皆さんから頂いたものを「ぺっぱら編集室」が再編集を行なってます。ご了承下さい。

 

 

アルファシンドローム

犬学入門 1 【アルファシンドローム】

 

  • 家族の中で、犬が自分が一番偉く、自分以外の人は自分以下であると勘違いしている状態のことです。アルファとは犬の順位社会の中の頂点の個体のことです。 犬は序列社会を作って生きる動物です。人間社会で犬を飼う場合、人間が上位で犬はその下位となっていなければなりませんが、人間がリーダーにふさわしくない行動を取っていたり、犬の命令に人間が反応していたりしてその順位があべこべになると、犬は勘違いし自分の優位を示すようになります。

     犬は自分が優位であるというシグナルとともに、攻撃前には威嚇をします。自分に対する自信がありますので耳や尾はピンと立ち、歯を向いてうなり声をあげます。恐怖から攻撃する場合には耳は伏せ尾は垂れています。犬に対して人間が優位の行動、例えば好きなものを取り上げたり、好きな場所からどかせる、体を触る、目線を合わせるなどの行動を取るとうなったり噛まれたりします。犬の中では人間は召し使いか下っ端にすぎず、噛むことは身の程知らずな下位の個体への制裁ととらえています。
     飼育を通じて人間のリーダーシップを確立できなかったことに問題の根本があります。アルファシンドロームに陥った家庭では、犬に主導権を許していたり、犬の要求に対して人間が従っています。鳴いたらゴハンをあげる、うなったらゴメンヨと言ってものを譲るなどです。

    権威症候群の例と犬の心理 (ペット塾より)

    ●散歩等に連れて行く時に、いつも先頭に立って行きたい方向に犬が引っ張って行く。
    (犬がリーダーとしての意識を強く発揮した主導的行動)
    ●散歩で他の犬と擦れ違う時に、吠えたり攻撃的行動をとる犬。
    (犬が群れの移動時にする防衛で、リーダーとして権勢を張る保護者的な心理)
    ●連れ出すとリードをくわえる、飼い主にじゃれて噛んだり、飛び付いたりする。
    (顕著な犬の支配的行動で、飼い主をなめている)
    ●よく吠えて、飼い主の抑制を無視する犬
    (犬が家庭内で主導権を持って、支配性を自覚している)
    ●飛び付く犬
    (飼い主を自分と同位か下位と順位付けた、支配意識行動)
    ●自分のモノを取られまいとして、飼い主を威嚇する犬
    (犬が優位性を意識して、堅守本能を発揮している)
    ●飼い主の足を抱え、腰を使う犬
    (犬が支配を誇示している遊戯行動)
    ●飼い主に尿をかける
    (犬が飼い主を自己所属として匂い付けする行動)
    ●飼い主の手をじゃれて噛む犬
    (優位性を顕示する行動。強い態度で制止する必要あり)
    ●呼んでも来ない、命令しても知らんふりをする。
    (リーダー願望が強くて服従性が無い為に、自我が強く従わない)
    ●食事中に人が側に居ると威嚇する犬
    (優位の犬が下位の者に対して、威嚇を誇示する行動 
    ●自己主張が強く、強情を張る、散歩途中で動かない犬
    (飼い主が犬の言いなりになってきた結果、リーダー願望が強化された典型的なタイプ)
    ●排尿、排便後、地面をひっかく犬。
    (自分の縄張りを誇示し主張する行動。気性の強い生意気な犬がいる)
    ●人の肩の上にのしかかり、威圧的行動をとる犬
    (既にリーダーになっていて、人に挑戦する行動で、逆らうと瞬時に攻撃してくる)
    ●布団やソファーの上に乗り、人が退かせようとすると威嚇する犬
    (最高の居場所を提供されている。リーダーとしての地位を獲得したつもり)

     
    リーダーシップの再確立が必要ですが、急な改善をしようとするのは無理です。犬は人間を支配していると思っており、人間が優位を示そうとすることは自分の地位への挑戦と受け取ります。急に犬の地位を落とそうとすると、自分の地位を確立させようとする犬によって、飼い主さんがひどいけがを負わされる可能性が非常に高いです。

     ま
    ずは一旦いっさい犬にかまわない・声もかけないようにして犬が得られる愛情や社会的なつながりを遮断します。そして犬の優位なシグナルを無視し、そういう行動を示した場合に報酬を与えません。犬の主導権を認めない、犬の要求に従わないと言うことから始める必要があります。
     
    そうして次に、自分が人間よりも下だと感じる状況を作ります。人間よりも後にゴハンを食べる、居場所は人間よりも下の位置などです。好みのもの・場所はそっとどけておいてください。

     その後、簡単な号令など、人間の言うことに従ったときだけ、ゴハンや愛情が得られるようにします。うなったりしたら声もかけず動じずにそのままその場を去ってください。ただし、犬が「追い払った」と感じないことが重要です。威嚇しているのに人間が動じないと感じることが大切です。犬は社会性の強い動物なので、群れから疎外されることは一番辛いことです。犬は群れの中にいたいという本能がありますので、愛情が得られる状況を限定し、人に従っているときだけ愛情が得られ、自分が主張しても無視されるということを家族の中で守る必要があります。

     人間が主導権をもって犬に接することができるようになったら、ずっとそれを継続してください。以後も散歩などの時に先に行かせない、犬が命令や威嚇をしても一切無視し、一旦間をあける、なにかを与えるときはまず命令を聞いた後に、など普段の生活の中から注意してください。犬は誰が一番偉いかをずっと考えながら生活しています。人間がリーダーにふさわしくないと判断されると、犬はまたより上位になろうとしますのでご注意下さい。