花子を火葬した。
小さく冷たくなってしまった体に
そっとシーツをかけ、胸に花をのせ祈った
どうぞ、道に迷わず橋を渡れますようにと・・・
セレモニー会社の方が点火した
一時間くらいですと教えてくれた
待っている間思い出していた初めてあったときの事を。
この中から選ぶの?
第一声だった。父の知り合いの家で生まれた猫をもらうことになっていた。
あまりにもやせて、鼻水をたらして、不細工で、しっぽは曲がっていて、しかも女の子
選びようのない所に来て、なぜこの一番ひどいのをもらったのか家に帰ってから怒られたのを覚えている。
貰い手がつかない場合は保健所に持っていく。そんな身勝手な言葉が頭から離れず、一番残りそうなのを選んだ。
あれから20年・・・
一時間もしないうちに声がかかり、骨を拾った。小さく粉々になった骨を拾い、とてつもなく無力な自分に腹が立った。
ただ見送ることしか出来なかった自分に。もし、これがラルとリバならどうしたか?もっと努力したのではないか?これがテディーなら、ただ見送ることなんて、出来なかったのではないのか?助ける方法はないか、もがいたのではないか?と・・・
家に戻り、沈んでいる私を元気付け、勇気付けてくれたのはラルとリバ。変わらずにそばにいて、変わらずに信じきった目で私を見る。ありがとう。がんばるね。ただ、もう少し待ってて。ひと月の間に二人もいなくなった悲しみが癒えるには時間がかかるから。お散歩に行こうね。ボール投げしよう。気分転換にね