夏の日の午後。
陽が傾き、山がいつものように夜を迎える準備をしているころ
確実に距離が縮まったてきた彼女たちを傍目に
ある場所へと赴いた。
夏。
熱い夏。
さて、ここは何処なのだろうか。
夏。
熱い夏。
あるフレーズ。
「踊るアホウに見るアホウ。同じアホなら踊らにゃ損損」
彼女たちはこの言葉を何度も繰り返しながら踊る。
そう、ここは徳島。阿波踊り。
夏。
熱い夏。
踊る。
踊る。
踊る。
女が踊る。
男も踊る。
アサヒ・スーパードライ・キャンペンガールも踊る。
豆も踊る。
踊り、踊り、踊り続けるのだ。
夏。
熱い夏。
さて、彼女は聞き逃さなかった。
確かに踊りに酔いしれながら、美味いビールにも酔いしれていた。
しかし、聞き逃さなかった。
隣に立つ彼が呟いた。
「女の人が笠を被って顔があまり見えないことが、これまたイイやん。」
夫よ。
何も言うまい。
それも、また阿波踊りの魅力なのか。
興奮冷めやらない状態で帰宅。
彼女たちの距離は、いつの間にか無くなっていた。
夫よ、夫。
彼女たちもまた、魅力的な女性であろう。
もっと大胆に迫ってみてはどうだろう。
夏。
熱い夏。
明日は、いったいどんな夏になるのだろう。