たまたま嫁の休みと重なったので、娘が学校に行くと同時に二人で家を飛び出す。
車の中での二人は不安と期待で自然と言葉が少なかった。
昨日から降り続く雨は、風と共に容赦なく窓を打ち付けている。
まるで台風のようだ。
到着した先は運送会社の配車センター。
あまりにも雨と風が強いので嫁は車の中で待っている。
受付に入ると朝早い為か人々は忙しく働いていた。
しばらく無言で立っていると、忙しく動いていた一人の足が止る。
こちらに来たので名前と要件を伝えた。
「しばらくお待ち下さい」の言葉から数分が立つ。
受付から数メートル先の窓の外にその人の姿が見えた。
まだ暫くかかるのだろうか・・・
受付の外に出て、雨風を凌ぎながらタバコに火を点ける。
今日は今年一番の寒さではないだろうか・・・
タバコの火が消えても、受け付けてくれた人の姿は現れなかった。
窓の外にその人の姿が映ったが要件は済んでいないようだ。
違う人物が現れ、その人と会話をしている姿が見えた。
二人は別の場所に移動し、その後こちらに向かって歩いてきた。
手には黄色いバスケットが持たれている。
とうとう、この日がやって来た・・・
思えば一年以上も前から思い続けてきた事だ。
これまで色々な事があったし、苦労もしてきた。
それが、今・・・
Dreams come true
生まれてすぐの長旅で怖かっただろう。
受け取ってから車でしばらく走るまでは震えて無言だった。
嫁の膝に抱かれて少し温まったのだろう、かすかな声を上げ始めた。
家に着いてからすぐに、お腹がすいただろうとフードをお湯でふやかして与えると、
あっというまにキレイにたいらげてしまった。
やはりこの子は家に来るために生まれたのだろうか?
まるで生まれてから今日まで家にいたように、慣れて身を任せてくれる。
しばらく遊んで疲れたのか、程なくして静かな寝息を立てていた。
いよいよ今日から犬のいる生活が始まった。
まだ小さいのでもう少し先になるが、Dogwalk(犬の散歩)まであと少し。
余談:
え!?仕事?
当然サボりました(^^;