ど平日の休日、3時過ぎに2度寝から目覚め、いつもの予約の取れない美容院にカットしに出かけた。
前回、プリケツ店長にとてもカッコ良くしてもらった事もあって、今回は楽しみながらの入店であった。
前回、店のいたるところに掲げられていた、カットモデルを切るプリケツショーのポスターが、ホストクラブの如く、どデカくど派手な看板となって設置されていた。
美容院と言うより、ごく限られたマニアを呼び込む風俗の看板のようであった。初めて目にする人なら入店をためらう要因になりかねないが、名店は見かけによらないものである。
店に入るといつもの比べ静かであった。奥の方で女性の髪をカットするプリケツを確認、シャンプーをした後、プリケツ待ち、しばらくしてやって来たプリケツは店長では無かった…。
顔、後姿とスタイルは極似で、もしかして親族かもだが、テンションローで無愛想であった。
基本僕は初めてのスタイリストは全てお任せであるが、前回の髪型がとてもお気に入りなんで、前回のようにと申し上げ、mihimaru GTの男の方みたくと伝えるも「知りません」と返された。
まあ、話を合わして知ったかし、控え室でバッチリ確認する店長に比べ、マジメで正直者と言った印象であった。
若い見習いがCDを持ってきて説明、ジャケットを確認後「出来ません」と拒否される…。理由を聞くと後頭部の毛が短いとの事、そのジャケット通りでなくアレンジをと訴えるとシブシブ切りはじめた。
その後彼はジャケットを何度もチラ見しながら無言で切り続けた。あれだけウザかった店長の無駄口が妙に恋しくなり、ロボットのようにひたすら切り続ける彼につまらんものを感じた。
完成の後の一言も「この歌手のようには出来ませんでした、もう少し後ろ髪が伸びてると」と後味の悪い一言でしめられた。
完成した髪形は動きのあるモヒカンで、出来栄えは良かった。ジャケットを僕は見ていないが忠実に再現したのであろう。技術は申し分ないが何かが足りない感の方が多かった。
静まりかえる店内に、物思いにふけるひと時であった。ずっとそこにあればウザく当たり前、そこになければ寂しいなんて虫がいい話かもだが正直そんなところである。
美容院は髪を切ってスッキリするだけじゃなく、ゆっくりとリフレッシュする時間でもあり、無駄口もけっこう無駄じゃないものであると思い知らされた。
そして、いないと本当に人の価値がわかると思った。凱旋後大喜びでお出迎えのナッティは、お留守番時に僕の価値を見出してるのであろうか。
飼い犬は一生自立しない。生涯飼い主の助けが必必要である。髪型など容姿の変化はわからないかもだが、おしゃれに気を使いつつ、僕の好感度と存在価値を上げて行くとしよう。