さかのぼる事先週の土曜日、天王寺で会社関係の送別会であった。が、しかし送別を惜しむ気持ちは薄く、自身の合格に浮かれる気持ちでいっぱい×いっぱいであった。
話題的にも試験の話が飛び交い、影の主役であった。お酌と返杯の次々とくり返され、気分良く宴を楽しんだ。
わが支店初、我が社最速で合格した僕は、勝ち組と持ちアゲられるも、人生はまだまだこれからだし、少年時代の連敗記録からいって大してそうでもなかろうもんである。
宴のあと宗右衛門町のエロ街にあるお茶漬け屋に移動、しかし、のり茶漬けが1100円とはおそろしい物価である。
そして先輩方はネオン街に消え、僕はヨーロッパ通りで毎週末豪遊している貴族のキーンと合流した。
以前アメ村でごひいきにしていたワインバーが、場所を変え営業しており、再会と合格のルネッサンスをくり返した。泥酔でおぼえてないが、相手を選ばず自慢話に花を咲かせた。
思いかえせばキーンが資格試験に合格したその日、高校の授業をサボって府庁へと駆けつけた。自分の事ののようにハシャギ、不謹慎に写真をとりまくったものである。
今だから言う、彼の喜びを完全に理解したのはこの日であろう。先にこの喜びを実感したキーンは、明け方までグラスを放さなかった。
僕は飲みすぎと寝不足と疲れでちどりちどりあったが、何とか凱旋できた。人間の帰巣本能もなかなかである。
さて、現実はすぐに訪れるもので、大きな壁をぶち壊した向こうにはまた別の壁が現れるのが人生で、なにわの事も夢のまた夢である。
いい夢は二度寝してまでも見たいものである。どこかで自慢話を広めるとしよう。