|
母のメモ “収縮機能と拡張機能”
らいすの心臓の状態を把握するための、母の自習。
心不全には、収縮機能障害と拡張機能障害がある。
収縮不全： Systolic Heart Failure
拡張不全： Diastolic Heart Failure
◆左室収縮機能をみるには・・・
《母のメモ》
心エコー検査の結果において、LVIDd と LVIDs が分かれば、
計算式からおおよその収縮機能を知ることができるらしい。
◇心エコー検査の用語
LVIDd ：左室拡張末期径
left ventricular internal dimension in diastole
LVIDs ：左室収縮末期径
left ventricular internal dimension in systole
LVEDV ：左室拡張末期容積
left ventricular end-diastolic volume
LVESV ：左室収縮末期容積
left ventricular end-systolic volume
SV ：1回拍出量 stroke volume
CO ：心拍出量 cardiac output
EF ：左室駆出分画 ejection fraction
%FS ：左室内径短縮率 percent fractional shortening
◇計算式いろいろ
LVEDV ＝ 7.0 ÷ ( 2.4 + LVIDd ) × ( LVIDd の3乗 )
LVESV ＝ 7.0 ÷ ( 2.4 + LVIDs ) × ( LVIDs の3乗 )
SV ＝ LVEDV − LVESV
EF ＝ SV ÷ LVEDV × 100(%) ＝ ( LVEDV − LVESV ) ÷ LVEDV × 100(%)
%FS ＝ ( LVIDd − LVIDs ) ÷ LVIDd × 100(%)
◆左室拡張機能をみるには・・・
《母のメモ》
心エコー検査の結果のE波・A波、そしてE波とA波の比(E/A)から、
おおよその拡張機能を知ることができるらしい。
E波 ：左室急速流入血流速度波形 early diastolic filling velocity
拡張早期左室弛緩
A波 ：心房収縮期流入血流速度波形 atrial filling velocity
拡張後期心房収縮
拡張機能正常：E波＞A波 ＆ E/A＞1.0
《母のハテナ》
・イヌのE/Aは、1.1 〜 1.7 くらいが正常範囲？
・イヌも、年齢・心拍数・房室伝導・呼吸状態の影響を受ける？
・拡張不全（ diastolic heart failure ）とNT-proBNP濃度は相関する？
《母の追加メモ》
病気の進行により、E/Aは「偽正常化」するタイミングがあるらしい。
拡張機能を正しく把握するためには、他の項目も合わせて判断する。
・左室の等容弛緩時間 isovolumic relaxation time (IRT)
・E波の減速時間 deceleration time (DT)
・肺静脈血流波形 pulmonary venous flow velocity pattern
などなど。
◆収縮機能と拡張機能を総合的に評価する指標としては・・・
Tei index Total Ejetion Isovolume Index
Evaluation of left ventricular Tei index (index of myocardial performance)
in healthy dogs and dogs with mitral regurgitation.
→ ttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17339754
Evaluation of right ventricular Tei index (index of myocardial performance)
in healthy dogs and dogs with tricuspid regurgitation.
→ ttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17213699
ついでに・・・
◆肺高血圧の評価
ベルヌーイの式：
圧較差＝4 × ( V2の2乗 − V1の2乗 )
簡易ベルヌーイの式：
圧較差＝4 × Vの2乗
収縮期肺動脈圧(mmHg)＝収縮期右室圧＝右房右室圧較差＋右房圧（約5〜10mmHg）
つまり、
収縮期肺動脈圧(mmHg)＝収縮期右室圧＝4×三尖弁逆流血流速度2乗＋5〜10mmHg
例：TR流速が2.5m/秒の場合
圧較差＝4×2.5×2.5＝25mmHg、右房圧(5〜10mmHg）を加算して、
推定収縮期肺動脈圧＝30〜35mmHg
|
Posted by rice | 18:50:00, May 10, 2010 | TrackBack:x | Comments:x |
