きゃばらいす:母のメモ　“肺高血圧症の診断と治療”

January, 2016

PROFILE

らいす

【犬種】キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル　Cavalier King Charles Spaniel　【生年月日】1997年 4月30日生まれ、丑年、牡牛座　【没年月日】2011年11月18日　【没年齢】14歳 6ヶ月20日　【性別】女の子　【性格】おっとり、のんびり、おとなしい。裏を返せば、こわがり、おまぬけ、さみしがり。　【特技】噛まずに丸呑み、ゆえに早食い。　【特徴】いつまでも童顔…。　【通称】ネコイヌ（イタチイヌ）　【愛称】らいちゅ、おこめちゃん、およねばあ、あまちゃん、ひめた、りも、などなど。　　　　　　　********************

らいすの助っ人

2005年 6月27日から僧帽弁閉鎖不全症のお薬とお付き合いを始めました。　ACEIベナゼプリルは 6年 4ヶ月23日間、ピモベンダン＆硝酸イソソルビドは 4年 0ヶ月18日間服用しました。　2011年11月18日、助っ人の役目を終えました。　　　　　　　　　********************

らいす母

【略称】母、米母、おかあちゃま。【性格】のんきだけど、あわてんぼうでおっちょこちょい。心配性。極めて不器用。【特徴】らいす溺愛の超親バカ、試したがりの実験好き、知りたがりの質問魔。らいすの健康管理がライフワークです。　　　　　　　　　　　　　　　　http://twitter.com/ricehaha　http://twitter.com/cavarice　********************

ぶちゃいく・しもぶくれーず

きゃばらいす別館。らいすのぶちゃいく顔・しもぶくれ顔を集めた写真館です。このところ更新を怠ってます。。。　　　　　　　　　　　　　　　　　　http://rice.a-thera.jp/　********************

らいす＆らいす母

みなさん、長い間、応援してくださって、ありがとうございました。　2011年11月18日、らいすは、先に虹の橋へ行き、後から来る母を待つことになりました。

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母のメモ　“肺高血圧症の診断と治療”

右心室と右心房の間にあるのが、三尖弁。
三尖弁閉鎖不全の重症度は、三尖弁の逆流の速度（TR流速）で見る。

僧帽弁閉鎖不全が原因で、
左心房→肺静脈→肺→肺動脈→右心室→右心房→・・・と、
血液の渋滞がどんどん広がる。
ゆえに、左心不全により肺静脈圧の上昇が起こると、肺動脈圧も上昇する、
と考えられる。

　　　　（参照記事：『 母のメモ　“僧帽弁閉鎖不全症と肺高血圧症” 』　）

肺動脈圧の上昇が正常範囲を超えると、肺高血圧（症）。

肺高血圧（症）は、他の疾患（例えば左心不全）が原因とわかっている場合、
原因不明の原発性肺高血圧（症）と区別するため、
二次性肺高血圧（症）、あるいは、続発性肺高血圧（症）という。

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◆収縮期肺動脈圧の正常値が、15 ～ 25 mmHg だとすると、

計算式：収縮期肺動脈圧＝4×（TR流速の2乗）＋推定右房圧10mmHg
つまり、
TR流速＝｛（収縮期肺動脈圧－推定右房圧10mmHg）÷4 ｝の平方根
なので、
TR流速の正常値は、1.1 ～ 1.93 m/秒と考えられる。

下記の、TR流速による肺高血圧の分類と合わせて、
TR流速が、2.0 m/秒未満なら、正常と考えられる。

◆TR流速による肺高血圧の分類、基準はいろいろあるみたいだが、

　　Normal　　　　　　　　＜ 2.5 m/秒
　　Mild ～ Moderate　2.5 ～ 3.0 m/秒
　　Severe　　　　　　＞ 3.0 m/秒

　　正常　　　　＜ 2.0 m/秒
　　軽度　　2.0 ～ 2.5 m/秒
　　中等度　2.5 ～ 3.0 m/秒
　　重度　　　　＞ 3.0 m/秒

TR流速が、3.0 m/秒を超えると、重度と考えられる。

別の見方もある。

◆肺高血圧の分類

　　軽度　　　　＜ 50 mmHg
　　中程度　50 － 75 mmHg
　　重度　　　　＞ 75 mmHg

これが、収縮期肺動脈圧による分類だとすると、
計算式：収縮期肺動脈圧＝4×（TR流速の2乗）＋推定右房圧10mmHg
つまり、
TR流速＝｛（収縮期肺動脈圧－推定右房圧10mmHg）÷4 ｝の平方根
なので、
三尖弁逆流の分類は、

　　軽度　　　　　＜ 3.16 m/秒
　　中程度　3.16 － 4.03 m/秒
　　重度　　　　　＞ 4.03 m/秒

と考えられる。

これが、右房右室圧較差による分類だとすると、
計算式：右房右室圧較差＝4×（TR流速の2乗）
つまり、
TR流速＝（右房右室圧較差÷4）の平方根
なので、
三尖弁逆流の分類は、

　　軽度　　　　　＜ 3.54 m/秒
　　中程度　3.54 － 4.33 m/秒
　　重度　　　　　＞ 4.33 m/秒

と考えられる。

いずれにしても、この分類は、
“治療を必要とする”肺高血圧における重症度分類なのかな？？？
上記の基準の重度の値が、軽度という評価になっている。

　　　　（参照記事：『 母のメモ　“収縮機能と拡張機能” 』　）

以下、母のつぶやき。

肺高血圧症については、かなり増えたとはいえ、まだまだ情報が少ない。
循環器専門医のいる病院はさておき、一般の動物病院では、
どのくらい診断され、どのくらい治療されているのだろう？

『重度肺高血圧症を伴う三尖弁閉鎖不全症に
　　Pimobendan 併用療法を実施した犬の1 例』
ttp://www.hiro-vet.or.jp/learning/pdf/magazine-h2109/P67-70.pdf
という症例報告によれば、
「収縮期肺動脈圧が 35mmHg 以上」で肺高血圧症とされていた。

収縮期肺動脈圧 35mmHg 以上なら、らいすも、肺高血圧症。

6/23（水）の大学病院の検査では、TR流速は、2.74 m/秒。
計算で求められる収縮期肺動脈圧は、4×2.74×2.74＋10＝40.0304 mmHg 。

大学病院の先生は「TR流速が3.0m/秒になったら」と仰っていたので、
今回はセーフ、でも、もうギリギリ。

肺動脈性肺高血圧症の治療薬は、ホスホジエステラーゼ5阻害剤の
・シルデナフィルクエン酸塩（製品名：レバチオ錠）
・タダラフィル（製品名：アドシルカ錠）
だが、かつてのアカルディカプセルでさえ激安！と感じるほど高額。

シルデナフィルレバチオ錠20mg　→　薬価 1179.8円
タダラフィルアドシルカ錠20mg　→　薬価 1720.8円

　　もしかしたら、同じ成分の他の製品の方が安いのかな？

　　シルデナフィルにはバ○アグラ、タダラフィルにはシ○リスという
　　別名製品があり、こちらの方が有名だと思うが、
　　残念ながら、薬価の収載はない。
　　ネット通販なら安く購入できそうだが、ニセモノだったりするかも？

とりあえず、シルデナフィル（レバチオ錠20mg）で計算。

シルデナフィルを 1mg/kg BID で処方されたと仮定して、
らいすの体重7.0kgなら、1mg/kg×7.0kg×2回＝14mg/日。

薬価計算では、1179.8円÷20mg＝58.99円/mgで、
58.99円/mg×14mg/日×4週間（28日）分＝23124.08円だが、
病院で受け取る時には、もっと高いはずなので・・・

1mg＝ 80円として、一日1120円、4週間（28日）分で、31360円。
1mg＝ 90円として、一日1260円、4週間（28日）分で、35280円。
1mg＝100円として、一日1400円、4週間（28日）分で、39200円。

このお薬だけで、この金額。

お金の話をするなんて、はしたないけれど、
病気と闘うには、お金もかかる。

これは真実。

Posted by rice | 18:40:00, Jun 26, 2010 | TrackBack:x | Comments:x

この記事への返信

Re: 母のメモ　“肺高血圧症の診断と治療”

らいす母さん、こんばんは。

お金の話・・・。大切なことです。
現実は、厳しいです。

我が家は心臓薬として一括にお支払いするので
個別の値段がわからないのですが
以前処方して頂いた薬を1日500円で
一ヶ月15、000円です。
かなり安価で譲っていただいていると思っています。
薬は原価で計算すると泣きそうになるくらい安価です。
しかしながら薬は、プラスαがあるので当然原価より高くなります。

我が家は、車を所有していないので重症になった時は
大変ですが車の維持費がない分かなり節約できるので
今のところ薬代が家計に響くことは、ないのですが

今後進行して、らいす母さんが提示してくださった
一ヶ月３万円以上多分我が家なら
chocoは、らいすちゃんの倍の体重があるので
単純計算で一ヶ月６万円以上となります。

大変なことになります。
節約にも限度がありますし
お引越し・・・なんてこともありそうです。

でも色々なことを想定して準備しておけば
なんとかなると思っております。
経済的精神的な覚悟は必要ですね。

Posted by choco | 00:05:17, Jun 27, 2010

Re: choco母さんへ：母のメモ　“肺高血圧症の診断と治療”

choco母さん、こんにちわ！
お返事が遅くなりました。m(_ _)m

chocoくんのお薬の処方は、レリート、ベトメディン、
カリアント（SRカプセルかな？硝酸イソソルビドですよね？）、
ラシックス、アルマトールでしたよね？
動物薬はベトメディンだけで、ジェネリックも使われているからかしら？
体重や種類から考えると、確かにかなり安価ですね。(^-^)
らいすが、かつて、大学病院で、
ACEIフォルテコール、アカルディ（ピモベンダン）、アルマトール、
ニトロールRを処方をしていただいた時は、
ピモベンダンが高かったので、4週間で、45000円を超えていたと思います。

肺高血圧症のお薬は、必要となった時の病態を想像すると、
そのお薬を単独で用いることは考えにくいので、
通常は、今飲んでいるお薬に追加、上乗せになると思います。
（但し、ニトロや硝酸イソソルビドとは併用しないので、
　その分は差し引かれますが）

家計の中から、自由診療のワンちゃんの医療費を出しているご家庭では、
お薬代などが高くなると、大打撃を受けますよね～。
仰るとおり、人の生活が立ち行かないほど、厳しくなることもありますよね。

我が家では、らいすにかかる費用は、医療費も食費も別会計なのです。
キャバリアですから、いずれ心臓病になるだろう、手術するかも？と考え、
貯金していたものですから、今のところ、家計には影響が及んでおりません。
お子さんのための学資は別というのと、同じですね。(^-^)

現在でも、診察、検査、お薬、一年分を合計すると、
うわっこんなに？と思うような金額ですが、きっと、まだまだ序の口でしょう。
この先、酸素ハウスのレンタルや点滴などの緊急救命措置など、
たぶん、費用はかかる一方だと思います。
先輩ママさんたちからお話を伺うと、本当にびっくりします。
多頭飼いしているお宅も多いので、ひぇ～～～！って感じです。
思わず、ウチは、らいすだけでよかった～、と思ってしまいました。(^^;;;

でも、できる限りのことはしてあげたいと思っています。
子供一人が大学卒業までにかかる費用に比べたら、まだまだ安いですしね。（笑）

Posted by らいす母 | 16:18:33, Jun 28, 2010

Re: 母のメモ　“肺高血圧症の診断と治療”

ご無沙汰しております・・・

相変わらず勉強熱心ですね。獣医よりは知識が豊富ですね。

さて、書いておられる通りライスちゃんにはバイアグラの適応はありません。したがって高価な薬の心配も必要ありませんね。

もう一点は論文の引用ですが、引用されている論文や発表のほとんど全ては証拠という観点からは、証拠能力なし、というものです。この点の認識が必要だと思います。

今回の、論文、も読みましたが今まで同様無茶苦茶な治療で空いた口が塞がりませんね。

Posted by koredeiino | 19:50:30, Jul 10, 2010

Re: koredeiinoさんへ：母のメモ　“肺高血圧症の診断と治療”

koredeiinoさん、ご無沙汰しております。

お返事が遅くなりました。m(_ _)m
いつも的確なアドバイスをくださり、ありがとうございます。

相変わらず素人の素朴な疑問だらけであたふたしておりまして、
お恥ずかしい限りです。
勉強熱心なんて仰っていただくと、ますます恥ずかしくなります。

先生方がお考えになっていることを理解したくて、できる限り調べてはおりますが、
きちんと整理ができない状態では、やはりダメですね。
頑張って情報を集めて、知識を増やしたところで、
koredeiinoさんが仰るような正しく見極める目を持っていなければ。

論文の証拠能力、深く考えたことがありませんでした。
人のお医者様はもちろん、犬猫の獣医さんも、
私たちにとっては、或る意味、絶対的な存在で、
仰ることは無条件で信じるという癖がついておりまして、
「なるほど、そうなのか」と、一切の疑問を持たないことがほとんどです。
ただ、次から次へと読み進めていく中で、なんとなく違和感があり、
「この結果、どこまで信じていいのやら？」と思う文献は
いくつかありましたが。
素人とはいえ、このような分野の話題は、科学的に論理的に考える力が
必要なのですね。肝に銘じます。

人のお医者様からご覧になって、無茶苦茶な治療がまかり通っているなんて、
ぞっとします。
私たちはどうしたらいいのでしょう？
もっと勉強して、正しい知識を持ち、異を唱えられるようになるか、
不安を感じたら病院を変えるか、
自衛手段も考える必要がありそうですね。

Posted by らいす母 | 11:33:41, Jul 12, 2010

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