私はずっと前にテレビ番組の中でこの犬の絵のことを知りました。
作者はジョージ・ロドリーゲ、そしてブルードッグのモデルは彼の愛犬ティファニーです。
ブルードッグのHPから作者の言葉を引用しました。
『ティファニーは私を守り続ける旅にでた』
月に浮かび上がる青い犬の影。暗い森から誰かをじっと見つめる瞳。
音のない静寂の世界。夢だろうか?
私は夢を見ていたのか?
ごみ箱から捨てたはずのシャツやスリッパまで持ち出して、
クローゼットの中へ運ぼうとする得意顔の仔犬ティファニー。
私がスタジオにこの仔犬のためにバスケットをしつらえ、
共に過ごした歳月は12年間。
最後の別れの日、バスケットの中で丸くなるティファニーに、
私は一日中物語を聞かせていた。
ティファニーは死んだんだ。
さとうきび畑をねぐらにし月夜の晩に姿を現わしては人々を震え上がらせる狼男
ループ・ガルーの物語。
伝説のループ・ガルーの物語を、最後にママにしてもらったのはいつだったか・・・・。
私はまだ夢を見ているのか?
暗い森に迷い込んだのはどっちだったんだろう。
キャンバスに描き出される『ブルードッグ』は、このループ・ガルーのイメージに、ティファニーが
混ざりあってできた。生前は白黒の犬だったティファニーだが、死んだ彼女の魂は青色(ブルー)。
私を捜し求めるティファニーと、ティファニーに手が届かない私の哀しみの旅、長い旅の物語だ。
ティファニーの魂は言葉を越え、愛するものを見守る強さを手にいれた。
ギャラリーを一巡してみるがいい。
悪戯好きな妖精ティファニーが、
今度はあなたを見つめてはいないか。
ジョージ ロドリーゲ
と言う具合で作者の悲しい思い出から生まれたブルードッグなのですが、こんなエピソードがあるんです。ティファニーの死に悲しんでいたジョージ・ロドリーゲの夢枕にティファニーが現れ、「私の絵を描いてください」と言い残したと言うのです。そしてそれまで無名だったジョージ・ロドリーゲは生前、白と黒だった愛犬をブルーで描き、瞬く間に世間に知れ渡りました。そしてもうひとつ不思議なことに、当時アーカンソー州の知事だったビル・クリントンが大統領選に出馬する直前に、ブルードッグの絵を買ったことから、「幸運を呼ぶ犬の絵」として更に有名になりました。この話がただの偶然にしても私はとてもロマンチックで、愛に溢れた素敵な逸話だと思います。愛犬の死は誰にだってつらく悲しいこと、しかしネガティブにうずくまっていても、きっと愛犬も同じくツライ思いをしてしまうのではないでしょうか、しかしこのブルードッグのように死してなお、飼い主や絵に出会った人達に幸せを与えている犬がいるなんて、とても素晴らしいことではないでしょうか、いま生きている犬、死んでしまった犬、これから生まれてくる犬、全ての犬に幸せを分け与えてもらっている自分。色々なことを考えさせられますが、ブルードッグを知ったことによってポジティブな気持ちでこれからも犬たちにに接していきたいなと言う気持ちになりました。