そらの生い立ちを綴ってみました。
そらは埼玉県の秩父市大滝の山の奥、人はほとんど釣り人か山菜取り、或いは沢登をする人くらいしか行かない場所にいました。
そもそもそらはそこで生まれました。母犬がこの山奥に捨てられたのか或いは迷子になってしまったのかは不明だがお腹に子犬がいた。
このことは実際に見たわけではなく後で分かったことだった。
2005/6/9に趣味の釣りをするためにこの場所へやってきた。朝早くから釣りをし夕方6時前後だったと思う。
車を止めた場所に帰るため橋を渡ろうとしたすると突然脇から犬が吠えて現れた。
始めは突然吠えられ怖くて身構えてしまった。なにせ体長が結構あったからだった。さすがに触ることもできず橋を渡って車に戻ろうとしたらずっと後を着いてきた。少し止まって見ると凄く痩せていてほとんど骨と皮といった印象だった。比較的人懐こかったがさすがに尻尾は股の間に入っていた。
その後あんぱんを持っていたので食べさせた。それからこの母犬がきになり週一くらいで通うようになった。
そらを始めてみたのはその次の週だった。朝早くでかけ今日もいるかと母犬を探したが車を置く場所にはいなかった。そこで橋の脇を見てみると再び吠える母犬がいた。そしてまたパンをあげていると犬の鳴き声が聞こえてきた。すぐ近くにドラム缶がありその中に4匹の子犬がいた。4匹は寄り添っていた。
思えば最初に母犬を見たとき尻のあたりから何かぶら下っていたのをみた。それは子犬を産んで間もなかった証だったのだろう。
まさか子犬がいるとは思っても見なかった。それを見つけ母犬があの痩せようではお乳もろくに出ないだろうと思いドッグフードを母犬に買って持って行った。
それから7月始めに行ったとき母犬は姿を消した。色々考えてしまった。良いほうに考えれば里親が見つかりいなくなった。自力で林道を歩き里へ向かった。そして悪いほうに考えると梅雨の時期ここの所雨が降って増水していた。水を飲もうとして流されてしまった。或いは保健所に連絡が行き連れて行かれた。そう考えると良いほうに考えたいと思った。
子犬がいる場所は人の目に付かないような奥まった所にいたため人に気づかれることが少ない。そう考えるとここにずっといるよりは早く里親が見つかるように人に見つかりやすい場所のほうが良いだろうと思ってドラム缶ごと移動してやった。その結果、次に行ったときには一番可愛かった子犬（柴犬系の毛色で白い部分の多かった）がいなくなっていた。その次に黒い色をした一見ラブラドールレトリーバーのような子犬がいなくなった。初めは飼うつもりだったが一度諦めた。しかし情が移ってしまい飼いたいと思ってついに2005/7/12に家に連れて帰ることになった。子犬を1匹残しそっと連れ帰った。
その後10日程してから残りの子犬の様子を知りたくて行ってみた。そこに子犬の姿はなかった。里親が見つかっていなくなったと信じたい。
母犬が捨てられ子犬が産まれ全て里親が見つかって引取られ今はそれぞれ幸せな日々を送っていることを信じたい。そう願ってそらを今育てています。
