昨年の7月 ムクドリの子を息子が拾ってきてから
早いもので約1年がたった
夏の暑い最中を避けて ようやく2日前
放した。
もっと早くに放すという意見と
最期まで面倒をみるという意見が出る中
今 放したのには理由があった。
それは ものを拾って食べる訓練が必要だったから。
ブドウやトマト 小さなものも器用に拾うことできるようになり
いざ!決断となった。
息子の肩に乗るほど慣れていたので些かの不安が残る中での
放鳥。。。
ムックは空を見上げ 何回も躊躇してた
それを見かねた息子が“とん”と押した瞬間 空に飛び立った。
それでも 暫くは家の周りを離れなかった。
何度も行ってはまた 戻って来るを繰り返し
ついに 遠くへ飛んでいってしまった
『あんなに飛べたんだね・・・』
『そうだね〜』
悲しい事に
ムックのはじめての外での夜は 冷たい雨となってしまった
天気の確認もせずに放した自分たちが愚かだったと気づいたが
もう遅かった。
『あの子 ちょっと馬鹿だから大丈夫かなぁ・・・』
『寒くって 歩く人の肩に乗っちゃうかしらね』
そんな会話がぽつんとされたが後が続かない
顔の表情で息子も 同じことを思っているのだろうと察しがついた。
こんなに心配なら放さなきゃ良かったと。
翌朝、家の前の大きな楠木に ムクドリがいた
他の鳥はじーとしているのに
なぜか1羽だけ、お手入れに熱心になり過ぎて
フラフラ木から落ちそうになっていた。
すぐに ムックだと解った。
こちらの呼びかけに首を傾げる姿は 間違いがない!!
がんばって生きようとしている!
『小さな籠から空を見上げて鳴いていたから 今、満足してる?』
『それとも 帰りたい?それなら戻っておりでね』
心の中で会話をしていた。
涙が流れて姿がかすみ それと同時にムックもどこかへ行ってしまったのだろうか。見失ってしまった。
本当に 良かったのかなぁ?
・・・・・
登校する時 窓を全開にして
帰ってきたくなったらすぐに入れるよう準備していく息子
鳥の声がする度 3階に走る母
同じようにすずめを放した時にも泣いたが
今回は少し 思いを入れ込んでしまったのかもしれない
昨日の夜の雨はどこで凌いだのだろう?
かまってあげないなら 早く放しなさい
そう言って 息子を責めたこともあった。
あんな言葉 かけなきゃ良かったと後悔
ムックの鳥としての幸せを考えつつも
当分は 窓を大きくあけて待っているのかもしれない
写真はまだ 手から餌をもらっていた頃