12年前だろうか?大姉弟子が帰省した時に皆が集まっていることに大喜びの太郎であった。
兄弟子と写真に収まった忍者犬太郎。この頃は若く、動作も鋭敏であった。
学校の裏山で 、兄弟子と修行していたが、幸せな日々であった。
兄弟子が小学三年のときに太郎はやって来たが、結構、作文や日記の題材となって、歴代の先生に太郎の存在は知れわたっていた。
「忍者犬」となったのも、山で兄弟子と走ったり遊んだり喧嘩したり、犬と人間が同じレベルで騒いでいた。
ある時の作文では、兄弟子が勝手に何処かへ行ってしまった太郎に「お〜い、太郎!どこへ行ったあ?かえってこ〜い!」と呼びかけても姿を現さなかったのに、「太郎!もうかえるぞお〜!」と言うと、すっとどこからか慌てて姿を現したというような話だった。
太郎と蹴り合いをしていたり、両方共に、真剣勝負をしていたらしい。
兄弟子が友人たちと遠くで遊ぶ声がすると、太郎は、ワンワン。ウオンウオン。綱を放してくれとばかり大騒ぎをするのが常だった。