あるとき、猫に襲われ大けがをしたことがある。外から内臓までも見えるほどだったが、獣医に診てもらい、何とか一命を取りとめた。そのときは、普段はあまり面倒を見たがらない子供たちも、交互に薬を飲ませたり、塗り薬を塗ったりした。犬も心配していたのか、心もち元気がなかった。 このように書くと、なんだか賢い鶏と犬を飼っているように思われるかもしれないが、決してそのようなことはない。普通以下の鶏と犬である。ただ、ひなのころから手に乗せたり、犬と一緒に遊ばせたりしてきた。そして、いつも声を掛け、エサも犬と一緒に与えるなど、何となくかわいがってきただけである。ペットを飼うにはそれで十分だと思う。当初は、鶏を飼って卵を産ませてそれを食べることをもくろんでいたが、現実はそうもいかない。卵はコンスタントに産むものの、家族はだれも食べようとせず、結局、近所に分けることになるからだ。エサ代、治療代がそこそこ掛かるという誤算はあったが、それも育てる楽しみ、喜びに比べれば安いものである。そして、何よりもそれを通じて家族共通の話題ができることは有意義と思う。読者諸氏にもおすすめしたい。(犬小屋で卵を産む鶏のピーちゃん) |