ブログをスタートした頃からお知り合いの方はご存知かと思いますが、
エルは若年性白内障の手術を受けています。
2005年8月末に右目、2006年2月初旬に左目です。
詳しくは、ブログをスタートした頃の記事をご参照下さいね。
（左目の診断を受けた後からですが）
この前楽しく一緒に遊んだばかりのマーレちゃんが、若年性白内障と
診断されたらしく、とても心配です。
そんなこともあり、当初のことが鮮明に蘇るエルママなのです。
そこで、支離滅裂にはなるかと予想されますが、その時の気持ちや、
その後の様子、それらを経て感じることを書いてみたいと思います。
これは、あくまでも私個人の見解ですので、それは違うというご意見も
あるかもしれませんが、聞き流して下さいね。
エルは手術をして元気になりましたけど、だからといって完治したわけ
でもありません。だから、目薬は必需品です。
検診でOKが出ても、内心では緑内障の心配も常にあります。
とはいうものの、しっかり見えるようになって、元気になりました☆
ドッグランも大好きだし、最近ではフリスビーの練習なんかを始めたり
してます。
でも、病院で会ったコッカーちゃんの中には、緑内障で片方の目がない子、
義眼を入れている子も何度か会ったことがあります。
白内障の手術後に緑内障になり「今日、こっちの目がなくなるんですよ…」
と、待合室で隣に座ったお父さんが淋しそうに教えてくれたこともありました。
もしかしたら、こんなことなら手術しないで見えなくなっただけの方が良かったのか…？と思ったかもしれませんよね。
でも、若年性白内障の場合、老犬のように、見えなくなるだけで済むというわけでもないそうです。
かといって、生後数ヵ月で失明の道を選択することも難しいです。
いくら見えなくても犬は大丈夫といったって、まだ自分の生活パターンも
できていない子犬であれば、なおさらそう感じました。
一種の賭けのようなものです。
でも、どの方も、わが子に取ってどうすることが一番ベストなのかと、悩んだ
末に下した結論です。
どんな結果になっても、受け入れるしかないのだと痛感させられました。
守ってあげられるのは自分しかいないのですからね。
エルママは、この経験から、精神的にかなり強くなったと思います。
無駄に長いかもしれませんが、私が経験したこと、感じたことが、些細な
ことでも誰かの何かの役に立てれば幸いだと思います。
かなり長いですので、お時間がない方、ご興味のない方は、スルーして
下さいね。
まず、この病気が一番多いのがA・コッカーということです。
そして、幼くして（2歳くらいまでに）発病する場合は、先天性のものだそうです。
エルは、生後9ヵ月に入る頃に右目が発病し、2005年8月末に手術を受けました。
異変に気づいてから手術までは、1ヶ月もありませんでしたが、進行が早く、もし数日あとだったら、手術もできない状態になっていた可能性が高いです。
白内障の手術は、表面で確認できる白濁だけではなく、見えない部分の眼底や網膜の状態によって、できない場合もあることを知りました。
最初に「何か変？」って感じたのは、8月に入って間もない頃。
ある日の夜、いつものようにキッチンでおこぼれを待ち伏せするエルの目が、丸いリングがかかったように見えた気がしたのです。
文字で表現するのは難しいのですが、黒目●の淵に細い丸い縁取りがあるような感じです。
でも、光の加減で、「気のせい？」って思うくらいのものでした。
それが、実は既に白内障が進行していたわけです。
後から思えば、この頃、数日前から散歩に行きたがらず、玄関からなかなか出ようとしませんでした。
これもまた、右目が見えなくなっていくから、外に出るのが怖かったんでしょうね。
上手に飛び乗っていたソファへのジャンプも、よく踏み外してました。
右目をパチパチさせていることもあって、「エルちゃん、ウインクできるの〜、すごいね」なんて、お気楽なことを言ってたりもしました。
どれもこれも、後から思えばですが、エルからの危険を知らせる信号だったんですよね。
「何か変？」って感じてから、4〜5日くらい経った日の朝。
当時はまだ、エルはリビングのサークル、私は寝室で別々に寝てました。
そして、「おはよう」とリビングに入った瞬間、自分の目を疑いました。
ほとんど右目が開いてない状態のエルが、そこにいました。
朝の6時過ぎ。確か木曜日だったと思います。
急いでサークルから出し、抱きしめて「ど〜したの？エル」と目の様子を伺いました。
お岩さんみたいな状態です。
とにかく、何をどーしたらいいのかわからず、なでたり、さすったり、オロオロするばかりです。
幸い、ぐったりという感じでもないのですが、あまり元気はありません。
視界が遮られていますから当然です。
病院の診察時間は9時からです。
それまで、長い長い時間を過ごしました。
途中、不安に押しつぶされそうになり、7時半頃、友人にメールを入れると、心配しながらも「ママがしっかりしなくちゃダメだよ」という激励の言葉。
そうだ、私がしっかりしなくちゃ。とにかく、会社は休もう。
この時、思いました。
人間の子どもだったら「子どもの具合が悪いので…」って、堂々と言えるけど、「犬が具合が悪いので…」とは、言えないよな…ってね。
結局、母が具合が悪いので、病院に連れて行くということで連絡を入れました。
病院が開くと同時に、半べそ状態で「先生、エルの目が…」と、駆け込みました。
診察室に入って、眼圧測定、目に光を通す検査、ライトを当てて目の動きをみたりしています。
この時、目全体が濁っている状態でした。診断の結果は、ぶどう膜炎。
ぶどう膜という部分が炎症を起こしているために、目が腫れてしまったということでした。
飲み薬と目薬を出してもらうことに。
「これで、1週間ほど様子を見ましょう」ということでした。
ただ、3日間おきくらいに目の状態を見せて下さいと言われました。
目薬をさしたら、病院を出る頃には腫れも少し引いた感じです。
その日の夕方には腫れもおさまり、元の大きさになりましたけど、濁りは残ってました。
3日後は日曜です。午前中だけ診察しているので、エルを連れて病院へ。
この頃になると、目の濁りも消えてきました。ただ、中央の瞳の部分だけが真っ白のままです。
それがちょっと気になりました。先生も気にしていて、また、3日後くらいに見せて下さいとのことでした。
更に3日後の水曜日。
この日は午後から出社することにして、病院へ連れて行きました。
ライトで光を当てながら、難しい表情をしてる。
色々と調べた結果、意を決したように口を開いた先生からの言葉。
「エルちゃんの今の状態は、白内障ですね」
「えっ？？？？？」「白内障って老犬がなるものじゃないんですか？」
まったく意味がわからず戸惑う私。
「若年性白内障といって、幼くして白内障にかかるケースがあるんです」
「現状、右目はほとんど見えてない状態だと思われますね」
そんな…
涙が溢れて止まりませんでした。
そんな私をみて、先生も思わずもらい泣きしてましたっけ。
そして、説明を受けました。
若年性白内障は手術をすれば見えるようになります。
でも、その前に、もっと詳しい精密検査を受けたほうがいいでしょう。
もし、手術を希望するのであれば、白内障の手術ができる病院で検査をした方がいい。
白内障の手術ができる病院は、近くだと、隣の駅が最寄り駅の別の動物病院と、都内にある眼科専門の動物病院があります。
この時はじめて、犬にも眼科専門の病院があることを知りました。
隣町の病院は、実家のワンコが通っていた病院です。車で10分ほどの距離です。
都内の病院だと、高速を使って1時間少々の距離です。
でも、眼科専門の病院を選びました。
ところが、この診断をもらったのが8月10日（水）、世の中では、お盆に入る時期でした。
早速、先生が眼科へ電話を入れてくれて、エルの状況を説明し、予約を取ってくれました。
お盆でも眼科は診察しているということで、8月13日（土）に行くことになりました。
先生の診断が誤診であってほしいと思ったものです。
許せる誤診って、あるもんですね。
眼科での診察初日。
待合室には、今まで、ドッグランで一度だけしか会ったことがなく、普段の散歩では一度も会ったことがないのに、2コッカーちゃんに会いました。
その後の検診では、最高で、5コッカーと待合室を共にしたことがあります。
皮肉なものですね。でも、それだけコッカーの確率が高いということでもあるわけです。
まず、第1診察室で、眼圧や涙の量、光の反応などの検査をします。
瞳孔を開く目薬をさし、30分くらい時間をおきます。エルは開き具合が悪く、もう少し時間がかかったような気がします。
瞳孔が開いた頃、院長先生の診察です。
私は、長い人生で眼科に行ったのは1度だけ。
子どもの頃に結膜炎になって、棒で目に軟膏を塗られた記憶があるくらいです。
院長先生の診察は、細隙灯顕微鏡（調べたら、たぶん、これだと思います）という機械を使って行われます。
顕微鏡から見える目の様子は、パソコンのモニタに映し出され、ポイント的に静止画が撮影されます。
検査の結果。やはり、若年性白内障という診断が下りました。
右目は、ほとんど見えていないでしょうということです。
原因は、遺伝的な要素だということです。先天性のものでしょうと言われました。
愕然としました。
1歳くらいでなる子が多いようですが、一番小さい子では、生後半年というケースもあるそうです。
それから、目の模型を取り出して、若年性白内障と老犬の白内障の違いを踏まえながら説明を受けました。
若年性白内障の場合は、まず、水晶体の中にあるたんぱく質（液状）が膨張します。
通常は透明ですが、固まってくると白くなるようです。若年性と老犬とでは、固まり具合も違うみたいです。
エルの場合は、膨張したたんぱく質が、水晶体の網目のような隙間ができて、外に流れ出したのだろうということです。
水晶体の中に納まっていれば害ではないたんぱく質の液体も、それを出ると害になるらしく、そのためにぶどう膜炎を引きこしたようです。
そして、白内障の治療は、手術をするしか見えるようになる方法はないということも聞かされました。
手術の様子のビデオを見ながら、手順などを説明してくれました。
進行を遅らせる目薬があると聞いたことがありますが…と聞くと、今の状態では、ほとんど効果は望めないでしょうとのこと。
あれは、ある程度年を取っている場合には、若干の効果があるようだけど、若い子には、あまり効果がないようです。
それも、その子の体質にもよるようで、中には効果が見られるケースもあるようです。
ただ、手術をするにしても、これだけ進行していると、目の奥の状態を調べてみないと何とも言えないな〜。
その結果によっては、手術ができない場合もあります。
え？
手術に抵抗があった私も、必ず手術ができるわけではないことを知り、それまでは、できれば避けたい手術だったのに、手術ができないの？
ということは、見えるようになる方法はないってこと？
このまま失明するかもしれないという不安に襲われました。
そして、眼底検査と超音波の検査をお願いしました。
この検査は、両方で2時間ほどかかるそうで、そのままエルを預けて近くにあるファミレスで時間を潰すことにしました。
目の異変の時にメールした友人が気にしてくれていたので、お店からメールを送りました。
一人では不安だろうということで、夫婦で駆けつけてくれて、ファミレスで不安な時間を過ごしました。
時間になって病院に戻り、検査結果を聞きます。
とりあえず、手術はできる状態ですとのこと。ちょっと安心しました。
超音波の画像では、右目の水晶体は左の3分の2か半分くらいに見えました。
たんぱく質が流れ出し、縮んでしまっている状態です。
空気が抜けた風船のような感じですかね。そのまま放っておけば、しぼんでしまうということです。
手術は、この水晶体の膜にレンズを入れるので、これがしぼんでしまったら入れられないのだそうです。
手術をすることにしました。
炎症がある間は手術はできないので、炎症が治まった頃に予約を取って下さいと言われました。
だいたい、2週間くらいが目安だそうです。
8月30日（火）に手術の予約を入れました。
手術をするに当たり、まず聞かれたことは、他にワンちゃんやネコちゃんはいますか？
いいえ。
同居している犬やネコがいると、じゃれたりして、目に衝撃を与えてしまうことがあるそうです。
そのために、レンズがずれてしまったり、破損などがあると、もっと大変なことになりますから。
場合によっては、命取りになりますから、その点は注意して下さい。という話でした。
なので、手術後は、できるだけ他のワンコとの接触も控えました。
まあ、散歩しててもカラーをつけてると、ワンコが警戒して寄ってこないんですけどね。
レンズが定着するまでの期間は、とても神経を使いました。
そういう点では、社会性を身につける時期に、思いっきり甘やかしたかもしれません。
犬社会のあれこれも、勉強する機会が少なかったように思います。
まあ、仕方がないことです。
手術を決断した後も、心の中では葛藤がありました。
7月のはじめに避妊手術（この時は別の病院でした）を受けてたエルは、また全身麻酔をかけなくてはいけません。
全身麻酔なんて、避妊手術が最初で最後だと思っていましたからね。怖いです。
しかも、眼科に縁のない私は、目の手術なんて、考えただけでも怖いです。エルに痛い思いをさせます。
一晩の入院でも、あんなに不安で心配だったのに、1週間も入院しなくてはいけません。
手術後の世話も、仕事をしている私にできるのか？
費用だって、かなりの金額です。保険の対象とはいっても、立て替えなくてはいけませんからね。
本当にこれでいいのか？もしかしたら、私は間違った選択をしているのではないか？
嫌な夢もたくさん見ました。自分が、残酷な鬼か悪魔にさえ思えてきました。
そんな風に、悶々とした日々が過ぎていきました。
答が見つからないまま、手術の日が近づいてきます。
前日からの入院なので、月曜日に病院に連れて行きます。
この時は、自分が具合が悪いのでお休みさせて下さいということにして、朝、職場へ連絡を入れました。
病院に着いて、再度、検査をしました。そこで、驚く結果が判明したのです。
たった2週間の間に、エルの大事な膜が、前回より更にしぼんでいたんです。
この進行の速さには、先生もびっくりしてました。
レンズが入れられるギリギリの大きさです。
悶々としてた期間、せめて、もう少し手術の日を遅くしようかな？などと考えたりもしてたので、ぞっとしました。
もし、遅らせていたら、たぶん膜が潰れてレンズが入れられない状態になっていたことでしょう。
途中、白濁が薄くなったように感じて、良くなったように見えたのは、そのせいだったんでしょうね。
実は悪化してたってことです。
エルを預け、承諾書にサインを促されました。いやですね、これ。
だいぶ前に他界した父が、手術を受ける時にも目にしてます。
もしものことがあった場合でも…というヤツです。
それでもまだ、自問自答しながら家路につきました。
エルが来る前は当たり前だったけど、エルがいないことでポッカリ穴が開いたような空間でした。
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右目の手術からは、2年以上過ぎているのに、こんなに鮮明なんですね。
我ながら、びっくりしました。
予想外に長くなってしまったので、続きは、またの機会にします。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
