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暑かった夏が終わり、涼しくて過ごしやすい秋が来ました。じめじめした空気が去り、爽やかな風が動物たちの体もなでていきます。<BR>この爽やかでさらさらな風。これは乾燥した空気が正体ですが、秋から冬はこの乾燥が低温と重なっていくつかの病気を引き起こし易くします。<BR>私たち人間の社会においても、秋から冬はインフルエンザが流行し易かったりしますよね。イヌやネコの社会においても同じような現象がおこります。低温で乾燥した空気によりウイルスは元気になり、飛散し易くなります。一方でイヌやネコの粘膜は、弱く感染を受け易い状態になるため、イヌではケンネルコフ、ネコでは猫伝染性鼻気管炎(FVR)などの病気が蔓延し易い季節といえます。<BR>それぞれの病気の一般的な臨床症状を簡単に述べてみましょう。<BR>まず、イヌケンネルコフでは急性に発現する空咳が一番大きな特徴です。空咳に続きゲエゲエというむかつきのような症状が見られますが、食欲は維持されることが定型的で、さらっとした鼻汁や目やにが時折みられます。<BR>ネコのFVRでは激しいくしゃみと膿性の鼻汁、目やにが一番大きな特徴です。食欲は減退することが多く、全身状態が非常に悪化することもあります。<BR>これらの病気に共通して言えることは、エアロゾル(咳、くしゃみ)による接触伝染性が非常に強いということです。このような特徴を持つ病気はペットショップ、イヌネコのホテル及び動物病院など複数の動物が同一の空間に多数集まる場所ならどこでも多発する可能性があります。<BR>軽症型が定型的ではあるものの、重症型もしばしばみられ、命にかかわりうる病気である一方で、ワクチンが非常に有効です。<BR>何事も予防が一番。ワクチン接種を定期的にうけましょう。<BR>なおかつ、お部屋の換気をまめに行ったり、ある程度の加湿を行うなどして、部屋の湿度を保ち、粘膜を乾燥から守りましょう!
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