何見てるの?
(不満げ)
生まれて
半年ぐらいの頃
紅丸は人を噛む犬だった。
乳歯の頃は、よくある歯のかゆさによる甘噛みだろうから
『仕方ないなあ』ぐらいに思っていた。
前飼ってたヨーキーがそうだったから。(この子は13歳で天使になりました。)
今は、ワンコってそれぞれ性格が全く違うんだと痛感。
歯の力は
ものすごく
強いんだ。
1歳ぐらい
私たち(夫と私)は終日働きに出るので、
朝からお昼まではサークルの中、お昼休みに帰ってきて遊ばせて、
1時から夕方までまたサークルに閉じ込めて、という生活を
繰り返していた。
ある日帰ってきたら、サークルにいたはずの紅丸が嬉しそうに
玄関に。
たぶん必死でサークルをよじ登って外に出たんだろうなあ。
その時寂しいっていう紅の気持ちをわかってあげられなかったのが
いけなかったのかもしれない。
サークルに閉じ込めるのはやめたけど、お留守番はやっぱりしばらく続いた。
お手もおすわりも伏せもできるようになっていたのに、
2歳になった頃、突然、さわろうとすると鼻じわをよせて唸って威嚇して、
噛み付こうとする凶暴犬に大変貌。
自我の目覚め?
抱っこしようとすると怒ってぎゃんぎゃん吠えて、
すごい勢いで手を噛もうとする。
私は負けてはいけないと思って胴体をつかんで
何回噛み付かれても絶対離さないって頑張った。
紅丸も必死だけどこっちも必死。
噛み傷は思ったより深く、涙も血も止まらなかった。
そのうち、紅丸が怖くなってきた。
飼い主がこんな気持ちじゃいけないと相談に行ったこともあるけど
仰向けにするとか後から羽交い絞めにして顎をつかむとか
(そんなことはもうとっくにマスターしているのだ)
一般的なことをくどくど聞かされ、終いには、
『唸るので、私はこの子はさわれません』と言われた。
この相談の後、なんとなく自分で解決しなきゃって
漠然と思ったような気がする。
今思うと、なぜか紅は身の危険を感じていたんだろうなあと思う。
それからは、生垣の囲いしかなかった庭にフェンスを取り付けて、
自由に庭を走り回れるようにしたり(結構な出費。くすん)、
会社にもお昼から連れて行くようにしたり、
散歩も毎日、結構長い時間するようになった。
愛情不足だったんじゃないかなあとしみじみ反省しました。
そして、出来るだけ、怒らない怒らない。
でも、唸ったりしたら、『何言ってんの』とぱしっと言ったり、
時には、頭をポンと叩いたりもする。
(たたくといけないって言うけど紅は平気みたい。へへってしてる。)
今も大嫌いな歯磨きのときはうう〜ってなるけど、
なぜか噛まなくなった。
ふざけていてちょっとでも歯があたると、はっとして『ごめんね』って
いう顔までするようになった。(親ばか?)
ただ、吠え癖はまだ直っていません。