1月30日。去年のこの日、とあるペットショップで初めてエルに会った。
実際に一緒に暮らし始めたのは2月11日からだったけど、初めて会った次の日から、名前を考えたり、色々な準備をしたりと、思えばこの日からエルが我が家の一員となったのかもしれない。あの時は、一年後が、まさかこんな事になるなんて想像もできなかった。
小さなエルが我が家にやってきてから、毎日が慌しく過ぎていった。
まずは、ところ構わず、うんち、おしっこの連続で後始末に追われ、靴下にくいついて離れなかったり、手には、あちらこちらにミミズばれが・・・ご飯はふやかして、粉ミルクをかけて・・・平日は仕事をしているために、あっという間に一日が過ぎていく。
この頃は、しつけの本を読み漁り、ネットで検索するキーワードは、「しつけ 子犬」だった。
毎月のようにワクチン接種で病院に通い、4月中旬頃、やっとお散歩デビューを果たす。初めてのお散歩の時は、地面に下ろしたとたん、ブルブルと振るえて固まってしまい、おそるおそる歩き出すまで少々時間がかかった。
5月は狂犬病、6月はパルボのワクチンという具合で、毎月の注射も一段落し、7月1日に避妊手術を受けた。
これでひと通り、子犬の頃にやるべきことが終わって、さあ、これから思う存分楽しもう！！という矢先。。。8月のはじめに右目に異変が起きた。
病院で診てもらうと、ブドウ膜炎という診断。初めて聞く病名で、ネットで検索してみた。目に濁りが出ていた。炎症を起こしているため瞼が腫れて、目が開かなくなったのだろうということで、注射と飲み薬で一週間程度、様子を見ることになる。その日の夕方には、目も普通どおり開くようになり、濁りもだんだん引いていった。ただ、瞳の部分の白濁が消えない。これはおかしい。。。
病院の先生から、「白内障かもしれない」と言われる。
生後8ヶ月を過ぎたばかりの子犬が、白内障？？？自分の耳を疑った。
ショックと、右目がほとんど見えていないのではないかという現状に、涙が溢れた。
都内にある眼科専門の病院を紹介してもらい、さっそく連れて行く。
やはり、白内障という診断だった。若年性の白内障。こんなに小さいうちに出るのは、遺伝的な要素が大きいということだった。
白内障の治療は、するか、しないかに分かれる。見えるようにするには手術しかない。幸い、検査の結果、まだ手術が可能な状態だったので、お願いすることにした。
手術を決断した後も気持ちの中では葛藤があった。また麻酔、しかも痛い思いをさせてしまう。でも、このままでは右目が失明する。費用もかかる。術後のケアも心配だった。でも、進行が早くゆっくり考えている余裕はなかった。こうして、8月の末、右目の手術を受けた。
手術後、特に1ヶ月は大変だった。カラーも1ヶ月半から2ヶ月近く付けてた。振り回すようなオモチャは与えず、じゃれて目にぶつかるといけないため、他のワンコとの接触は避けるなど、一番、遊びたい盛りなのに、色々とがまんをさせることばかり。
でも、おかげで見えるようになり、日に日に元気を取り戻していくエルを見て、手術を受けて良かったと思えるようになった。
そして、エルも1歳の誕生日を迎え、手術から4ヶ月ほど経過した年末の検診では、ドッグランOKの許可も出て、年末年始のお休みには、ドッグランやドッグカフェなど、今までの分を取り戻すかのように、いろんなところへ出かけた。
そんな喜びも束の間、1月16日、心配していた左目に異変が起きた。
右目の時から、白内障は両目なるものだと聞いていたので、心のどこかで覚悟はしていた。でも、こんなに早くなるなんて。がんばってここまで回復して、やっと、いっぱい遊べるようになったのに、また手術。
この半年で3回目の手術となってしまう。前回よりは気持ちにも少し余裕があったが、そのままにしておくと、運がよければ目が潰れない、網膜剥離や緑内障のリスクが高くなるなど、色々と考えると、最終的には「手術しかない」という結論に達する。1月28日の検査で手術が決まった。2月6日に予約を取る。手術の前日から1週間ほどの入院となる。
この一年、本当に一年しか経っていないのか？と感じるほど、色々なことがあった。また、これからしばらく大変な日々になりそうだけど、きっと良くなると信じて、エルと一緒にがんばろう！と思う。
