手術後は、とにかく目に気を付けて、かなり神経を使いました。
せっかく手術して見えるようになるはずが、私の不注意でダメになったらと思うと、それはそれで緊張の毎日でした。
トリミングも3ヶ月ほど控えるように言われていたので、手術前に初めてコッカーカットで顔をツルツルにしてもらいました。
でも、体や足は伸ばしていたので、ある程度は残してもらいました。
目の手術だから、目のまわりだけで大丈夫だろうと思ったのですが、これは、後から後悔しました。
全体をツルツルにした方が、世話をする上でも良かったです。
特に耳の毛は、水を飲むとカラーの内側に水滴が垂れて、びしょびしょになりましたからね。
話が飛びましたが、エルを預けた翌日の8月30日（火）、手術当日の日を迎えました。
手術時間は20分〜30分程度のもので、すぐに終わると言われていました。手術には立ち会うこともできます。
実際、先生から「立会いますか？」と聞かれました。
そばで見守ってあげるほうがいいのかもしれませんが、立ち会うほどの勇気は私にはありませんでした。
「手術後に会いに来てもいいですか？」と尋ねると、うれしくて興奮させてしまうので面会は控えて下さいとのことでした。
ただ、電話をすれば様子を教えることはできるので、手術が終わる時間を見計らって連絡して下さいと言われました。
夕方の4時過ぎには終わるでしょうとのことでした。
手術当日、この日は仕事が手につかない状態でした。
午前中はまだ良かったのですが、午後、手術の時間が近づくにつれて、もう始まったかな？どうかな？と気になって仕方がありませんでした。
無意識にため息が出てしまいます。
集中、集中と言い聞かせながら仕事をこなし、仕事が終わる5時半のチャイムが鳴りました。
もう手術は終わっている時間です。
気になって仕方がなかったのに、いざ電話をかけるとなると、二の足を踏んでしまいます。
何の連絡もなかったのだから、無事に終わってるはずだと思う反面、トラブルがあって時間がかかってたら…
色んなことが頭をよぎりました。
意を決して電話をかけたのは6時になる頃でした。
ドキドキしながら電話をかけ、受付の方に名前を告げると「院長に代わります」とのこと。
院長先生から「エルちゃんの手術は無事に終わり、今はもう、麻酔から覚めて起きてますよ」という言葉が聞こえました。
ほっとしました。
「詳しいことは退院の時にお話します」と言われて、何かあるのかとちょっと気になりましたけど、手術までの間、自問自答の日々でしたが「良かった」と思いました。
一日おきくらいに電話で様子を伺い、土曜日にエルを迎えに行きました。
ビデオを見ながら手術の様子の説明を受けます。
ギリギリだったせいか、普通は出血しないような場面で、敏感に反応して出血したりしたそうです。
血がにじんでくる様子が映されていました。
もし、この出血がこれ以上多くなっていたら、手術を途中で断念しなければいけない状態だったと言われました。
本当にギリギリセーフだったということを改めて実感しました。
もっと早く対処できていれば、同じ手術をするにしても、こんなに大変な思いをさせなくても良かったのかもしれません。
そして、白内障は両目なるものです。
いずれ、左目もかかると思いますが、時期などは、はっきり想定できませんと言われました。
左目もなるということを覚悟しました。
今度は、じゅうぶん気をつけて、早めに対処できるようにしようと思いました。
5泊6日の入院生活を終えたエルは、少し痩せて小さく見えました。確か9kgだったと思います。
私の顔を見ると、うれしそうにシッポを振って体全体で喜びを表現しているようでした。
でも、あまり興奮させてもいけませんからね。その辺が難しいところです。
手術した方の目が、かなり腫れていました。
とても痛々しい感じで、また、自分の出した結論が良かったのかと疑問に思ったりもしました。
目の周りの毛を剃られるし、まつ毛も根元から切られるので、顔の様子も違います。
手術をした方の目は、乾燥を防ぐために両側の目の際がひと針づつ縫ってあります。
両側がつままれている感じです。これは、糸が自然に解けて元に戻るとのことでした。
首には透明のカラー（エリザベスカラー）をつけてます。
カラーも全て同じではなく、避妊手術の時と目の手術の時では角度が違うことも知りました。
避妊手術用は、お腹をなめないように比較的広がったカラーですが、目の方は、後ろ足で目を掻いたり何かが入ったりしなように、若干すぼまっています。
説明では、カラー装着は2ヶ月〜3ヶ月と聞いていました。
これも、その子の回復状況によるそうです。
淋しそうではあったようですが、入院中もおとなしく、ほとんど手がかからなかったということでした。
サークルで寝る習慣がついているので、それが良かったのかなと思いました。
普段、飼い主さんと一緒に寝ている子は、最初はケージの中で寝ることができない子もいるそうです。
鳴くことも興奮しますからね。
1週間分の飲み薬と、4種類の目薬が出されました。
検診は1週間後です。
この日から、母に協力してもらって、エルの介護が始まりました。
最初の1ヶ月は、とても大変でした。その中でも最初の1週間は特に。
飲み薬は食前30分だったので、飲ませてから散歩に出かけました。
4種類の目薬は、1日2回、3回、4回と、その種類によってさす回数が異なります。
それぞれの目薬と目薬の間隔は、15分程度あけなくてはいけません。
朝は目薬を全部さすので、それだけで1時間程度の時間を要します。
紙に時間と種類を書きながら目薬をさしてました。
昼間は母に来てもらって目薬と散歩をお願いしました。
カラーをつけてても散歩は可能です。
子犬の頃は、掃除機のように地面をクンクンしながら散歩してたので、ガーガー、カラーが地面をこする音を立てながらの散歩でした。
エルは寝る時間が早いので、夜は、最後の目薬をさすのが大変でした。
1日4回の目薬は、4時間程度の間を空けないといけません。
できるだけ定時で帰宅するようにして、この頃から同僚にも協力してもらいました。
寝る時は、サークルの中は空っぽにして何も置かないようにしました。
そばで寝ることも考えましたけど、心を鬼にして、変わらずに寝室で寝るようにしました。
エルにとってはサークルの中が一番落ち着く場所ですからね。
でも、最初の頃は気になって、なかなか寝付けませんでした。
退院した翌日は日曜日でした。
朝から目やにが多く、心配になり病院に電話を入れました。
目を気にして前足で目をこすったりするけど、カラーが邪魔で思うようにならず、クッションに目を擦りつけたりする仕草をするのでハラハラしました。
そういうものも、片付けたほうがいいと言われました。
休診日ですが、病院は開いています。
様子を説明すると、心配ないとは思いますが気になるようなら、また電話下さいとのこと。
様子を見てても、目やにで目があまり開いてないように見えました。
気が気ではなく、また病院に電話を入れました。気になるようなら診察してくれるとのことでした。
院長先生は不在とのことですが、他の先生が診察してくれるとのことで、退院翌日にもかかわらず病院に連れて行きました。
結局、ひと針縫っている部分が気になるので目を擦ろうとしているようでした。
目やにの検査もしてもらいましたけど、特に問題ありませんでした。
目やにと充血。
これもまた、目の病気の危険信号のひとつだそうです。
まあ、もともとコッカーは目が充血しやすいそうなのですが、エルは、うちに来た時から目が充血してました。
エルに会いに来る友人は、10人が10人、「エル、目が赤いね」と言ってましたからね。
しかも、朝起きると、たっぷり目やにが出てました。
実家でもワンコを飼っていたことがありますが、犬って、こんなに目やにが出るものなのかな？と思ってました。
充血と目やにが気になった私は、ワクチンのたびに病院の先生に聞いてみました。
でも、きちんと診てくれるわけでもなく、いつも言われることが「コッカーだからね〜」でした。
コッカーの知識がなかった私も、そうか、コッカーってそういうものなんだと思ってました。
その後も、別の気になる様子を聞いた時も、鼻であしらう感じで、時にはバカにされているような気にさえなりました。
この先生は、犬があまり好きではないんじゃないのかな？と感じたこともありました。
でも、近所では一番利用している人が多い病院だったので、不信感を抱きながらも通っていました。
そんなこともあり、避妊手術を受ける時も心配でした。
でも、これが終われば、しばらく病院通いもないから、がまんがまん、なんて思ったものです。
そして、避妊手術を終えて抜糸が済んだ時に、病院を変えようと思いました。
家から一番近い病院に変えてから間もなく、目に異変が起こりました。
目やにや充血は、目の病気の危険信号のひとつだということも知りました。
確かにコッカーは目が弱いから、目やにや充血が即、病気というわけではないのでしょうが、あんなに目やにがひどかったエルが、多少は出るけど、手術後はほとんど目やにも出ないので、やっぱり異常だったんだなと思いました。
もし、最初から今の病院に通っていたら、もっと早く異変に気づいてあげられたのかもしれないと思いました。
話が反れましたが…
1週間ほどで溶けてなくなる糸ですが、目の際の縫い目を抜糸してもらいました。
今思えば、必要以上に神経質になっていたのかもしれません。
左目の時は、慣れたものでしたからね。
こうして、手術後はじめての検診までの1週間は、特に忙しく一日が過ぎていきました。
