あれは5月の連休だった。32年ぶりに犬を飼うことになった。なんだかコーギーというむずかしい名前のくせに、妙に弱々しげでか細い、およそ従来の犬らしからぬ犬であった。
「花子にしよう」「いやあ、○○がいいんじゃない」などとさんざん話し合っていたわりには、「3ヶ月呼ばれていた名前でいいじゃない」に変わっていたりした。芝生でするうんちが妙に細長かった。道行く人が笑顔で「かわいい」といった。しっぽのないコーギーが我が家にやってきた。