ある夏の夕方・・・ララもチャコも居たころ・・・
わが家の父さんは、あの頃友達を呼んでよくマージャンをする。ふたりはあのやかましいジャラジャラが大好きだった。
あの音がするときは大好きな父さんがいる・・・と覚えてしまったようだった。
ある夏の夕方、私はララとチャコを連れて散歩に出かけた。何時もの散歩コースを一回りしてわが家の近くに有る中国電力の独身寮の前まで来たとき二人は其処にどっかりと座り込んで動かなくなった。
『帰ろうよぉ〜』動かない、なだめてもすかしても動こうとしない。
疲れたの・・・じゃー少し休もうか・・・と私も仕方なく一休み・・・。
そこで私はハタッと気が付いた。
独身寮の開け放たれた窓からジャラジャラとパイの混ぜる音が聞こえている。
『コイツら・・・あの音が聞こえたのか・・・』
あの音=父さん・・・ソレに気が付いたとき・・・なんて可愛いく・・・じらしいヤツ・・・。
思わずふたりを抱きしめたっけ・・・。
なかなか帰らない私たちを心配して父さんが迎えに来た。
音のする窓と父さんを交互に眺めてやっと腰を上げた2人・・・
懐かしい夏の想い出・・・。