ボーダー・コリーはラフ・コリーと祖先は同じで、スコットランドの古い犬種です。しかし、ラフ・コリーと比べると地味なためにその作業能力を重視した繁殖が行われ、犬種団体の公認ということからいえば近年まで登場していません。国際牧羊犬協会(1906年創立)のなかでその能力を遺憾なく発揮していたのです。
1960年代の半ばにイギリス・ケネルクラブが犬籍の登録を開始し、1982年クラフトーショーで犬種として初めてCC(チャンピオンーチャレンジーサーティフィケイト)を授与されました。ですから、古くから存在した犬種にも関わらず、犬種として犬種団体が公認したのは近年になってからなのです。
最近ではショー・リングの上でボーダー・コリーを見ないことはありませんが、ショーナイズされた彼らのほかにも、今なお世界中の牧場で、牧羊犬として実際に働いている犬が多いようです。それだけ能力が高いということでしょう。
ボーダー・コリーの特徴はなんといっても作業能力にあります。羊を追い込む光景をテレビなどでご覧になったことがあると思いますが本当に見事なものです。
現在ご家庭で飼われている方はその能力を実際に見ることはできませんが、ドッグ・スポーツといわれるアジリティー、フライング・ディスク、フライボールなどその代表的な競技において常に上位を占めているのがボーダー・コリーです。昔から綿々と受け継がれている能力を存分に発揮している結果といえましょう。