ヨークシャー・テリアは19世紀後半に人為的に作られた犬種で、その祖先はいくつかのテリア種が関わっているといわれています。
19世紀の中ごろにスコットランドからイングランドに多くの織工たちが移住し、ヨークシャーやランカシャーに住み着きました。このとき彼らが連れてきたのがスカイ・テリアで、その子孫がヨークシャー・テリアだという人もいますが、初期のヨークシャー・テリアがすべて共通の祖先から発達したかといえば疑問が多くあります。それは、この地方には多くのテリアと小型の愛玩犬種がいて、それらが混血していると考えられるからです。

また、古いブラック・アンド・タン・テリアとスカイ・テリアの混血であるとか、ダンディ・ディンモント・テリアとクライスデール・テリア、それにマルチーズも関係しているという人もいます。

とにかくこの犬種は、イギリスはヨークシャーのウェストライティングというところに住んでいた織工たちが作り出したことは問違いなく、犬種名もここから来ています。ヨークシャー・テリア作出の初期の目的は、ネズミを捕まえることがうまくしかも外套のポケットに入るような小型犬を作ることにあったといわれています。

愛玩犬のなかでも小さい部類に入る美しい魅力に富んだ犬種です。この犬種を評して『動く宝石』という人もいるくらいです。頭部からフォールにかけて金色に輝く被毛を有し、ボディは黒がちな中に光り輝くようなダーク・スティール・ブルーという被毛色で、このコントラストが『動く宝石』のゆえんのようです。