いつまでもあると思うな散歩時間。
この角を曲がればインヤンち前ストリートだ。
このストリートでは、インヤンはう○こをしてくれない。
なぜだろう?
見かけによらず綺麗好きなようだ。
自分の家の周りに悪臭が漂うのは許せないんだろう。
それが自分の物だとしても。
たぶん。きっとそうだ。
それにしたって寒いんだから私はもう帰りたいんだよー!
インヤンう○こになんかに付き合ってらんないんだよー!
“そんなこと言わずに今日はこっち行こうぜ”
あぁ、インヤンに引かれて行く私。ドナドナ。
へへ、今日の散歩はロングコースだぜで、滅多に来ない通りを歩いていたら雪かきしてる親子がいたんよ。
お子様のそりにお父さんが雪を乗っけて子供が捨てに行くって感じね。
んで、お子様がインヤンを見るなり『オレ、あの犬にぜってぇ勝つ!』って。
ななな、なんという大胆不敵な宣戦布告。
思わず私のスプリンター魂にも火がつくってもんよ。
負けない。 ぜっってぇ!!
インヤンとの勝つ!シンパシーを感じつつ、早歩きで逃げる。追いつかれないように。
ここは走ったら負けでしょ。大人だから!
ぬおぉぉぉぉぉーーー!!!
ガガガガガーーーーー!!!
訳のわからない雄たけび&ダッシュと共にもの凄いそりの音が。
ビビるインヤン。
振り向いちゃ負けだ!
ガガガガガガ!
スタスタスタ。
ふむ、敵は雪に足を取られて引き離されてきたぞ。
しめしめ。
“くっそ〜、オレの負けだ〜!”
おぉ、なんて潔いお子様なのだろう。
そしてここでインヤン勝利のう○こが!
やったね!インヤン!!