犬をしつけるための基本中の基本は、飼い主が犬のリーダーになることです。
犬は群れの中で縦社会を築いて生活するという習性を持っています。
自分の立場が、相手に対して上か下かという順位の決定を常に行い、順位が上のものの命令には従わなければなりません。
順位の一番上に立つものは、絶対の権力とともに、群れを守っていくという役割も担わなくてはならず、統率力も必要です。
下の立場のものは、自分より上の立場のリーダーの命令に従わなくてはならない代わりに、群れを守っていくという仕事をしなくても済み、リーダーに群れ全体が守られているという安心感を得ながら生活していくことができます。
そのため、自分を任せることが出来ないと判断されたら、リーダーは失格です。
統率力は失われ、命令を聞くことはなくなります。
このように、犬のしつけには、飼い主がリーダーになるということは絶対不可欠なことですが、決して簡単なことではありません。
リーダーとして、常に、犬から信用されるような行動をとらなくてはいけません。
一緒に暮らす家族や、そのほかの人間、周りの犬の間でも、犬は自分の順位の確認や決定を行っています。
飼い主はそれらも全て念頭に入れておかなくてはなりません。
犬が自分より順位が下だと判断した者を、リーダーである飼い主が、上位である自分より可愛がるようなことは、犬には理解できないことになります。
そういう意味で、特に家族間の順位付けでは、必ず犬が最下位になるようにする必要があります。