犬をしつける際の体罰については、絶対に良くないとする否定派と、犬は言葉が分からないから体罰も必要という肯定派とに分かれます。
犬はもともと、親犬に噛まれることで、群れの中のルールを教えられてきました。
そうした習性を考えると、物事の善悪は身体の痛みによって教えた方が良いというのが肯定派の考えの一つです。
つまり、肯定派の方にとっても、感情的になって叩くなどの体罰はやはり良くないということになります。
確かに、悪い行動を叱るときに体罰を与えることは、とても分かりやすい叱り方ですし、飼い主の怒っているという感情をストレートに伝えることも出来ます。
そのタイミングと痛みの与え方さえ間違えなければ、犬は一度で善悪を理解することも可能で、問題行動がエスカレートすること防ぎます。
逆に、体罰を与えるタイミングを少しでも間違えば、何が原因で体罰を受けたのか、犬は全く理解することが出来ません。
犬には痛みと恐怖心のみが残ります。
そういった、体罰を受けたことによる精神的なトラウマは、一度受けてしまうとなかなか消し去ることはできません。
善悪の判断のついていないうちに体罰を与えることで従わせようとしても、犬には悪いことをしたから体罰を受けたという認識はありません。
体罰を受けることで、せっかく犬との間に築いた信頼関係も失われていくことになります。
何かの競技会に出場するための訓練などの目的ではなく、一般の家庭でのしつけということでしたら、体罰によるメリットはないと考えたほうがいいいでしょう。