犬をしつけるにあたって、甘やかさないということの次に注意したいのは、「名前を呼んで叱らない」ということではないでしょうか。
名前を呼んでこちらに来させるとか、名前を呼んで戻ってこさせるという行動を教えることは、しつけの第一歩であり、あらゆるしつけにおいての基本ともなるべき行動です。
犬が何か失敗をした時、咄嗟についつい名前を呼んでしまいがちですが、名前を呼んで飼い主の方へ来させてから叱ることが続くと、犬は、「名前を呼ばれる=叱られる」ということを覚えてしまいます。
そうすると、いくら名前を呼んでも飼い主の方へ来なくなってしまいます。
名前を呼んでもこっちに戻ってこなかったり、聞こえないふりをしたり、ましてや逃げてしまうようになると、その後のしつけは大変難しくなります。
叱るときは、名前を呼んでこちらに来させてから叱るのではなく、飼い主が犬のほうへ行って叱るようにします。
犬の名前を呼ぶときは、必ず、ほめたり、食事を与えたり、遊んだりなど、犬にとって快適な時間、いいことが起こるという期待を持たせるようにしましょう。
これは、他のしつけにも言えることですが、何かを教えるときは、○○をしたらいい事が起きた(ほめられた、おやつをもらえたなど)と認識させることが大切です。
犬は、「叱られた=悪いことをした(=だからもうしない)」と認識することはしません。
「褒められた=良い事が起きた(=だから繰り返してしよう)」と認識することで、教えたことを繰り返すようになります。