「病院で起こった世にも素敵な物語2」
〜オレはう〜にょんの手記〜前編
オレの名前はうーにょん。小さかったからあんまり覚えて
いないけど、広い駐車場にお母さん猫と兄弟達と一緒に
暮らしていたんだぁ。
ある夏の日、その事故は起きたんだ。
その日は朝からすご〜く暑くて、うーにょんと家族は日陰に
なる車の下でお昼寝してたら、突然車のエンジンがかかった。
パニックで車の下でオロオロしてたら逃げ遅れちゃったんだ。
ものすごい力でうーにょんの足はタイヤに巻き込まれて・・。
お耳もすんごく痛かった。痛くて痛くて死んじゃうと思った。
だけど必死に駐車場の裏の家の庭に逃げ込んだんだ。
そこの家は猫や犬をたくさん飼ってる家で、何日かそこで痛い
のを我慢してたんだけど、うーにょんが大怪我していると気が
ついた家の人が、うーにょんを段ボールに詰め込んで何処かに
連れて行こうとするんだ。
「足と耳が痛くて死んじゃうよぅ」って大きな声で鳴いてたら
何だか変なスースーする匂いのところに置いていかれた。
野良猫の間で悪名高い「ビョウイン」だった!
その時とにかく色んな所が痛くて、知らない人間もたくさん
いたから、とりあえずシャーシャー言って脅してみた。
それなのにお髭の人と女の人はちっとも怖がらなくて・・・。
(注:当時うーにょんは2ヶ月ほどの子猫でしたw)
うーにょんは怒っていたけど、ご飯をくれるし、優しくして
くれるから、許してやる事にしたんだ!
足と耳の痛いのが治ったら、お母さんと兄弟の所に帰れるから
少し「病院」で我慢する事にしたんだ。
うーにょんは頭いいでしょ?
足には「ウジ」という虫がついちゃったから女のセンセイと
看護婦のねえちゃんがキレイに全部とって退治してくれたんだ。
その時まだ僕には呼び名が無くて、ウジがついてたから
「うじむしうーにょん」ってあだ名をつけられたんだ・・・。
ビョウインのニンゲンはデリカシーが無い!っていうか
看護婦のねえちゃん!ひどすぎるよぉ!!
それから何日かビョウインで過ごした。
「いつになったら歩けるかなぁ?」
って聞いたんだけど病院の人は「可哀想に」としか言わないんだ。
・・・なんだろ〜?うーにょんのアンヨはもう治らないのかぁ?
「踵の先から無くなっちゃったけど、うーにょんのアンヨはまた
生えてくるよ!」ってみんなに言ったんだ。
でも、どうやらそれは叶わない夢らしい・・・。
不幸な交通事故で「三本足」になってしまった「うーにょん」。
うーにょんはどうなる!?乞う御期待!!