我が家のペットの姉御のヒマ。足の下と耳と顔が茶色っぽく、招き入れた当時は遠くから見るとヒマラヤンッぽくみえたからヒマ。三年ほど前に隣の林に居た。目は青く目元の差ほどきつくない、パイナップルのような尻尾を持つ。こんな可愛い子を捨てた愚か者といいたいが、我が家の側に居たのはこの子の運か、それとも元の飼い主のせめてもの優しさか…
我が家は昔から自分の家に猫がいる運命で、代々外へ遊びに行くと他所の猫を連れてきて、その猫達にも外でご飯を上げ、ダンボールで作ったお家をおいていた。ヒマの事は、家族のほとんどが知らない中、父はそこへ一ヶ月ほど前から顔を出していた事をしっていた。毛の長い猫は捨てられると短毛の猫より何倍も気の毒だ。このコと出会った時、左の前足が折れた状態でくっついて、化膿したその足のせいで異臭がし、毛は山の枝を巻き込んで大きな毛玉になってしまっていた。でももう当人も限界だったらしく餌でおびき出そうとする私達の作戦に乗りフラフラ出てきた。最初は家の中に入れようとしたら、驚いて逃げ回り、二、三日かけて慣れさせ病院へ連れて行った。今でも忘れない体温42度。病院の先生の「保護猫ちゃんとするか?飼うか?」という言葉に皆が買う事を選び、その日からヒマは沢山の事をした。化膿している足を直し、熱を下げ、綺麗になる為に丸刈りにした。
そして半年以上かけて生まれ変わった姿は、雑種ながらもラグドールに良く似た、抱っこ好きの賢い猫だった。トイレのしつけも出来ていて、爪も柱等では研がない。その時に既に居た猫とも、仲良くやれ、散歩紐を床に置くと玄関まで持ってゆく。
つい最近も、趙雲を目を丸くして狙う先住人の大きな猫、キティの前に、座り込み趙雲を守ってくれた。
また、ゴールデンのアルフォンスが来た時もそうだが、子犬が家の中で吠えるとヒマがサークルに出向き見つめる。そうすると何故か鳴かなくなる。しつけのプロでもあるのだ。
家のPET事情は今、全て彼女が仕切り、中心に回っている。