テラス席なら、犬OKのレストランに行ったときのこと。
相変わらず、ミルキクはとっても良いコちゃん☆
「おとなしいね〜」なんて声が聞こえてくると、飼い主冥利に尽きる。
後から入ってきた人は、ミルキクの存在にさえ気付いてないし。
よしよし、今日も200点満点だ!なんて思っていたら・・・
事件は帰り際に起こった。
いつもはあきべえが店内に入り支払いを済ませる間に、おじちゃんはミルキクを連れてそのまま店を出る。
でもその時は、人も増えて通路が狭くなってきたので、おじちゃん一人で二匹を連れて行くより、一人一匹抱きかかえて出ようということになった。
おじちゃん・ミル・キクはその場で立ちつくし、もうすぐにでも退店できる状態。
あきべえは店内で待ち時間を持て余し、ガラス越しに見えるキクに向かって手を振った。
すると、キクがバカみたいに嬉しそうな顔して大きな声で「わんっ!」と言ってしまったのだーーーっ!!!!!!
しかも、ぶるんぶるんとしっぽを振り回し毛を飛散させまくりで。
ミルキクは普段から吠えない。
よそのコに挑発されようが吠えない。
もちろんドッグカフェで吠えたこともない。
だから、犬を受け入れてくれる場所にも堂々といける。
「いいでしょ、うちのコ静かなのよ〜」といつも鼻高々だった。
マヌケな飼い主、かなり調子に乗りすぎた。
フセしてマテのまま、その場を離れれば良かった。
たった一声、ほんの一声。
されど大きな犬の一声!!
会計が終わると、二人してヘコヘコと頭を下げながら、逃げるようにその場を去った。
思い返せば、公園のベンチでおにぎりを食べることから始まった長い道のり。
ドッグカフェのテラス席でさえ、ドキドキしていた頃が懐かしい。
初心を忘れたバカイヌシに、キクが「聞け!」と教えてくれたんだろうか。
ミルに「見ろ!」と教えられないように気を引き締めて頑張らなければ。
「うちのコは大丈夫」
大嫌いな言葉なのに、すっかり心の奥底でそう思い込んでいた自分がいたみたい。