肥 満
肥満の原因は
高カロリーの食事を与えていたり、必要以上に食事を与えている場合です。食欲旺盛だからといって動物がほしがるだけ(特に犬は与えられた食事はすべて食べます)与えていたり、高カロリーの食事ばかりを長期間与えてはいけません。他の病気が原因で食欲旺盛になることがあります。内分泌の病気や寄生虫が考えられます。運動不足やウサギなどの小動物で狭いケージの中で飼育し満足に運動ができないことも一因です。いろいろなストレスも過食の原因になります。 |
体質で肥満になりやすい場合もあります。 |
・コッカー・スパニエル ・ラブラドール・レトリバー ・ゴールデン・レトリバー ・ダックスフンド ・シェットランド ・シープドッグ ・ビーグル ・ケアンテリア ・キャバリアーキングチャールズ ・スパニエル ・バセット・ハウンド
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あなたのワンちゃんの肥満度チェック方法
両手の親指を犬の背中の真ん中に置く。
他の指を広げて、肋骨の前に置く。
親指で背骨のとんがった部分を軽くおさえて静かに前後へ手を滑らせる。
結 果
1.皮膚と肋骨の間に薄い脂肪が触れる。−−−−−理想的
2.骨が突き出ていて、ごりごりする。−−−−−−痩せすぎ
3.肋骨がクッションのような脂肪でおおわれていて触りにくい。−−−肥満
また、犬は全身を真上から見て砂時計型が理想的で、それ以外は痩せすぎか肥満です。
結果は、いかがでしたか?
肥満により予想される病気
体重が以下の割合で超過すると・・・
10%超過・・・糖尿病にかかりやすくなる。
20〜30%超過・・・高血圧による心臓病・肺疾患、脂肪肝
40〜50%超過・・・免疫力低下(膀胱炎や伝染病などの病気にかかりやすい)
60〜70%超過・・・皮膚病
80〜100%超過・・・癌、便秘、潰瘍、膵炎、関節炎、椎間板ヘルニア、
手術の危険性、繁殖力の低下
などが挙げられます。いわゆる人と同じ生活習慣病も多いです。
太っていて、身体が脂漏症で、耳が外耳炎で、ガーガー音を出して息をし、水をがぶがぶ飲み、口は口内炎で臭くて、ちょっと興奮すると舌の色が真っ青になり、たまに発作を起こし、歩き始めるとすぐ座りこみ、抱こうとするとキャンと痛がって咬もうとする、、こんなかわいそうな犬、、見たことありませんか?こういう子は、上記の病気をほとんど持っているのです。
肥満対策(減量計画)
1.定期検診(ドッグドック)
肥満による病気の早期発見と治療、適切な減量計画を立てる。
健康に見える子でも、年1回、10歳を越えたら年2回は、ドッグドックを受けましょう。 もう既に病気のある子は、獣医師の指示に従ってください。
2.運動
10〜15分、1日2回の散歩
ただし、すでに心臓病などの病気がある場合は、獣医師に相談
3.減量計画
適正体重の15%を越えている場合
食事量(カロリー)を60-70%減らす。食事の1日量を変えないで、1日3回与える。
栄養バランスのとれた高繊維、低脂肪の食事(ドックフード)に変更する。
定期的な体重測定と体重経過グラフ作成。
犬を家族の食事準備中、食事中に部屋の外に出す。
ペットスナックなど適切な食事を必要量与える以外は、決して何も与えない。
皆様もご存知の通り、動物の寿命は、人の寿命に比べて短いのです。その短い期間(人にとっての短い時間です。動物にとっては長い一生です。)を快適に、幸福に生活させてあげるのが、私達飼主の義務ではないでしょうか。生活習慣病は、治療より予防が大切です。結果的には、予防の方が、動物にかかる手間もお金も少なくて済むのです。その為に、動物が若くて元気な頃から、肥満にならないように注意し、栄養バランスのよい食事を与え、生活習慣病の予防に努めましょう。
動物の健康状態、年齢、環境などその子が必要とするものを良質で栄養バランスのよい食事を適量与えます。子犬や子猫の時期から肥満にならないようしっかりした管理が必要です。動物用の食事には、パッケージに成分と代謝量などが記載されています。どの食事がいいかは掛かりつけの獣医師と相談するのがいいでしょう。できるだけ公正な立場からペットショップなどと提携していない動物病院をおすすめします。 |
運動も大切です。ただし、たくさん運動させればいいというのは危険です。肥満は心臓などにも負担がかかっていますからゆっくり歩くような散歩を約30分(肥満の程度でかわります)くらいから始めます。これも獣医師が健康状態を診て設定してくれるでしょう。 |
肥満になってしまったら・・・ほとんどの動物病院では減量プログラムを作成します。動物の健康状態などを診て飼主さんと一緒に減量期間、目標体重、食事コントロールなどを設定し実行していきます。過度の減量は小さな動物にとって危険ですので短くても3ヶ月単位で行うようにします。短期間での急激な減量は絶対にいけません。また肥満の猫に絶食もダメです。(衰弱して死ぬことがあります) |
「ペットの病気大百科」もぜひご覧下さい。
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