うちにはいろいろ事情があっていろいろなものが棲息しているが、その中でもごく最近になるまでかなり不遇な境遇にあったのが
謎の生物デッチである。デッチという名前自体が最近与えられたものでそれまで名前すら与えられてなかった。デッチはひよこっぽい謎の生物で、はっきり言って一点を除いてあまり特徴はない。(ある意味特徴がないのっぺりしたフォルムが既に特徴だけど)唯一こいつの素晴らしいところはその柔らかさである。もうそのへんのものでは比べるものがないほどの柔らかさである。某洗剤のCMのシーツなど目じゃない柔らかさなのである。なので主に頭の下に敷かれたりという哀しい日々を過ごしてきた。さらにことあるごとに、妻の友達に丁稚に出そうか、とか、僕のオフィスの椅子のクッションを洗濯する間に代わりになってもらおうか、などと
損な役回りに抜擢されるのである。あまりの可哀相さにこのたび丁稚という名を与えられたのである。ただしやはりその柔らかさのせいかグリアも友達として接するというかはむしろ
同じぬいぐるみのくせにデッチをクッション扱いしたりするのである…。でも確かに柔らかいからなぁ。