今日はテレビで戦国自衛隊のドラマの後編をやるので気合いを入れて仕事をしていたら(←いつも気合い一杯ではあるけど)、会社の女の子たちがなにやら盛り上がって話をしているのでいったいなにを話しているのだろうと思ったら「来週はバレンタインデーだね」という話題であった。うーん、最近はバレンタインデーにドキドキすることはなくなりました。まあ妻帯者なので本命チョコを会社でもらっても困るのだけれど。
だが問題はその妻からもちゃんとしたチョコをもらえるかどうかの危機にある。それは
ゲームセンターのUFOキャッチャーでゲットしたチョコがまだまだ消費されないからである。そして
バレンタインデーまでのあと一週間では明らかに消費されそうにない。僕もだが、グリアも妻以外からは貰えそうにないので、下手したらかなり寂しいバレンタインになりそうである。
グリア、もし貰えなくても寂しがらなくていいぞ。僕が体験したある悲しいバレンタインの話をしてあげよう。
あれは大学生のときである。僕たちはその時代にはありがちな淡い三角関係なり、四角関係なりの恋愛をしていて、僕はある年のバレンタインデーにある女の子とエルトン・ジョンのコンサートに行く約束をしたのである。あれはライオンキングの主題歌が流行った年であった。ふたり肩を並べ武道館への坂を上った。コンサートでエルトン・ジョンは甘いメロディーを並べ、MCでは「バレンタインデーの恋人たちへ」などと、いまであればスピードワゴンが「あまーい!」と言わずにはおかないことを言っていた。その甘い雰囲気にふたりの関係も急接近しそうに思えた…。
コンサートのあった週の週末、僕たちは会う約束をしていた。その週末までの1日だか2日を僕はどきどきしながら過ごした。しかしである。その約束の日の前日。学校の近くの中華屋で回鍋肉定食を食べていたらテレビにエルトン・ジョンが出てきたではないか。いったいどうしたのだろうとして見てみたら、なんと、なんとである!
突然「私はゲイです」とカミングアウトしているではないか! おまえ「バレンタインデーの恋人たちに」とか言ってたくせに、それって男同士を想定してたろっ!
彼女もそのニュースを見たのだろう。次の日、僕たちは妙に妙に気まずくて、そして僕たちの距離はだんだん遠くなっていったのです。
なっ、グリア、悲しい話だろ? これに比べればチョコがUFOキャッチャーのチロルでもキットカットでも全然幸せだぞ!