大会当日の午前中は、太平洋高気圧に覆われ真夏のようなうだる蒸し暑さでした。しかしながら、午後3時を過ぎた頃に秋雨前線が上空を通過して一転雨模様となりました。それに伴い気温も一気に下がり始めました。
Chapter 4
Agilityビギナーズ競技で大暴れしたLomineは、普段以上に息が荒くなり、木陰に入ってそのまま地べたにひれ伏してしまいました。
このままだと熱射病になるのではないかと不安になったTokkyは、すぐさまLomineを連れて車の中に避難しました。
エンジンを始動させエアコンを全開にしました。それでもLomineはしばらくの間、とても激しく呼吸を続けたのです。この時点で、Tokkyはハードルレースがどうでもよくなっていました。兎に角Lomineの呼吸が落着いてくれるのを祈るばかりだったのです。
ようやくLomineの呼吸が穏やかになり、上の写真の通り助手席で体を休め始めました。『Lomine、もう無理しなくていいから、ゆっくり休もう!』とTokkyはLomineに話かけました。

Chapter 5
体温が平常となり元気を取り戻したLomineは、ムクッと体を起こしました。Tokkyもこれでホッと一安心です。
Agilityでの失敗など気にする必要はないと、Tokkyは自分自身に言い聞かせました。そして、Lomineのことを決して否定的に考えてはいけないと何度も心の中で念じたのです。こんなに愛らしいLomineの一体何処に不満があるのでしょう?LomineはTokkyにとって最高のLady Beagleなのですから。
Chapter 6
そのような事をとりとめもなく考えていると、突然誰かが車の窓ガラスをたたいたのです。
『もうハードル・レース始まっていますよ。急いで来て下さい!!』と、顔見知りの大会関係の方がわざわざ呼びに来てくれたのです。
『え〜!もうハードル競技なんですか?午後からではないのですか?』
またもや不意をつかれたのです。

Tokkyはハードルがてっきり午後からだと勝手に思い違いをしていたのです。急いで準備を済ませ、競技場の入口へと向かいました。結局失格にはなりませんでしたが、オン・リード部門の一番最後にまわされてしまったのです。
放心状態で、しかもいまいち志気の上がらぬTokky and Lomineのコンビです。とりわけLomineは、最初の数個のハードルをほとんどジャンプする気がなかったようです。ようやくリズムカルに跳び始めたと思ったら、今度はコースを外れてしまったのです。無理やりリードを引っ張って強引にコース内へと戻してしまいました。
その後しばらくは調子良くハードルを跳び越えたのですが、最後の方で再び横に外れてしまいました。先ほどと同様にすぐさまリードで引き戻しました。最終的には2回コースを外れましたが、とりあえず完走できたことが何よりだと安堵するTokkyだったのです。
更に次回へと続くのです。