誕生日をむかえたナッティは2歳になった。
犬年齢の1歳は18歳、2歳は人年齢の24歳ぐらいにあたるそうである。
人間の女性で言えば、18歳と24歳では考え方や行動も大きく違う気がする。
ナッティはと言うと、僕はずっとそばにいるからかもだが、1歳の頃とあまり変わらない気がする。
他の犬との接し方も、遊び方も食欲もしつこさもこれといって変わっていない。
しぐさや大きさから、未だに1歳未満と間違えられる事もしばしばである。
しかし、確実に年をとっているのである。29年先に生まれた僕より早い時間を、ナッティは過ごしているのである。
『犬の十戒』は何度読んでも心に響く。マンガ『いぬばか』に出てくるペットショップ『わっふる』の店長の飯田哲平の「ペットを売ると言う事は同時に死も売ると言う事である」も何度思い浮かべても心に刺さる。
まだ若いのにと言われるかもだが、それは若い今だから言えることである。限られた時間の中でより楽しい時間をナッティと過ごしたいものである。
ナッティはあまり変わってないかもだが、人間の僕は大きく変わった。どんなに疲れててもお散歩に行く責任感や、ナッティにしつけしながら最後までやり遂げる事を僕はしつけられた。
そしてなにより命ある生き物のすばらしさや大切さを学んだ気がする。人間として思う、『不老不死の薬』より今ある命の時間の方が大切である。