誕生日をむかえた僕は、31歳になった。
21歳と考え方は大きく変わってない気がするが、若くてカッコイイは当たり前であり、歳をとっても輝き続けるヒロトのような人物に、魅力を感じるこの頃である。
ユウコとも話したが、洋服の選択も流行とか好きな物より自分に似合うものを求め、それが一番落ち着くようになった。
人年齢の31歳は、犬年齢では3歳と9ヶ月ぐらいである。
まだ僕の方が年上であるが、僕より早い時間の中を過ごすナッティに、いつかは追い越されるのである。
僕自身の見た目の年齢は、毎日鏡で目を合わせる僕にはわからず、他人の判断にゆだねるとして、体力面はいまだ衰えを感じない。
先週末、夜遅くまで飲み、喰い、騒ぎ、帰ってチャリで往復80分の鉄人レースの次の日もすっきり起き、昼から出かけ、二日酔いであろうとカレーを喰らい、ナッティとの1時間のお散歩もこなした。
随分前であるが、ナッティとのリーダー争いをしている時に、なかなかお散歩中に言う事を聞いてくれない時期があった。
そんな時ネットか何かで、「犬は一緒に走ったり、楽しく遊んだりする中で、飼い主をリスペクトし、リーダーと認めていく」と言う例が出てたと、ユウコが教えてくれた。
それからお散歩中に、一緒に走り出した僕をナッティは、尊敬のまなざしで見るようになった。それまで叱ったり、オヤツでつったり色んな事を試したが効果薄であった。
チャリや猛ダッシュで走る僕に、拾い喰いを忘れて追いかけてきた。ボール遊びもそうであった。ただ投げるだけでなく、僕も一緒に走って追いかけた。すると「もっと投げておくれ」とくわえて持ってくるようになった。
水泳もそうであった。川岸で見てても怖がって泳ごうとしなかったが、僕が川で泳ぐと一生懸命ついてきた。
叱ったり、ご褒美をあげるより、ただ走ったり、一緒になって楽しく遊ぶだけで、僕をリスペクトし、僕の言う事を聞くようになった。
ペットショップ『犬☆漢』の店員エルトンの「何十個のオモチャをあげるより、少しでも多くの時間一緒になって遊んであげて下さい。」と言った事が身に沁みる。
これから先僕は、体力的にも当然歳をとる。しかし、それを少しでも遅らせる努力を怠る事無く続け、バリーボンズやキングカズのように息の長い犬飼いでありたい、そう思う。