ナッティといつもお散歩に行く『アナスイ地区』に以前、伝説のビーグルが存在したらしい。
初めてアナスイ公園デビューした時、犬飼いと犬の多さにも驚いたが、それよりも犬飼い達の反応に驚いた。
みんなどこかよそよそしく感じ、ガンマンご登場の西部劇のバーのように、よそ者にだすバーボンはここにはねえ的な壁があった。
ここは昔からの地元住人が多く暮らす住宅街であり、だんじり銀座でもあるからと思っていた。
犬★コミュニケーションすると大体の飼い主が、「このビーグルは噛みませんか?」と聞いてくるのである。ひどい時は「ウチの犬はビーグルダメなんです」と足早に通り過ぎていく。
そして公園に通うようになり、「このビーグルはMIXですか?」とか「仔犬ですか?」などどこかずれた質問される事がしばしば続いた。そして家の中で飼っている事に誰もが驚くのである。
なんとなくこの地区の犬飼い達は『ビーグル』を恐れている事がわかった。しかし、チワワやシーズーにさえ、すぐ腹を見せ服従するナッティに犬飼い達は心を開きだした。
関西のビーグル人気薄の影響モロなのか、この犬の多い地区にナッティ以外のビーグルは一匹しかいないらしい。そのビーグルこそが『伝説のビーグル』である。
体重は約20キロ、体は17インチで、とにかくいつも吠えて犬を威嚇し、犬はもちろん人間まで噛まれたことがあるくらい凶暴で、犬飼いや子供を持つ親から恐れられていた。
その伝説のビーグルしかしらない人たちは、ビーグルは闘犬で凶暴と言うイメージをうえつけられたのである。
もちろん大人しいビーグルの存在もありえると、みなさんはご存知であるが、近所にそんな伝説のビーグルがいたら、あまりかかわりたくない気持ちもわかる。
僕だって近所に悪い事ばかりする暴走族がいたら、中には心優しき暴走族がいる事を知ってても、かかわろうとしないであろう。
毎日通うにつれ犬飼いのお知り合いができ、凶暴なイメージと真逆なナッティは、すぐひっくり返るのとボールを持ってくるビーグルとして有名になった。ビーグルがいい犬とわかってもらい何よりである。
今日も若き奥様方に「うちの子にボールを投げさせてもらえますか?」と行列(3名)ができた。そうアナスイ地区の住民権は得たのである。
そして1年以上が経ち、ナッティはビーグル伝説をぬりかえた。もう凶暴なんてイメージは全く無い。体をはってこの地区に平和をもたらしたのである。
もしこの地区に新しいビーグルを見かけたら、ガンマン達は「おい見ろよ!腰抜けのビーグルだぜ!」とあざ笑うかもしれない。
少し複雑な気もするが、凶暴につき誰からも恐れられた孤独なタイソンより、みんなの人気者の伝説の男ガッツで結構である。
この経験からナッティと僕の行動によって、ビーグルやビーグル飼い全体のイメージを変える事がある事を知った。少しでもビーグル飼いのイメージ向上に努めたいものである。