土曜日、ユウコはOLグルメ旅で、阿波座にフレンチを喰らいに、僕は銀河系軍団の新年会に、徒歩3分の激安居酒屋行った。
軽く昼寝のつもりが爆睡眠して寝過ごしてしまい、2次会から合流した。
宴も酣であり、10数人が熱くフットサル論を論じ、非常に入りづらい空気であった。
途中出場するもパスがなかなかまわってこず、無駄な動きをして早くも息が上があがりそうであった。
ここ2ヶ月僕が参加していない間、連勝は止まり、負け続きで主力メンバーも数人やめたらしい。
ど素人のフットサル理論が続く中、久しぶりに会った友人のベッカム(仮名)と、『スカイラブハリケーン』などキャプつばの話で腰を折った。
彼と僕は出会って15年ぐらいになる。昔は修二と彰のように2人で1つであり、毎週のように遊んでいたが、今では1年に1、2度飲みに行く程度である。
かるく昔のオレ自慢であるが、15年前の第1回目の高校生活、学校の人気投票で僕を万年2位に追いやった彼は学園のスーパースターであった。
その彼も今では某一流建設会社のニセ社員となり、年間135試合コンパをこなす、合コンの帝王となった。15年前に比べ体重が15キロ増え、見た目的にも大きく変貌を遂げた。
しかし!今回の飲み会で彼の全く変わらない一面を垣間見た。まず最初到着した時、目からウロコがゴッソリ。彼がノルディック複合のユニフォームの柄のようなセーターを着用…遭難防止であろうか。
そして宴が終わり、帰ろうとして彼がセーターの上に羽織った物に目を疑った!10年前ぐらいからご愛用のジャケット『松方』(僕が命名)である。
某大物俳優が似合いそうなグレーのチェック柄で、やや大きめのダブルジャケットである。当時でも違和感大アリであったが、今日ではなおさらである。
僕は物持ちの良さはもちろん、彼の変わらない一面を垣間見て、僕たち庶民には決してまねする事のできない、『帝王の美学』をお持ちなんだと思った。
思えば11年前、成人式の時も彼は、栄養専門学校の服部先生のようなスーツを、弱冠20歳で着こなしていた。きっと世の中の女性達は、彼のそのオーラに酔いしれひき込まれて行くのであろう。
マイケル、ひろみ郷そしてキングカズのように、何時の時代もスーパースター達は、庶民には決して理解できないファッションに身を包み、それをも自らのオーラに変える器であるゆえに成り立つのである。
その辺のおっさんが真似したところで、服に着られるか、気が狂ってると思われるだけであろう。
帝王と僕でも昔は共通の話題が腐るほどあって、飲みに行く度に閉店までしゃべりたおしたが、今では昔話とフットサルぐらいである。
そう言えば10年ほど前、WOW WAR TONIGHTをよくカラオケで大合唱したものである。今思えば身にしみる歌詞である。
合コンの帝王とビーグル飼いになった今、会う機会は少ないが、また新しい愉快な時間を共用できたら、そう思う。