先日僕の暮らす町のお役所から、ナッティ宛てに一通のおハガキが届いた。狂犬病の予防接種のお知らせである。ナッティにとっては不幸のお知らせかもである。
この1週間、時間帯別に移動し、町のあらゆる場所にお注射隊は出没するも、最終の場所はいつも4時までで終わりである。さすがお役所仕事である。
お役人や儲けたおしている獣医と異なり、僕は時給ナンボのバイト君ゆえに、早く仕事を終らせてお給料を減らすも覚悟の上、愛犬の為ならいたしかたなくである。
水、木は急がば早く帰れる為、大急ぎで仕事をやっつけゴッティンガムに凱旋した。雨も止んだ3時過ぎ、現在は海の近くのABS小学校にお注射隊ご一行はいるはずである。
地図で道を確認した後、ナッティを車に乗せABS小学校に向かった。昔ながらの細い一方通行の道を迷いながらも到着した。
ABS小学校は近くに大きなマンションが時を同じくして次々建った為、少子化とは逆にピーク時には1200人が通う為、ツギハギだらけの仮設校舎であり、場所は正門前とおハガキに書いてあるも、どこが正面かわからずゆっくりと学校をグルり。
新学期が始まっていれば、不審車に乗った不審者である。しかし!どこにもお注射隊はおらず…。
仕方なくお役所に電話すると、悪天候の為中止と言われる・・・どう考えても雨は止んでるし、ときより太陽がチラチラ覗いているではないか。もしこの程度でプロ野球の試合が中止なら、阪神ファンなら暴動である。
しかたなくせっかく海近まで来たんで、メリケンパークもどきのキラパーを訪れた。
海にはゴミが赤潮の如く汚くとも雰囲気は良く、風が気持ち良かった。ナッティは近くに停泊していた船の船員に対し、遠吠えで出迎えた。
わが町とは思えないほど雰囲気があり、ステキな空間であったが、ナッティはロマンチストではなく、下ばかり向いてニオイを嗅いでばかりであった。
奥に芝の小山を発見すると、大喜びで走り出した。やっぱりナッティは海より山派なのであろう。
お注射を免れ、帰りにペットショップにも立ち寄り、ナッティ的には最高のデートコースであった。明日は恐ろしきお注射が待っているのだが。