日曜日、ユウコはナンバにお買い物へ、僕はナッティを連れ、車で小一時間行った所にそびえ立つ、『Mt.マキオ』に行った。
ナッティに出会うまで山には全く興味なく、ヘビや虫が多いなど危険で近寄り難い存在であった。登る行為そのものも理解できず、生死を賭けてまで登る人を冷ややかにとらえていた。
しかし、今では生死こそ賭けないものの山が好きになり、登る行為にもロマンを感じるこの頃である。
一昨年の冬は毎週のようにMt.マキオに家族ぐるみで出かけたものである。今年は僕が腰を痛めていたため、今回が初登山となった。
腰はどうやら骨の形成が問題らしく、違和感が無くなる事はないが、ナッティの嬉しそうに登るその様に励まされ、痛みを忘れる次第であった。
道中雨が何度かパラリくるも、ゴボウの様な細長い木が茂り傘となり、雨水をしのぎながらゆっくりと頂上を目指した。
そして展望台に到着、雲でおおわれ景色は今1つであったが、風が心地よく空気が新鮮に感じられた。
ナッティは下山途中、5合目辺りにある芝生広場でボール遊びした後、帰ろうとするも動かざる事山の如しであった。
帰りの車内、いつもソワソワのナッティもさすがに疲れたのか助手席でぐっすりであった。僕も時間と腰の違和感をしばし忘れ、心地よい疲れと達成感に酔いしれた。
ユウコ曰く、その晩ナッティは寝ながらシッポフリフリで、嬉しそうに寝言を言っていた。さて次はどの山をさすらおうか。