月曜日の祭日、海を楽しむ事無く僕はお仕事、ユウコは連日のお買い物である。そんな彼女の口ぐせは「着ていく服が無い!」・・・である。
ちょっとしたセレクトショップより品揃え豊富なクローゼットにあるものは何なのであろう。
しかし人の好きなものへのこだわりや執着は、ビーグルの食欲のごとく強きものである。いつまでもオシャレ心とウエストのある女性であって欲しい、そう思う。
仕事帰り僕はお車で、オシャレな嫁をお迎えになんばパークスに寄った。駐禁は厳しくなろうとも、タクシーなど相変わらずオラオラ運転であり、渋滞は変わらずであった。
帰りの道中、ご飯を食べずして買い物していたユウコの小腹を満たす為買い食い、まずは玉出の名店『会津屋』のたこ焼きである。
ソースが大嫌いな僕は、この味つきのたこ焼きが大好きである。ソース好きのユウコ曰くもの足りん、らしい。
続いて出島の名店『深清鮨』の名物アナゴにぎりである。店構えも古い建物であり、街並みも古くどこか懐かしい哀愁が漂い、雰囲気が良かった。
6カンで900円のこの代物は、口に入れた瞬間トロけて無くなり、美しき花火のように儚かった。
思いかえせば幼き日々、回転寿司で玉子しか食わなかった僕が、今では蒸し穴を喰らい意見するまでになった。時の流れと共に僕の食文化は戦前戦後のように大きく変化を遂げた。
イモばかり喰わされたあの時代には戻りたくも無いが、思いかえすとあの下積みがあればこそ、アナゴの味がより美味しく頂けるのかもである。
おやおや、寄り道で待ちくたビーグルかい。